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テラちゃん
31
千冬
誰もいない夜の公園の自販機前で、千冬は手渡された「それ」をじっと見つめていた
それは、私がネット通販を駆使して必死に手に入れた、薄型で頑丈な防刃チョッキだった
不格好に切り抜かれ、特攻服の内側に綺麗に縫い付けられるように加工してある
すず
すず
千冬
千冬
タケミチ
タケミチ
すず
すず
すず
すず
私たちは拳を合わせ、それぞれの戦場へと向かった
10月31日、崩れた廃車が山積みにされた廃車場
東京卍會と芭流覇羅の全面戦争が始まった
私は廃車場の高いフェンスの外、死角になる路地裏でスマホを握りしめていた
心臓がバクバクと嫌な音を立てる
原作を知っていても、本物の戦場の恐怖は凄まじい
すず
その頃、廃車場の中では、原作通りの悲劇が幕を開けようとしていた
東卍の裏切り者として、マイキーを狙う羽宮一虎
そして、稀咲の策略を暴くために、一人で芭流覇羅の兵隊をなぎ倒しながら、稀咲の元へと突き進む場地圭介
一虎
鉄パイプの山の上
理性を失った一虎が、懐から取り出したナイフを場地の背中に向けて突き出した
千冬
タケミチ
千冬と武道の絶叫が響く
間に合わない。誰もがそう思った瞬間、刃が一虎の渾身の力とともに、場地の背中に突き刺さった
――キィィィンッ!!!
静まり返る戦場に、場違いなほどの金属音が鳴り響く
一虎
一虎の動きが止まった
ナイフを突き立てられたはずの場地は、一瞬だけ背中に衝撃を感じたものの、血の一滴すら流していない
一虎
場地が自分の背中に手を回すと、破れた特攻服の隙間から、鈍い銀色に光る防刃プレートが顔を覗かせていた
場地
場地は、昨夜自分の部屋に忍び込んだ「バカな弟分」の顔と
その隣にいた「未来を知る」と言い張っていた不思議な少女の顔を思い出し、ふっと口元を歪めた
場地
場地はそのまま振り返り、一虎の顔面に強烈な一撃を叩き込んだ
フェンスの外で、私はスマホの画面を見つめたまま、大きく息を吐き出した
中から聞こえた「金属音」
そして、武道の
タケミチ
という泣き叫ぶような声
すず
涙が溢れて止まらなかった
歴史は変わった。場地圭介は、生きている!
コメント
1件
第4話、読み終えました…!防刃チョッキを仕込む伏線がここで回収されるとは思ってなくて、金属音が響いた瞬間、鳥肌が立ちました。場地くんが生きてる——その一文に本当に救われました。すずさんがこの「変えられた歴史」を丁寧に紡いでくれて、心から嬉しいです。重い展開の中で希望をくれるお話、ありがとうございます🤍