チャイムが鳴り クラスの皆は各々の用事の為に教室を出ていった
一時期は少し気まずい雰囲気だった私達は、以前のように半ば無理やりに戻っていた
涼
咲良
咲良
ん?
涼
今年は浴衣着んの?
咲良
えー…どうしようかなぁ…
咲良
着付け面倒だな…
涼
似合うんだし、着ちゃいなよ
咲良
!…じゃあ…そうしようかな…?
涼
うんうん
涼
私はいつも通り短パンで行くわ
咲良
え〜涼ちゃんも着てよー!
涼
動きにくいから嫌です〜
咲良
え''ぇ私はいいのかよ!
涼
なんかあったら私が担いで行くから大丈夫大丈夫
咲良
ん〜……
咲良
最近太ったから…持てないと思う…
涼
はぁ〜?どこがですか〜?
涼
このガリガリめ
彼女の腰を掴む
咲良
んえっ
涼
うーむ…
涼
…やっぱり細いな
涼
もう少し肥えた方がいいな
咲良
なっ…
咲良
私あんまり食べられない方なんだから…
涼
心配になるんだよ
涼
細すぎて…
腰を掴まれそのまま膝に乗せられる
咲良
(な…なんで…こんな事に…)
いつもは見上げないと見えない彼女の顔が近くにあって心臓の鼓動が速くなる
咲良
えっと…
咲良
そ…そういえばこの前の身体測定どうだった…?
咲良
私1cm伸びてたよ
涼
んー…
涼
1.5cmぐらい伸びてた
咲良
えっ…また伸びたの…
涼
うんー
涼
167cmいえい
咲良
なっ…
咲良
(12cm差…)
咲良
もうそれ以上伸びないでよ…
涼
えー成長期だからね〜
咲良
……
咲良
顔…遠くなるの…やだ…
つい零した本音にハッとする
咲良
あ…えっと…
涼
…ふ…ははは
涼
なんだよぉ寂しがり屋か〜?
咲良
なっ…う…うるさいなぁ!!
からかいながら窓の外を見る彼女の耳は真っ赤に染まっていた






