個室は、密談には完璧な舞台だった。 壁は深い紅に染まり、間接照明が謎めいた 雰囲気を醸し出している
ルビーはジョセフの隣に滑り込み、膝を交差させると、 期待に満ちた目でジョセフを見つめた。
ジョセフは自慢げにケースをテーブルの上に置き、その蓋を開いた。 中には、光を反射する指輪やネックレスがきらめいていた。
ルビー
ジョセフ
人間の世界の宝石もあるんだぜ
ルビー
ジョセフはニヤリとして
ジョセフ
譲ってもいいんだぜ
その大胆な言葉と共にルビーの肩に手を回した。 ルビーは驚いたふりをして
ルビー
ジョセフ
ジョセフは返答し、 ルビーの顔に近づいたその瞬間...!
カシャ
カシャ
カシャカシャとシャッター音が響き渡った。ふいに目を向けると、 フェリックスがシャッターを切る様子が目に映った。
ジョセフ
フェリックスは冷静に一歩踏み出しながら、 ジョセフへ詰め寄る。
フェリックス
単刀直入にお聞きします。
この宝石類は全て盗んだものですね
ジョセフ
これは輸入したものだ!
フェリックス
どのようにして
輸入したのですか?
フェリックスの問いかけに、 ジョセフは口ごもる。
ジョセフ
商売の邪魔をする気か!
フェリックス
これが盗品だったら、あなたは逮捕されますよ。
ジョセフ
フェリックス
盗まれた品物は貴金属や高価な品物ばかり
フェリックス
あなたが盗んだからではないですか?
ジョセフ
防犯カメラに写っているのは俺じゃない、
見ればわかるさ。
フェリックス
ジョセフ
俺が捕まえたんだ。
フェリックス
そうゆう事でしたか...
ジョセフ
オレは盗んでなどいないぞ
ジョセフ
フェリックス
ジョセフ
事によっては逮捕するぞ!
つづく