???
この世界には『能力者』という人間がいる。
???
水や炎、風などを操る者や
???
一瞬で特定の場所に移動できるテレポーテーションや瞬間移動……
???
さらには、人の人格を操って破壊する……そんな能力も存在する。
???
なんていう、現実離れした能力を持つ人間が蔓延る物騒な世の中だ。
???
まぁ、それは人類に『能力』が発現したばかりの頃の話で現在は能力者に対する独自の法律なんかも出来てだいぶ平和な世の中なった。
???
能力者には『ランク』という物が存在する。
???
ランクはE~Aまでの4段階で能力の強力さ、熟練度などで判別される。
???
しかし、その中でも低能力者や無能力者の『ランクE』への風当たりは強かった。
???
今回はとある『ランクE』の少年の物語である。
時計
「ピピピピ、ピピピ」
刹那
「……もう朝か…」
刹那
俺が起きたその時時計はちょうど10時を差していた。
刹那
「確か今日は月曜日……。はぁ、学校行きたくねぇ……」
刹那
学校での俺の立場は良いものでは無かった。
刹那
スクールカーストってあるだろ?俺はあれの最底辺なんだよ。『ランクE』ってだけでな。
ナレーター
そう。彼は生まれつきランクEの『無能力者』だった。彼の周りには小さくとも能力を持っている人間が多かったため学校ではいじめの対象になっていた。
刹那
「ん?10時?確か学校の始業時刻は10時15分だったような……?」
刹那
!!!
ナレーター
その時、彼の頭に閃光が駆け巡った。
ナレーター
学校まで徒歩で30分。彼は悟った。
『…これは遅刻する。』と。
『…これは遅刻する。』と。
刹那
「まずいですよ!」
刹那
俺は準備もそこそこに扉を突き破るようにして外に出た。
刹那
「まずいな……遅刻したらあの連中に何されるか分からん…」
ナレーター
彼は不安を抱きながら学校へ急ぐのであった。






