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例の1件から数日後

ショーロット

……それで、

ショーロット

カイム、あなたは本当に光の魔力になど見覚えがないのね?

カイム

は、はい…

カイム

光の魔力はおろか、普通の魔法だって1度も使えたことなどありません…

あの時感じた魔力…

あれは確かに、光だ

イフリート

今カイムの魔力を測ってみたのですが、

イフリート

…緑の魔力しか、ありませんでした

イフリート

光の魔力は感じ取れません…

ショーロット

…ではなぜ、かしら…

リウラン

そもそも、魔力持ちではなかったカイムが、なぜ緑の魔法を…??

ショーロット

あ…

そうか、リウランはまだ、前世の記憶が ないから分からないのか…

ショーロット

……そ、そうね、たしかに、どうしてあの時、魔力を使えたの?

カイム

え、僕に聞かれても…

ユーラス

何かを感じたとか、無かったんですか?

カイム

……

カイム

ねぇさまに乱暴する奴に、強い怒りを感じて…

カイム

それで、何かをしなきゃって思って…

ショーロット

…それね

強い思いにより、魔力が目覚めた…

これが乙女ゲームのカイムルートの ストーリーだったはず

ショーロット

強い怒りにより、魔力を解放…

ショーロット

これは、ありえないことではないと思いますわ

カイム

……で、では、僕は…

ショーロット

そうね、緑の魔力は常に使えるけど

ショーロット

強い怒りや思いがないと、光の魔力は使えない……

ショーロット

そういう身体であると…

カイム

……なんか、すごいですね…

ショーロット

そうね、すごいわ。

ショーロット

誇りに思いなさい

カイム

は、はい、ショーロットさま…!

ショーロット

あ、そうそう

ショーロット

今日から貴方は、わたくしのことをお姉ちゃんと呼んでいいのよ?

カイム

へ…?

リウラン

知らないのですか?

リウラン

カイム様、あなたは今日から正式に、わがコンラード公爵家の跡取りとして養子に迎えられました。

カイム

はい!?

ショーロット

……まぁ都合は色々とあるのですが、

ショーロット

よろしくね、カイム

カイム

…え、えっと、えっと…

コンコンッ

セレーナ

失礼します

ショーロット

セレーナ!

よかった、怪我はなかったんやな

セレーナ

はい、なんとか…

カイム

ねぇさま…!!!

セレーナ

カイム…

セレーナ

ありがとう、貴方のおかげで助かったわ

カイム

ご無事で、なによりです…

イフリート

……仲がいいんですね

ユーラス

嫉妬ですか?

イフリート

違います。

セレーナ

あ、そうだ、ショーロット様…これ……

ショーロット

……これは…?

セレーナから渡されたのは

赤いルビーの埋め込まれた…箱、?

ショーロット

なにかしら…?

セレーナ

調べたところ、ドールオルゴールのようです。

ドールオルゴール、綺麗やな…

リウラン

ルビーがとても美しいですね

ユーラス

これをどこで…?

セレーナ

監禁されている時に見つけて…

セレーナ

何か手がかりにならないかと、持ってきました

ショーロット

なるほど…

イフリート

これ、使えるのでは?

ショーロット

明日の裁判に、ですか?

イフリート

そうです

明日は、今回の事件について 裁判がある

まだこの国には裁判のルールが あやふやだ

だから、今回証人でもある俺らが セレーナを弁護できるようになった

ショーロット

(お父様に弁護したいって言った時は白目剥かれたけど…)

ユーラス

ファール侯爵側は、まだ容疑を認めていないのですか?

ショーロット

そのようです…

リウラン

はぁ…知能が低いですね

イフリート

まったくもってその通りです

カイム

あの、どういうことですか…?

カイム

僕も明日、法廷に出るということなので、詳しく聞きたいです……

ショーロット

私達は、カリーナが犯罪を犯したという証拠を提示しないといけないの。

ショーロット

そこで、今手がかりを集めているところよ

カイム

な、なるほど…

ショーロット

でも……

ショーロット

もう勝ちが見えたわ…───♪

裁判当日

カリーナ侯爵令嬢

だ!か!ら!アタシやってないの!!

ショーロット

……

ファール侯爵

私からも申し出ます。

ファール侯爵

カリーナは事件当時、お茶会に行っておりました。

セレーナ

いえ、被害者のわたくしからハッキリと言わせてもらいます!

セレーナ

私は、カリーナ侯爵令嬢様に、間違いなく乱暴を働かれました!!

ーこれ、どっちなんだ……?

カリーナ令嬢は普通に頭が悪いが……

セレーナ令嬢が政敵のファール侯爵家を 潰すために嘘を言っている可能性も…

ショーロット

…裁判長、私に尋問を。

ショーロット公爵令嬢、発言を許そう

…5歳児が弁護って…

セレーナ令嬢…大丈夫なのか?

ショーロット

まず、こちらの記事をご覧下さい

第29話『罠』より

ショーロット

ファール爵家初代当主は、二代目当主である息子に家宝を盗まれた事に大層お怒りになり、愛用の馬車で各地を走り回ったも旅路にて事故。盗人の息子は王
都から外れたログハウスに隠れ潜んでいた。ファール家の捜索で見つかってしまい、無事投獄。しかし、盗まれた家宝、<ルビーの埋め込まれたドールオルゴール)は、現在でも見つかっておらず。
ファール保爵家は、当主の死を悲しみ、今も彼が愛した馬車を所有しているという……

ショーロット

こう書いてありますわ。

ファール侯爵

そんな馬鹿な……っ

カリーナ侯爵令嬢

…?

ファール侯爵

(こ、この記事、我が家の名誉に関わると、当初に全て燃やされたはず……)

ファール侯爵

(なぜ、あの小娘が……!?)

ショーロット

ここに書いてあるログハウス……

ショーロット

このログハウスとは、セレーナ令嬢が発見されたところですわ。

カリーナ侯爵令嬢

…!?

ファール侯爵

……っ

ショーロット

セレーナ令嬢が倒れているところを、近くの町の傭兵も見ております

ショーロット

こちらは事実と言っていいでしょう

被告人、異論はないかね?

カリーナ侯爵令嬢

…、っ

ファール侯爵

……ッ

ショーロット

…次に行きますわ

ゴトッ……

ショーロット公爵令嬢、それは…?

ショーロット

こちら、ドールオルゴールですわ

ファール侯爵

それはッ…

ドールオルゴール?

なんでそんなものが……?

ショーロット

セレーナ令嬢が、監禁されている時に見つけたものです

ショーロット

そして先程見せたこの記事に、

ショーロット

ファール侯爵家の家宝は、

ショーロット

『ルビーの埋め込まれたドールオルゴール』…と、書かれております

ショーロット

この意味、分かりますよわよね?

ざわざわ……

被告人側、反論はあるか?

カリーナ侯爵令嬢

…うぅッ

ファール侯爵

…な、な…っ

ファール侯爵

……

ファール侯爵

……ない、ですッ…

……カリーナ侯爵家に、処罰を下す

ショーロット

勝った、、余裕すぎ…

ショーロット

(でも……)

ショーロット

裁判長、お待ちください。

なんだね?

ショーロット

処罰を与えるのは、カリーナ令嬢のみでよろしいかと。

ほう…。

ショーロット

今回の件は、全てカリーナ・ファール令嬢が企てたことであり、ファール侯爵は一切関わっておりません

……被告人側、何か言うことは?

ファール侯爵

そ、その通りです…!!

ファール侯爵

わたくしめは、一切この事件に関わっておりません!!

カリーナ侯爵令嬢

お、お父様!?そんな…ッ

ショーロット

……

では、処罰はカリーナ令嬢のみに与える

カリーナ令嬢に、 10年の謹慎を言い渡す。

カリーナ侯爵令嬢

な、なん、で…っ

では、これにて閉廷!!!

セレーナ

ショーロット様!

ショーロット

ただいま。

リウラン

お帰りなさいませ。

ユーラス

裁判、見てましたよ

イフリート

敵に有無を言わせず…

カイム

圧勝、でしたね…

ショーロット

まぁこんなもんよ

あいつらが馬鹿なだけやな

ショーロット

こんなところで苦戦してたら、シーカー村なんて行けないわ

セレーナ

シーカー村!?

ユーラス

あぁ〜、そういえばそうでしたね

イフリート

はぁ…やはり覚えていましたか…

ショーロット

忘れるわけないじゃない!

俺が1年間ダンジョンで修行したのは あそこに行くためなんやから!

カイム

あの、シーカー村がどうかしたんですか…?

ショーロット

そこに行くのよ

カイム

へ!?

リウラン

はぁ…

カイム

建国当時に存在ごと隠蔽された、通称地獄の村…そんなところに行くのですか!?

ショーロット

えぇそうよ。

ユーラス

カイム…お姉さんは、誰にも止められないんです…

イフリート

…いつ行くのですか?

ショーロット

明日よ

リウラン

はぁ!?!?!?

ショーロット

今も、シーカー村で苦しい思いをしている人がいるのよ

ショーロット

そう呑気にしてられないわ

イフリート

……こりゃ止められない…

ユーラス

殿下たちに伝えたのですか?

ショーロット

もちろん!

ショーロット

止められましたが、黙らせましたわ!

カイム

……

セレーナ

ぷっ…あははっwショーロット様らしいですわ!

リウラン

熱血女子…

ショーロット

あ、もうわたくし、準備しに行きますわ

ショーロット

皆様もよろしければ明日の見送りに出席していただけると嬉しいですわ

ショーロット

それでは。

リーベル婦人

う、うぅぅっ…

ショーロット

お母様…

いい加減離れてくれ…

コンラード公爵

…本当に、危なくなったら帰ってくるんだぞ

リーベル婦人

いつでも帰ってきていいんだからねっ…私の可愛いショーロットちゃん…!

ショーロット

はい、ありがとうございます。

ユーラス

…本当に一人で行くつもりですか?

ショーロット

一人で大丈夫なように、1年も修行をしたのです、本気ですわ。

イフリート

はぁ…またショーロット様がいなくなって、色々と噂されますよ……

リウラン

それは僕達が処理しましょう

セレーナ

それしかないようですわね…

ショーロット

では、行ってまいります。

カイム

き、気をつけてねっ…お、おねぇ、ちゃん……っ!//

ショーロット

ゔっ…(💘)

こうして…

初めてできた弟に心を掴まれながら

危険いっぱいの村へ旅立つ ショーロットであった

悪役令嬢、綺麗事しか言わないヒロインとバカ王子を逆ざまぁw「処刑なんてごめんあそばせ!」

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コメント

17

ユーザー

この物語本当に大好き……。 最後の裁判での会話とか凄いスカッとして最高やわ。 ジェットコースターって何が起こるんだろw 楽しみにしています!

ユーザー

ショーロットが5歳ってま?

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