突然、現れたその青年
艶のある髪
風に靡く(ナビク)その制服
吸い寄せられる天性の瞳
凛
綺麗だ…((ボソッ
⁇
ん?((ニコッ
⁇
どうしたの?
彼の笑顔は美しい
凛
((ドキッ、
俺は驚いたように口を手で隠した
凛
いや、なんでも…
彼に気持ちを悟られないために
⁇
よっと((ポスッ
彼がフェンスから降りて近づいてきた
⁇
君、タヒのうとしてたの?
凛
は、
⁇
ふふっ((ニコッ
⁇
俺には見えちゃうんだよ
その幽霊は片手で望遠鏡を作りながら 俺を覗いた
心底驚いた。
まるで、彼のその瞳は
俺のことを見え透いている
⁇
なるほどねー
凛
何だよ、
⁇
いや、何でもないよ
⁇
ただ
((トコトコ
耳元でこう言った
⁇
君が僕をどう思ってるか、気になっちゃって((ボソッ
凛
ッ…⁈
凛
何だ。お前離れ((スカッ
凛
は?
そうだコイツ、幽霊だから…
⁇
大丈夫だよ。((ヨシヨシ
急に触られて反射的に振り払ったが、 俺が彼の手に触れる食感はない
凛
何でお前は俺に触れるんだよ
⁇
幽霊だから
凛
はぁ、
凛
もういい、俺は帰る
凛
(コイツといると気が狂う)
⁇
えー、
幽霊を背にして歩き始めた
⁇
俺ともう2度と会えなくなるけど
⁇
いいの
凛
別に
凛
時期に俺は居なくなるから
⁇
ふーん
凛
けど帰る前に、お前の名前聞かせろよ
潔
俺は潔。幽霊なんだ〜
凛
見れば分かる、
潔
可哀想にね
潔
君が惚れた子はもうタヒんでるなんて
凛
勝手に人の心覗くとか変態かよ
凛
ていうか、お前自意識過剰すぎ
凛
ただ元カノに似てるだけだ
潔
あれ?強がりなんだね
潔
凛ってさ
凛
何で俺の名前
潔
知らないとでも思った
凛
だから何でだよ、気持ち悪りぃ
潔
幽霊だから〜
凛
、
凛
そのアホ面見てると腹が立つ、
凛
じゃあな幽霊
凛
はぁー、
凛
何なんだよアイツ
そう思って、歩き出した時
フェンスが揺れる音がした。
((パァーーーン
凛
((ビクッ
凛
まさか、
凛
((ガチャッ
凛
おい!
凛
あれ絶対、飛び降りだろ
フェンスを掴み、下をのぞいた時
ビュンッと強い風が吹いた
凛
ッ 、
フェンスは酸化してて壊れやすくなっていたらしく
体が傾いた
体が空に身を委ねた
その時俺は見た
誰も居なかった屋上で笑う
幽霊を
潔
君が望んでた事でしょ((ニコッ
凛
(何だよアイツ)
凛
(まぁ、いい。こうなることを望んでたのは、本当だから)
静かに目を閉じて終わることを待った