不幸の魔法少女

昨日の話

小鳥さんの話

確かに今まで考えたことがなかった

キラの正体なんて

確かに不思議だ

幼き頃に憧れた魔法少女アニメのような、

そんなこと、この現実世界にあり得るはずがないって

そんなこと、わかってた

わかっていた、はずなのに…

でも、

お母さんの笑った写真を眺める

その写真が大粒の涙で濡れていく

そう、お母さんは低栄養、低体重で危ない状態の私を産むために、

自らの命を犠牲にした

私よりも、お母さんが生きてて欲しかった

そんな願いなど、もう届くはずもなかった…

私は数年前、ある女の子と共に魔法少女をやっていた

その子の名前は雪月 光希、ネックレスで変身する魔法少女

でもあの子はある日を境にいじめられた

でも、私には見て見ぬふりしかできなかった

怖かったから、

言い訳でしかないけど、自分の身しか守れなかった

そんな彼女は自分で自分のネックレスで首を絞め、魔法を放ち、死んだ

昔から、うちのお父さんは

うちがダメなことしたら、浴槽に水を張り、

うちを沈めた

やめてと何度も訴えてもやめてもらえず、

本当に溺死寸前まで沈められた

肺に水が溜まっていくのを感じるあの感覚、

痛くて苦しくて、仕方がなかった

お風呂に入ると、いつもそのことを思い出し、

過呼吸になるようになった

そして水が嫌いになった

私は昔から体が弱かった

毎日のように体調を崩した

それに財閥の娘であることが気に入らず、

時には反抗もしてきた

当然上手くいくはずもなく、私は家族から失敗作と言われるようになった

だから私はこの財閥が、家が、家族が、

でも、キラと出会って、変われた気がしたの

でもそれは不信感を招いた