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無題。

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無題。

1 - 無題。

♥

244

2022年04月30日

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2005年 10月31日

俺は死んだ。

辺りを見回すと眩しいくらいの透き通った日差しが緑の木々を光らせ美しいという言葉では例えきれない程の景色が視界に写った。

場地

………((小さく口を開け

俺は死んだとすぐに解釈しゆっくりと奥へと足を進めた。

道は長くいくら歩いても出口は見つかる気配がなかった。 死んでいるからか疲れる事がなく俺は無意識に只管歩き続けていた。

先程まで森林だったはずの景色は瞬きしたと同時に見慣れたドアの前に変わっていた。

場地

……ここは、

松野 綺麗な字が施された表札を見てある人を思い出す。

再び瞬きをすれば次はある部屋に俺は立っていた。

千冬

………((呆然と窓に座り込み外を見つめ

場地

………((驚いた表情を浮かべ相手に近寄る

そっと彼の肩に触れようとしたが俺には触れる勇気がなかった。 死んでいるからとかは関係なくただただ本能的に触れれなかった。

ニャーンと綺麗でするどい目をした黒猫の鳴き声が部屋に響く

千冬

ペケJ…((鳴き声の方に視線を向けては猫にそっと触れ

黒猫は彼に撫でられながら俺の方をじっと見つめていた。 そして再びニャーンと鳴き声を上げた。

また瞬きすると景色は変わり 目の前には大きな体格をした男にボロボロになった千冬、そして武道が立っていた。

場地

……

千冬

相棒…!行くぞ!

武道

おう!

2人の強い眼差しにぐっと何かが混み上がっていた。 俺は立って見る事しかできない。同じようにぶん殴ることもできない。 それでも俺は心の底から彼らが勝つと信じていた。

千冬に相棒と呼べる大事な人が出来ていた。それが凄く嬉しくてたまらなかった。

それから俺は沢山の景色を見てきた。

天竺という奴らとぶつかり合った景色

エマが死んだ景色 イザナが死んだ景色 ドラケンが死んだ景色 俺が死んでからも沢山の人の命が失われた。

なんとも言えない気持ちだった。 マイキーのように堕ちる気持ちでもないし、武道のように救いたいという気持ちでもなかった。

俺には感情がなかった。

次の景色は今までとは違った景色だった。

なんだか暖かい景色を見ているような安らかな気持ちだった。

千冬

いらっしゃいませ〜!((自身の動きを止めお客さんに向けて微笑み

一虎

あ、ちょッ!暴れんなって…!((腕の中で暴れる犬を抱き抱え慌てふためき

場地

……((うっすらと笑みを浮かべ店の中を歩き回り

千冬達はペットショップを開いたらしい。 ペットショップを開くのは俺の夢だった。きっと千冬がその願いを叶えてくれたんだ。

業務員室に入ると沢山の書類やペットの餌などが置いてあった。

机の上にペンと紙が置かれていて何気なく俺はペンを手に取った。 何故かペンに触れることができ紙に書くこともできた。

場地

……((ペンと紙を見つめ

俺は椅子に腰かけゆっくりとペンの動きを進めた。

松野 千冬さん。 羽宮 一虎さんへ。

元気でいますか? まずは俺のユメを叶えてくれてありがとうな! 覚えてるか? 一虎が少年院に入った時、こうやって毎日手紙を送ってたよな。 そン時に千冬に会って2人で馬鹿してたンだよな! 千冬とペヤング半分こも毎日の様にしてすっげぇ思い出に残ってるワ!

嘘みてぇだけど、俺は今2人の夢の中にいんだよな。 今は2人のそばにいれねぇけど、2人で形ない物の輝きを忘れず進んでいけよ?

この道の先でどんな苦難があっても俺はずっと2人の味方だからよ!

カタンと音を立てペンを机に置く。

一虎

あー…疲れた

一虎

ったく、千冬のやつ俺の事こき使いやがって…!((自身の拳に力を入れ小さく呟いては

一虎

…あ?んだこれ

机の上に置かれた紙とペン。 俺は紙に目を通し所々読みにくい字に懐かしさを感じる。

一虎

……これって

一虎

お、おい千冬!((紙を持ち慌ててドアを開けては

千冬

なんですか!そんな大きな声出して

千冬

そんな事より一虎くん掃除道具の点検は…!

一虎

おいこれ見ろよ!((自身の持つ紙を相手の視界に近づけ

千冬

はぁ?!

千冬

って、手紙…?((相手から紙を受け取り紙に目を通し

千冬

………

千冬

こ、こんなイタズラやめてくださいよ…((苦笑いを浮かべ一虎を見つめては

一虎

俺じゃねぇよ!さっき事務室入った時に机に置かれてたんだって!

千冬

場地さんが書いたとでも言うんですか、、((心做しか弱々しく小さく呟き

一虎

………

場地

………((2人の様子を伺い笑みを浮かべ

場地

お前ら元気でな。

一虎

……ッ!!((目を見開き辺りを見回しては

一虎

バジ…?

確かにアイツの声と気配がしたはずなのに俺の目には見えなかった。 けれどこの手紙がアイツからの物だと俺は今でも信じている。

ここまでです! 今回は前起きなく急な始まりにしてみました! なんか明日への手紙という曲が頭から離れなくて…!

場地さんに見守られてると安心感凄そうですよね

ここまでのご視聴ありがとうございました!

この作品はいかがでしたか?

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コメント

2

ユーザー

うぎゃぁああ、涙腺崩壊事件物ですよこれは...😇(?) 場地さんが亡くなったエマちゃん達と皆のことを見ててくれたらいいなぁ...🥺 今回も神作ありがとうございましたっ!!🤭 👨‍🌾さんは大尊敬・最推し様ですっっ...🥰大好きです!

ユーザー

泣く泣く…。バジさんはきっと今も千冬達の事を見守ってると思います……。そうであってくれ

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