2005年 10月31日
俺は死んだ。
辺りを見回すと眩しいくらいの透き通った日差しが緑の木々を光らせ美しいという言葉では例えきれない程の景色が視界に写った。
場地
俺は死んだとすぐに解釈しゆっくりと奥へと足を進めた。
道は長くいくら歩いても出口は見つかる気配がなかった。 死んでいるからか疲れる事がなく俺は無意識に只管歩き続けていた。
先程まで森林だったはずの景色は瞬きしたと同時に見慣れたドアの前に変わっていた。
場地
松野 綺麗な字が施された表札を見てある人を思い出す。
再び瞬きをすれば次はある部屋に俺は立っていた。
千冬
場地
そっと彼の肩に触れようとしたが俺には触れる勇気がなかった。 死んでいるからとかは関係なくただただ本能的に触れれなかった。
ニャーンと綺麗でするどい目をした黒猫の鳴き声が部屋に響く
千冬
黒猫は彼に撫でられながら俺の方をじっと見つめていた。 そして再びニャーンと鳴き声を上げた。
また瞬きすると景色は変わり 目の前には大きな体格をした男にボロボロになった千冬、そして武道が立っていた。
場地
千冬
武道
2人の強い眼差しにぐっと何かが混み上がっていた。 俺は立って見る事しかできない。同じようにぶん殴ることもできない。 それでも俺は心の底から彼らが勝つと信じていた。
千冬に相棒と呼べる大事な人が出来ていた。それが凄く嬉しくてたまらなかった。
それから俺は沢山の景色を見てきた。
天竺という奴らとぶつかり合った景色
エマが死んだ景色 イザナが死んだ景色 ドラケンが死んだ景色 俺が死んでからも沢山の人の命が失われた。
なんとも言えない気持ちだった。 マイキーのように堕ちる気持ちでもないし、武道のように救いたいという気持ちでもなかった。
俺には感情がなかった。
次の景色は今までとは違った景色だった。
なんだか暖かい景色を見ているような安らかな気持ちだった。
千冬
一虎
場地
千冬達はペットショップを開いたらしい。 ペットショップを開くのは俺の夢だった。きっと千冬がその願いを叶えてくれたんだ。
業務員室に入ると沢山の書類やペットの餌などが置いてあった。
机の上にペンと紙が置かれていて何気なく俺はペンを手に取った。 何故かペンに触れることができ紙に書くこともできた。
場地
俺は椅子に腰かけゆっくりとペンの動きを進めた。
松野 千冬さん。 羽宮 一虎さんへ。
元気でいますか? まずは俺のユメを叶えてくれてありがとうな! 覚えてるか? 一虎が少年院に入った時、こうやって毎日手紙を送ってたよな。 そン時に千冬に会って2人で馬鹿してたンだよな! 千冬とペヤング半分こも毎日の様にしてすっげぇ思い出に残ってるワ!
嘘みてぇだけど、俺は今2人の夢の中にいんだよな。 今は2人のそばにいれねぇけど、2人で形ない物の輝きを忘れず進んでいけよ?
この道の先でどんな苦難があっても俺はずっと2人の味方だからよ!
カタンと音を立てペンを机に置く。
一虎
一虎
一虎
机の上に置かれた紙とペン。 俺は紙に目を通し所々読みにくい字に懐かしさを感じる。
一虎
一虎
千冬
千冬
一虎
千冬
千冬
千冬
千冬
一虎
千冬
一虎
場地
場地
一虎
一虎
確かにアイツの声と気配がしたはずなのに俺の目には見えなかった。 けれどこの手紙がアイツからの物だと俺は今でも信じている。
ここまでです! 今回は前起きなく急な始まりにしてみました! なんか明日への手紙という曲が頭から離れなくて…!
場地さんに見守られてると安心感凄そうですよね
ここまでのご視聴ありがとうございました!
コメント
2件
うぎゃぁああ、涙腺崩壊事件物ですよこれは...😇(?) 場地さんが亡くなったエマちゃん達と皆のことを見ててくれたらいいなぁ...🥺 今回も神作ありがとうございましたっ!!🤭 👨🌾さんは大尊敬・最推し様ですっっ...🥰大好きです!
泣く泣く…。バジさんはきっと今も千冬達の事を見守ってると思います……。そうであってくれ