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2週間前

ジャックがまだイギリスのブレイディに行く前の話

ジャック・ザ・リッパー

私の未来は見えますか??

占い師

可能。占ってみせよう。

占い師

………。

占い師

見えた。

ジャック・ザ・リッパー

………。

占い師

君はイギリスのブレイディに行くつもりか??

ジャック・ザ・リッパー

その通りです。

占い師

やはり。そこでとある少年に出会うだろう。

占い師

君と少年は特別な関係。切っても切れない縁で結ばれている。

ジャック・ザ・リッパー

………。

占い師

そして、強い想いで結ばれる事になる。

占い師

強い想いで結ばれた時、君に不幸が訪れるだろう。

ジャック・ザ・リッパー

不幸ですか。

占い師

だが、不幸を幸に変えることも可能。

占い師

君は自分自身を誇れる自分なれ。

ジャック・ザ・リッパー

自分自身を誇れる自分……。

占い師

そう。

ジャックは占い師の予言通り、イギリスのブレイディでアーロンと出会った

今、アーロンはベッドで寝ている

アーロン

………💤

ジャック・ザ・リッパー

(あの占い師の言う通り、この子が例の少年ですね。)

ジャック・ザ・リッパー

(私とこの子が強い想いで結ばれる事になる…。)

ジャック・ザ・リッパー

(予言通りにいけば、私に不幸が訪れるはずです。)

ジャック・ザ・リッパー

(この子を殺せば…。しかし、殺すことは恐らく不可能でしょう。)

ジャック・ザ・リッパー

(この子と私は切っても切れない縁で結ばれているのですから。既に1度殺害に失敗している。切っても切れない縁とはそういう事なのでしょう。)

アーロン

ん………💤

アーロン

ジャッ………ク……💤

ジャック・ザ・リッパー

(私を呼んでいるのですか……??)

アーロン

どこ……にも……💤

アーロン

行かな………いで………💤

ジャック・ザ・リッパー

(強い想いとは……どういうものなのか。)

ジャック・ザ・リッパー

(考えても無駄ですね。今日は疲れました。私も寝るとしましょう。)

ジャックはベッドで寝るアーロンの隣で横になった

ジャック・ザ・リッパー

ここにいますよ。あなたのそばに。

ジャック・ザ・リッパー

(殺せない。)

ジャック・ザ・リッパー

(殺せないのであれば私は……)

ジャック・ザ・リッパー

(この子を………と神に誓いましょう。)

そして、ジャックも眠りについた

次の日

ジャック・ザ・リッパー

……。

ジャック・ザ・リッパー

朝……ですね…。朝は苦手です…。

ジャック・ザ・リッパー

起きなくては。

ジャック・ザ・リッパー

(まだこの子は寝ていますね。そういえば、名前も聞いていなかったですね。)

ジャックは大きなトランクに荷物を積み始めた

それと同時にアーロンが目を覚ます

アーロン

(ぼ、僕…生きてる…。)

ジャック・ザ・リッパー

おはようございます。よく眠れましたか??

アーロン

はい……。

ジャック・ザ・リッパー

私はこれから出かけます。

アーロン

どこへ??

ジャック・ザ・リッパー

再びイギリスに行きます。

アーロン

ブレイディへ…??

ジャック・ザ・リッパー

いいえ、ブレイディには要はありません。私はもうあそこへは行けないでしょう。

アーロン

イギリスへ行くなら、僕も行きます…。

ジャック・ザ・リッパー

それは不可能です。逃げられては元も子もないです。

アーロン

(やっぱりダメか……。)

ジャック・ザ・リッパー

3日ほどで戻ります。外出は出来ないようになっておりますので、家の中で過ごしていてください。

ジャック・ザ・リッパー

しっかりと食事も取るようにしてください。

ジャック・ザ・リッパー

武器庫へは立入禁止ですよ?

アーロン

は、はい………。

ジャック・ザ・リッパー

それでは。

ジャックは大きなトランクを持ったまま出掛けて行った

それから3日間、アーロンは退屈な日々を過ごしていた

アーロン

(これ、人質が送る生活かよ……。これ、僕がブレイディで暮らしてた時よりもいい暮らしが出来てるじゃんか…。良い家に住んで、食料も沢山で困らない。)

(ガチャ)

玄関のドアが開いた

ジャック・ザ・リッパー

もどりましたよ。

アーロン

………。

ジャックが戻ったのは朝だった

ジャック・ザ・リッパー

帰宅早々で申し訳ないのですが、汚れてしまったので私は入浴します。

アーロン

は、はい……。

ジャック・ザ・リッパー

あなたも浴槽を使用したければ一緒にどうぞ。

アーロン

け、結構です……。

アーロン

(どんな気遣い……。)

ジャックが大きなトランクを持ち、アーロンの横を通る

アーロン

う……ぇぇ…?!

ジャック・ザ・リッパー

なんでしょうか?

アーロン

い、いや………。

ジャック・ザ・リッパー

そうですか。

そのままジャックは姿を消した

アーロン

(隣通った時……)

アーロン

(血の匂いが凄かった………。)

アーロン

(絶対に人を殺してきたんだ…!!)

その後、アーロンはジャックが入浴所にいることを確認すると、ジャックが持っていたトランクを調べる事にした

アーロン

ここから、血の匂いがする。

アーロン

中身はなんだ……。

アーロン

(死体か??死体だろうな……。)

トランクは鍵もかかっておらず、簡単に空いた

アーロン

う…わ………、なにこれ………。

中身は大量の血がついた服だった

ジャック・ザ・リッパー

そこで何をしているのです?

アーロン

はっ……?!

後ろには風呂上がりのジャックが立っていた

アーロン

あの……。

ジャック・ザ・リッパー

勝手な行動はしないようにと言ったはずです。

アーロン

(勝手な行動をしたら殺す。だっけ…??)

アーロン

ちが……そんなつもりは……。

ジャック・ザ・リッパー

はぁ……。

ジャック・ザ・リッパー

今回は見逃しましょう。

アーロン

………。

アーロン

何故人を殺すのです…??

ジャック・ザ・リッパー

君にはいつか言うつもりですが、まだ早いでしょう。前にも言ったように、私の為とでも言っておきましょう。

アーロン

またそれですか……。

ジャック・ザ・リッパー

では言い方を変えます。

ジャック・ザ・リッパー

私にとって殺人をする事は、自分自身を誇れる自分なのです。

アーロン

自分自身を誇れる自分??

ジャック・ザ・リッパー

自分自身を誇れる自分になれば、不幸が幸に変わる。

アーロン

意味わかんない……。

ジャック・ザ・リッパー

そのうち分かりますよ。

ジャック・ザ・リッパー

それより、名はなんと言うのですか?

アーロン

僕は…アーロン……。

ジャック・ザ・リッパー

そうですか。アーロン。

ジャック・ザ・リッパー

いい名前を持っていますね。素敵です。

アーロン

いや…そんなこと……。

ジャック・ザ・リッパー

アーロン、甘いものは好きですか?

アーロン

甘いもの??

ジャック・ザ・リッパー

イギリスに行ったのでお土産を買ってきましたよ。喜んでくれるといいのですが。

ジャックはイギリスの名産物のクッキーをくれた

アーロン

………。

ジャック・ザ・リッパー

どうぞ、召し上がってください。

アーロン

要らない……。

ジャック・ザ・リッパー

そうですか。気に入って食べてくれると思ったのですけど…。気が向いたら食べてくださいね。

アーロンにはジャックが少しへこんでいるように見えた

それからしばらく時間は経ったが、アーロンはなかなかジャックに心を開くことは無かったが……

ある日の出来事

アーロンがこの生活にも慣れてきた頃

アーロン

ジャック、今日もいない…。

相変わらず、アーロンは1人で過ごしていた

アーロン

犬でも居てくれたら……。

(ピンポーン)

アーロン

(誰か来た……。)

アーロン

(でも、勝手には出れない…。殺されるかもだから。)

???

警察です。

???

どなたかいませんか???

アーロン

(警察?!これはチャンスかもしれない…。)

アーロンは玄関に向かった

アーロン

い、今出ます!!

???

………。

(ガチャ)

???

警察です。

アーロン

警察さん……

???

お金を頂きにまいりました。

アーロン

え…??

???

変な事したら刺すぞ。

警察を装った男はアーロンにナイフを突き付けた

アーロン

ご、強盗……?!

???

この家の金のある場所に連れていけ。

男はアーロンの首元にナイフを突きつけたまま家の中に入っていった

アーロン

わ……わかんない……。

???

ふざけたことを言うな。ここに住んでいる身だろ?

アーロン

ち、違う……。

???

嘘をつくな。殺すぞ??

アーロン

本当に……わかんない……。

???

くそ……。

???

金庫の場所くらい分かるだろ??

アーロン

知らないです……。

???

使えねぇガキだな。

そこへ

ジャック・ザ・リッパー

アーロン。戻りましたよ……。

ジャック・ザ・リッパー

どなたですか??

???

邪魔してる。俺は強盗だ。金のある場所はどこだ??

ジャックはアーロンが首にナイフを突きつけられているのに気づいた

ジャック・ザ・リッパー

その子を離してください。

???

それは出来ないな。俺の人質だ。

アーロン

………。

アーロン

ジャックさん……。

ジャック・ザ・リッパー

アーロン。待っていてください。必ず助けます。

アーロン

………。

アーロン

(殺人鬼が僕を必ず助けます。だって。本当に信じてもいいの??この際、この強盗と一緒に殺されちゃうんじゃ……。)

???

おい、早く金を出さねぇとこいつの命は無いぞ??

ジャック・ザ・リッパー

あなたに渡す金などここにはありません。

???

ひでぇ奴だ。それはこいつを見殺しにするって解釈でいいよな?

アーロン

(やっぱりそうなんだ…。俺はジャックの人質…。助けるなんて嘘。)

ジャック・ザ・リッパー

私はその子を見殺しにするなんてことはしません。

???

意味がわからねぇな紳士さん。

その時

(バァァァン)

(ドサッ)

強盗の男がその場で倒れた

アーロン

うう……。

アーロン

うわっ……。頭に銃弾が……。

男は頭から血が出て死んでいた

アーロン

死んで……る……??

ジャック・ザ・リッパー

怪我はないですか??

ジャックがアーロンの手を握る

アーロン

痛っ……。

ジャック・ザ・リッパー

首から少し出血していますね。私が診てあげます。大怪我をしなくて良かったです。

アーロン

なんで…??

ジャック・ザ・リッパー

???

アーロン

なんで助けたんです……??

アーロン

僕なんて、生きていてもろくな人生を送らない……。人質なんだから。この先もこんな生活を送るのならならば、あの時死んでいたかったのに………。

ジャック・ザ・リッパー

………。

ジャック・ザ・リッパー

それは申し訳ないです。

アーロン

僕、もう……死にたい……。

アーロン

殺してよ……ジャックさん………。

ジャック・ザ・リッパー

………。

ジャック・ザ・リッパー

残念ながらそれは出来ません。

アーロン

なんで……??

ジャック・ザ・リッパー

あなたは私の生きる目的なのです。

アーロン

生きる目的……??

ジャック・ザ・リッパー

はい。君は私の生きる目的。

ジャック・ザ・リッパー

生きる目的に死なれては困りますよ。

アーロン

それって……。

アーロン

死なれては困ると言うのなら…。

アーロン

あなたは僕を…

ジャック・ザ・リッパー

殺すつもりはないです。

ジャック・ザ・リッパー

だからもう、怖がらないで。

ジャック・ザ・リッパー

私はあなたを守ると神に誓いました。

アーロン

うぅっ………。

アーロン

もう、これから怯えて生活しなくてもいいんですか……?!

ジャック・ザ・リッパー

はい。今までこの事を黙っていて申し訳ないです。

アーロン

ジャックさん………。

アーロンはジャックに泣き付いた

ジャック・ザ・リッパー

ありがとうございます。アーロン。

ジャック・ザ・リッパー

私を信じてくれて……。

ーendー

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