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私のアール

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私のアール

第1話 - 私のアール

222

2022年02月11日

#春千夜

#私アール

幻の神＿

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幻の神＿

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私のアール

春千夜

俺、屋上で靴を脱ぎかけた時に

春千夜

黒髪の先客に声をかけてしまった。

春千夜

「ねぇ、やめなよ」

春千夜

口をついて出ただけ。

春千夜

本当はどうでも良かった

春千夜

先を越されるのが何となく癪だった

春千夜

黒髪の子は語る

春千夜

どこかで聞いたようなこと

ココ

「運命の人だった、どうしても愛されたかった」

春千夜

ふざけんな！そんなことくらいで

春千夜

俺の先を越そうだなんて

春千夜

欲しいものが手に入らないなんて

春千夜

奪われたことすら無いくせに！

ココ

「話したら楽になった」

春千夜

って、黒髪の子は消えてった。

春千夜

さぁ、今日こそはと靴を脱ぎかけたらそこに

春千夜

背の低い男の子

春千夜

また声をかけてしまった

春千夜

背の低い子は語る、クラスでの孤独を

マイキー

「無視されて、奪われて居場所がないんだ」

春千夜

って

春千夜

ふざけんな！そんなことくらいで！

春千夜

俺の先を越そうだなんて！

春千夜

それでも、うちでは愛されて

春千夜

温かいご飯があるんでしょう

マイキー

「お腹が空いた(泣)」

春千夜

と泣いて背の低い男の子は消えてえった

春千夜

そうやって何人かに声をかけて

春千夜

追い返して

春千夜

俺自身の痛みは言えないまま

春千夜

初めて見つけたんだ

春千夜

似たような悩みの子

春千夜

何人目かにあったんだ黄色いガーディガンの子

蘭ちゃん

「うちに帰る度に増え続ける痣を消し去ってしまうためここに来たの」

春千夜

と言った

春千夜

口をついて出ただけ本当はどうでもよかった

春千夜

思ってもいないことでも、声をかけてしまった

春千夜

「ねぇやめてよ」

春千夜

ああ、どうしようこの子は止められない

春千夜

俺には止める資格が無い

春千夜

それでもここからは消えてよ

春千夜

君を見ていると苦しんだ

蘭ちゃん

「じゃあ今日はやめておくよ」

春千夜

って目を伏せたまま消えてった

春千夜

今日こそは誰もいない

春千夜

俺1人だけ

春千夜

誰にも邪魔されない

春千夜

邪魔してはくれない

春千夜

カーディガンは脱いで

春千夜

髪を解いて

春千夜

背の低い俺は、

春千夜

「今から飛びます」

ココ

やめろ！

蘭ちゃん

春千夜！

マイキー

やめてくれ！