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青い春と 、氷の少女
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五条 悟
防波堤を飛び越えた瞬間 、肌を焼くような熱気がふっと消えた 。
視界に飛び込んできたのは 、真夏の太陽に照らされた青い海 … その手前の砂浜だけが、まるでスノードームの内側みたいに白く霞んでいる。
夏油 傑
後ろから来た傑が 、信じられないものを見るように目を細めた 。
硝子も無言で 、サンダルの中に潜り込む砂を気にするのも忘れて立ち尽くしている 。
僕の「 六眼 」が 、その中心を捉えた 。 情報の奔流が脳を焼く 。
でも、その違和感は呪力的な「 不快さ 」じゃなかった 。 あまりにも清らかで 、澄み切っていて … まるで 、この汚れきった夏を丸ごと浄化してしまうような 、静かな波 。
五条 悟
僕は吸い寄せられるように 、雪の降る中心へと歩き出した 。 熱を帯びた砂が 、足元からどんどん冷えていく 。 波打ち際 、ポツンと一人の女の子が座っていた 。
透き通るような白い肌 。 彼女が砂に指を触れると 、そこから氷の結晶がスッと広がり 、波が寄せるたびに海水が宝石みたいな花に変わっていく 。
家入 硝子
硝子がぽつりと呟いた 。
その声に気づいて 、彼女がゆっくりと振り返る 。 僕と目が合った 。
その瞬間 、心臓を直接殴られたみたいに 、ドクンと跳ねた 。
???
彼女は困ったように眉を下げて 、でも 、どこか穏やかに微笑んだ 。
???
五条 悟
気づけば 、サングラスを外して身を乗り出していた 。
傑が「 悟 、失礼だよ 」と僕の肩を掴むが 、そんなのどうでもいい 。
僕の六眼が 、脳内で警報を鳴らしている 。 「 こいつを 、絶対に逃がすな 」と 。
白河 澪
その控えめな自己紹介が 、僕の10年 、いや一生を狂わせる合図だったなんて 。
舞い落ちる雪の中で 、僕はただ 、彼女の瞳に映る自分のマヌケな顔を見つめることしかできなかった 。
白河 澪