仮面をつけた3人の少女

集会が終わった

"灰谷兄弟さん"

ダンッ

"竜胆"

ドンッ

ガンッ

ゴンっ

俺らはいつも当たり前のように

虐待を受けていた

車の中だと思ってください

いい背景がなかったんで これで許してくだされ

あの時の兄ちゃん

必要な時にしか話さなかったなぁ

だからか、この沈黙が怖かった

むりやり外に出された

蘭は竜胆に駆け寄る

車のドアが閉まる

くるまがなくなった

背中を擦りながら

俺らにとって

1番の光は

"優奈姉ちゃん"だった

蘭を抱っこする

懐かしいな、

この時から兄ちゃんは

だんだん元気を取り戻したんだ

でも、突然

優奈姉ちゃんがいなくなった

そっから優美姉ちゃんは

元気に笑わなくなった

そしていつしか俺らは

年少に入ってた

年少から出た時には

優美姉ちゃんもいなかった

それからたくさん探したけど

情報は掴めなかった

でも

俺らは信じてた

いつか会えることを

"竜胆" "蘭"

"死んだ"ってこと

あれは私が小学5年生の頃

お姉ちゃんとお出かけした日の 帰り道だった

ピーポーパーポー

ピーポーパーポー

パリンッ

それからお姉ちゃんは病院に 搬送されたけど死亡が確認された

その時通行人のおばさんは

と言っていた

その時、蘭にぃたちは

いや、蘭達は

少年院に入っていた

だからこのことを知っているのは

私一人だけ

どうして"蘭にぃ"と 呼ばなくなったのか

私の方が年上だから

実は嘘をついていた

蘭たちと出会った頃は

小学4年生だった

2年生だって言ったのは バレたくなかったから

だって私とお姉ちゃんは

世界一強い"黒猫姉妹" だったから