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#ミステリー
有難朱生
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#告白
#恋愛
ばたっちゅ
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ウラノス
ヴァローナ
ヴァローナ
ウラノス
ウラノス
ヴァローナは手元の書類から目を離さない。 一枚ずつ順番を確認し、机の上へ揃えていく。
ヴァローナ
ローゼのアイドル事情のこともあり、 理事長ウラノスにもまだ婚姻の話はしていない。 ましてや、事故とはいえ先週恋人と身体を交えて妊娠の可能性があるとなると、事がはっきりしてから伝えた方がいいだろう。
ウラノス
頭にクエスチョンマークを浮かべるウラノスを横に、淡々と書類を整える。 説明するつもりはない。 今はまだ、できない。
ヴァローナ
ウラノス
ウラノス
ウラノス
ヴァローナ
ヴァローナはまた早口で、扉を閉めて後にした。 この傷を見られる訳にはいかない。 そう思う度に、昨夜の行為が頭を過ぎる。
ヴァローナ
ぽつりと零れた声は、静かな廊下へ落ちた。 鼓動が廊下に響いているんじゃないかと、錯覚するほどにうるさい。 歩幅を早める。 考えないようにすればするほど、余計に思い出す。
アルラ・マンニュ
前方から明るく声をかけるのは、アルラだった。
アカギ・アラハ
ケイロン・レスポワンツァ
ツルギ・マドカ
横に並んでいたのはアラハとケイロン、そしてマドカだった。 先週は桃期だったこともあり丸々休んでいた。 事情を伏せて休暇していたので、様子が気になる者は少なくない。
ヴァローナ
ケイロン・レスポワンツァ
ヴァローナ
ケイロン・レスポワンツァ
ケイロンは心配そうに見上げた。 マドカも眉を八の字にして、ヴァローナの横に並ぶ。
ツルギ・マドカ
ヴァローナ
アルラ・マンニュ
アカギ・アラハ
合同祭。 その言葉だけで、記憶が先週へ引き戻される。 桃期。 合同体育大会の後、打ち上げをしていた旅館で、疲れの反動か急にヒートが来た。 普段なら抑制剤を飲んでやり過ごすのだが、何者かに盗まれてしまっていた。 特殊体質なのでオーダーメイドで作って貰っていた薬。 代わりになるものなど、すぐには用意できない。 対処もできず、旅館で倒れたところを、ローゼに助けてもらい――
ツルギ・マドカ
ケイロン・レスポワンツァ
ヴァローナ
現実へ引き戻され、ヴァローナは慌てて首を横に振る。 ただでさえ、打ち上げ初日に付き合ったばかりだったのに。 二日目でヒートで初夜だとか、我ながら、穴があったら入りたい。 自身がΩであることも、幼なじみ達しか知らない事実で、ローゼがαであることもその時に初めて知った。 恋人になった。 身体を重ねた。 婚姻契約を結んだ。 僅かな時間で、あまりにも多くのことが変わりすぎた。 まだこの状態を受け止め切るには、時間が少なすぎた。 その余韻を再び求めるように昨夜また身体を交えて、確かなものにした。 その時間も、今はまだ飲み込みきれていない。 声も息も鮮明に耳に残っている。 思い出す度に、身体の内側へ熱が戻ってくるようだった。
ヴァローナ
これ以上、顔を見られていたくない。
ケイロン・レスポワンツァ
ケイロンは素直に手を振って階段を駆け上がる。 遠ざかっていく背中。 純粋無垢なその様子を、あれこれ考えながら見送っている自分が不甲斐ない。 ヴァローナは小さく息を吐いた。 念の為、薬を飲んで、教室に向かう。 それからの一日はあっという間に終わった。 授業を受ける。 ケイロンの護衛をする。 頼まれた仕事を片付ける。 授業を終えれば、寮に戻り入浴と食事の準備。 眠る。 朝が来る。 そんな日を5回繰り返す。 寝静まった夜に、思い出すこともしばしば。 耳に残る声。 近かった呼吸。 触れた体温。 布団の中で目を閉じる。 耐えた。
コメント
1件
あおいです。第9話、拝読しました。 理事長に妊娠の可能性をまだ伏せているヴァローナの慎重さにハラハラしました。それでいて、ローゼとの夜を思い出しては動揺するギャップが可愛いです。同級生たちが心配して声をかけてくれる日常が、彼女の内心のざわつきをより際立たせていて良かったです。「耐えた」という一文に、一周回って笑っちゃいましたが、それだけ必死なんだなと伝わってきました。続きが気になります!