マイキー
くそ……油断した。
まさか敵組織が殺し屋を何十人も雇ってたとはな……
マイキー
俺も含め、幹部は全員監禁拘束状態
マイキー
壁に頑丈に繋がれてるからか
立ち上がる事すら出来ない。
マイキー
灰谷兄弟は重症では無いが揃って気絶。
明司、望月、九井、鶴蝶も気絶……反撃出来るほどの体力は残ってなさそうだ
マイキー
仮にこの状況を打破したとして、
動けるのは俺と三途だけか……
マイキー
三途、
三途
はい
マイキー
拘束を解けるような何か持ってるか?
三途
アイツらに武器は全部取られました……
マイキー
まずいな……このままだと……
誰だッ?!や、やめろ……グハッ……ァ”ァ”ァァァ””!!!
三途
……何だ?!
九井
敵……かもしれないぞ……気をつけろ
マイキー
九井、今の叫び声で起きたか
九井
ボス、今敵と対面するのは危険です
九井
先程の声と攻撃をする辺り、
ここの組織の者では無いのは確か……
一旦息を潜めましょう
三途
はぁ?!んな事言って部屋入ってきたらどうすんだよ?!
九井
デカい声を出すな
マイキー
三途
三途
……はい
マイキー
…………
三途
……………なんか近づいてね?
九井
三途…………待て………こっちに来る
〇〇
ドアに大量の立ち入り禁止の紙貼ってると逆に入りたくなるよねぇ
〇〇
とりあえず……さっきのやつ捌くか
マイキー
(まだ俺達の存在はバレてないみたいだ)
三途
(クソが……結局来てんじゃねぇか)
九井
(今更だが埃っぽいなここは……)
チャキッ🗡
グチャ……グチャッ……ペチャッ……
マイキー
(妙に手際がいいな……専属の殺し屋か?)
三途
(ナイフの扱いになれてやがんな)
三途
(ん?何か横がくすぐってぇな)
九井
(まずい……クシャミが……ッ)
〇〇
よし、これで臓器売買もスムーズに……
九井
ハッ……ハ…ッハ…ッハァァックシュン!!
三途
(こいつ!!!)
マイキー
(……完全にバレたな)
〇〇
ッ?!
三途
お前がバラしてどうすんだよ!!この金の亡者が!!!
九井
うるせぇな!!埃が舞ってんだよ!!
マイキー
ここで喧嘩するな
それにお前ら、今の状況わかってるか?生死の瀬戸際だぞ
〇〇は目を少し見開く。
その後、笑みを浮かべながら言った。
〇〇
…………ねぇ、君達って外にいたヤツらと同じ組織の人?
三途
あぁ?!この状況みて分かんねぇのかよ!
マイキー
三途、下手に刺激するな
今は相手が圧倒的有利な場だ。下手すれば死ぬぞ。
九井
貴方が誰かは知らないが、俺達は囚われの身であり貴方の敵ではない
三途
(こいつ、目の前の女を利用して拘束を解く作戦か)
〇〇
私さ、嘘……嫌いなんだよねぇ
マイキー
…………
〇〇
明らかに敵視してるよね?ココ
〇〇とマイキーを除いた二人は、ココという言葉に反応した。
九井
なんで……その名前をお前が知ってるんだ
三途
やっぱりコイツ敵じゃねぇか!!クソが!!
マイキー
…………
〇〇
敵ではないと思うよ?まぁ、とりあえず落ち着きな"はるち"
三途
ッは……その呼び方
マイキー
お前…………〇〇だろ?
〇〇
マイキーは途中から気付いてると思ってた
〇〇
久しぶり、また会えて嬉しいよ
三途
〇〇って、あの仮面付けてたオセロ狂のやつじゃねぇか!!お前今までどこ行ってたんだよ!!
〇〇
白狂黒凶な?それじゃあオセロに狂ってる人みたいじゃん……?
九井
〇〇……?いや、その証拠がない……俺は信じねぇぞ
〇〇
証拠になるか分からないけど……未だにこれ持ち歩いてるんだよね
〇〇
正しい道ってね、無いんだよ
〇〇
常に自分の心が指し示す道を選べばいいの
〇〇
そうすれば、君とって今得られる一番の幸せな未来に導いてくれるから
〇〇
その先に私がいるのか居ないのかは分からないけど、近くでも遠くからでも応援するよ。ココ。
〇〇
……なんて、こんな事言ってたっけな
〇〇
ココ、覚えてる?
三途は横を見てギョッとした。
あの九井が泣いている。
九井
〇〇……さん
九井
貴方が急に姿を消すものだから……俺、あの後消えた貴方の背を追って……
〇〇
私のアドバイス……
もしかしてフル無視した??
九井
いえ、その後〇〇さんの言葉を思い出して、自分の道を進んできました。
九井
〇〇さんの言葉は正しかったみたいですね
九井
俺の心は、俺をまた貴方と引き合わせてくれた。
〇〇
ねぇ、待って……ちょっと恥ずかしい
マイキー
(天然タラシ……自業自得)
三途
(あの人……ほんとに変わんねぇな)
九井
あの、もう仮面外していいですよ
九井
寧ろ、貴方の素顔を見たいです
〇〇
待って、今は無理
マイキー
〇〇……耳赤い
三途
何照れてんだよ
〇〇
うるさいなぁ!!私の最後の記憶は子犬みたいなココだったんだから、ギャップがやばいの!!
九井
子犬って……一応当時高校生だったんですけど?
〇〇
尻尾を振る子犬と書いてココだから
九井
……………(絶対意識させてやる)
〇〇
と、とりあえずこの子達をどうにかしないとね
マイキー
ここまで起きないとなると、何か薬でも盛られたのかもしれない……どうにかなりそうか?
〇〇
ちょーっと待ってよ?
三途
(何かズルくね?俺も気絶したふりするか?)
九井
(そんな丁寧に調べなくても、頑丈な奴らだからその辺に転がすくらいの気持ちでいいのに……)
マイキー
(…………後で添い寝してもらうからいいや)
ある程度調べ終わると、今度はコートの内ポケットから何やら小瓶を取り出した。
〇〇
なるほどねぇ……全員、致死量レベルの強力な睡眠薬盛られてるわ
〇〇
でも流石って感じだよね。
薬の耐性抜群だからか深い眠りにつくだけで済んでるっぽい
〇〇
マイキー達は特に薬に強かったんだろうね
マイキー
(睡眠薬を毎晩使ってるからか)
三途
(薬やりすぎて耐性ついちまってんだろうな)
九井
(俺は……睡眠薬盛られての拉致られ過ぎか)
〇〇
とりあえずこれ飲ませればすぐ起きるよ
〇〇
あと、そこ3人……後で詳しくその話聞くからね?
3人
あ……はい………(圧を感じた)
〇〇
さてと……
蘭
んん………何処だ……?
竜胆
頭いてぇ…………つか何処だよここ……
三途
おい、起きたか!!!
蘭
うるせぇヤク中♡
竜胆
頭に響く……静かにしろ三途
三途
折角、人が心配してやったのによぉ!?失礼ってもんだろ!!おい!!
明司
煩いぞ……心配の仕方から教え直すべきか?
望月
クソ……アイツらまとめて魚の餌にしてやる
鶴蝶
グッ……拘束か……しくじったな
〇〇
お、効果抜群〜♪
全員ちゃんと起きれたようでよかった
マイキー
お前達、起きたな?
マイキー
騒ぐ前に〇〇に礼を言え
お前達を助けたのは、そこにいる〇〇だ。
鶴蝶
その仮面……本当に〇〇なのか?
鶴蝶
髪型のせいか?随分と雰囲気が変わったな
鶴蝶
だが、その人柄は変わってないようで安心した。助けてくれてありがとう。
望月
お前が失踪してから何年ぶりだ?
……十数年は経ってるな
望月
いや、違う。
ありがとう……これでいいか?
明司
助けて貰ったようだな、礼を言う
明司
だが、まさか何の連絡も寄越さず帰ってくるとはな
〇〇
はは……すみません………
マイキー
……今はここからどう脱出するかが問題だ
竜胆
〇〇に拘束器具を壊してもらえばいい
蘭
壊すのはいいけど、壊したところで俺達武器持ってないし、外にはアイツらがまだ居る
蘭
撤退するにもキツいと思うけど?
マイキー
それに関しては……〇〇
〇〇
私が護衛してあげるよ
梵天の本部までね
〇〇
やっと思い出したその刺青……イザナのピアスの柄……梵天のメンバーである証。君達が梵天だったんだね
三途
怖いかよ?怖気付いたか?
九井
俺達は………
〇〇
友人達が集まってる組織の何処が怖いの?
寧ろ、フリーで暗殺者なんてやってる私の方がよっぽどヤバいでしょ。
鶴蝶
暗殺者……
望月
随分と柄に合わねぇことしてんな
三途
そうかぁ?俺はよく似合ってる仕事だと思うけどなぁ♡
マイキー
だから死体処理も慣れてたのか
〇〇
まぁ、そういう事
〇〇
これでも暗殺者の中では、世界中で見たってトップエリート名乗れるくらいの腕はあるんだから
〇〇
依頼遂行率100%の最凶暗殺者……なんてね
三途
あの一人だけ尻尾が掴めなかった暗殺者、お前だったのかよ!!
明司
これは……流石と言ったところだな……
マイキー
〇〇、とりあえず全員の拘束外せる?
〇〇
いいよ〜じゃあ、ちょっと腕を頭の上にあげてて?
〇〇
んじゃ、ジっとしててよ?
九井
(え?何で銃構えて……もしかして鍵とかじゃなくて撃ち抜く気じゃ)
〇〇
とりあえず腕は自由になったね
〇〇
じゃ、次は足ね
蘭
ちょ、待っ
〇〇
これでとりあえず動けそう?
鶴蝶
あ、あぁ……身体は何とか……
鶴蝶
(心は置いていきそうだが)
望月
おい、灰谷が気絶してるぞ
蘭
…………
竜胆
…………
〇〇
反社が銃でそれはマズイって……
〇〇
ほら、蘭ちゃん!竜ちゃん!起きて!!
三途
おらぁ!!起きろぉ!!
蘭
おい♡ここでおっぱじめてぇのか?
三途
あ? 殺んのか?
竜胆
兄ちゃん、気絶した後にそれはカッコつかない
蘭
…………
九井
全員起きたなら行くぞ
マイキー
〇〇……頼んだ
明司
誰か電話なってるぞ
マイキー
俺達は連絡手段になるものは取られてる
〇〇
あ、私だ