この気持ちに気付いてしまったら

あの日

ゆあんくんと初めてハグした

あの日以来

私たちの距離は

間違いなく

近付いたと思う

私がヤキモチを妬いてから

ゆあんくんは

塾から少し離れたところで

待つようになった

そういう

さりげない気遣いに

大切にされてるって感じて

胸がきゅっとなる

もたれていた柵から

腰を浮かせながら

私のカバンに手を伸ばす

カバンを持っていない方の手が

当たり前のように

私の手を握る

そして

指の間に指を絡ませてくる

カバンを持ってくれるのも

恋人繋ぎも

「当たり前」

になりつつある

二人一緒には家に戻れないので

家から少し離れた公園に寄る

暑いからなのか

いつも人の姿はない

この間テレビでＣＭやってて

食べたいって言ってたやつ

覚えててくれたんだ

握る手に力がきゅっと入る

だから私も

返事をするみたいに

きゅっと力を入れ返す

何だか

「好き」って

伝え合ってるみたい

私に続いて

ゆあんくんが立ち上がる

ゆあんくんが

私をそっと

抱きしめる

私も

ゆあんくんの背中に手を回す

帰り際にこうやって

ハグをするようになった

ドキドキするけど

満たされるような感覚

ゆあんくんの言葉通り

充電されていく気がする

けど

腕の力を緩め

少しだけ私から離れると

何だか緊張したような顔の

ゆあんくん

少しだけ

元気がない気がするのは

気のせいかな