いふ
うわ、雨
いふ
……
『まろ!』
『どうせ、また傘忘れたんでしょ?w』
いふ
忘れとらんよ。
いふ
持ってきてないだけ。
いふ
だって、俺が傘忘れたらいっつもないこが持ってきてくれるやんw
いふ
自分だって雨嫌いなくせに、俺の心配ばっかして。
いふ
……なぁ。
いふ
ないこ。
いふ
迎えに来てよ。
いふ
濡れて帰ったら、また怒るやろ?
いふ
なぁっ……
『……、』
『にゃぁあっ……』
いふ
っ……?
猫
にゃぁ……にゃあっ!
いふ
…?
いふ
あ、お前か
雨の中、狭い路地裏にぽつんと佇んでいるその姿に少し驚いた。
いふ
え…
いふ
ピンク色?
猫
ぐるる…
いふ
猫って雨嫌うんやなかったっけ…
いふ
(首輪ついてないし…野良猫やんな?)
いふ
おいで〜
猫
……にゃ!
いふ
お、っ
引っ掻かれるかと思ったが、猫は存外人懐っこかった。
いふ
よしよーし…
濡れた薄桃色の短毛。
いふ
…綺麗やなぁ
……
いふ
……なぁ
いふ
行く宛て無いんなら、うち来ーや
猫
にゃぁ……?
いふ
…珍しい色しとるし、面白そうやんなw
取ってつけたような理由。
別に。本心だ。
いふ
よいしょ、っと
猫
にゃっ!?
いふ
おー、割と元気やん
雨が好きじゃなかった桃髪の君に似てるなんて
…全然、思ってないよ
いふ
帰ろっか。







