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オレはルーク・フィリップ。フィリップ王国の第一王子にして今代の『勇者』。
『魔王』を倒すべく生を受け早17年。ようやく『勇者』としての素質が芽生え始めたらしく、正式に『勇者』として認められた。
今はその祝賀会。
ルーカス
ルーク・フィリップ
ルーク・フィリップ
ルーカス
ルーカス
ルーク・フィリップ
兵士
ルーク・フィリップ
兵士
兵士
ルーク・フィリップ
ルーカス
兵士
ルーク・フィリップ
兵士
ルーク・フィリップ
ルーク・フィリップ
ルーク・フィリップ
ルーク・フィリップ
ルーク・フィリップ
ルーク・フィリップ
ルーク・フィリップ
ルークは淡々と兵士に命令を下す。 普段の、感情が表に出ている王子の片鱗は全く感じず、ただただ冷たく、暗い瞳が不気味であった。
兵士
心配する住人
楽観的な住人
3年後、ウィリアム・フィリップの逝去というニュースも落ち着き、民たちも国王ルーク・フィリップの国政に慣れてきた。
そんなある日、ルークが民に、いや世界中に宣言する。
ルーク・フィリップ
ルーク・フィリップ
この宣言は瞬く間に世界に広がり、世界中のニュースペーパーに大々的に掲載された。
ルークはすぐさまパーティを結成し、デビッド王国への侵攻を開始した。
この時点でルークはもう20歳だ。『勇者』の着命式の頃と比べれば、ルークは精神も身体も随分と大人になっていた。
デビッド王国・デビッド城
サクラ
アリス
サクラ
サクラ
アリス
アリス
アリスはずっと待っていた。アンドリュー・デビッドが『勇者』によって打ち倒され、自身が『魔王』となるこの日を。
アリス
サクラ
サクラ
アリス
アリス
アリス
アリス
サクラ
サクラ
アリス
サクラ
サクラ
アリス
サクラ
サクラ
アリス
サクラ
サクラ
アリス
サクラはにこりと微笑むと重たい扉を片手でこじ開け、小走りで去っていってしまった。
『必ず迎えにいく』。
大丈夫。きっと、大丈夫。 わたしはサクラを信じているもの。
ルーク・フィリップ
ルーク・フィリップ
アンドリュー・デビッド
アンドリュー・デビッド
アンドリュー・デビッド
ルーク・フィリップ
ルーク・フィリップ
アンドリュー・デビッド
互いに獲物を手に取る。
『魔王』はデビッド王国の気高さを模した一振りの剣を。
『勇者』は決して業物とは言えないが、三年という長い月日で鍛錬された思いの籠った剣を。
玉座に座っていたアンドリューが立ち上がり、ルークを見やる。
対してルークは一歩も動かず、ただただアンドリューの動きを観察している。
壮大な緊張感に場が包まれた。何も知らない平民ならばその空気感だけで卒倒できるレベルだ。
ルーク・フィリップ
先に動いたのは『勇者』であった。
剣片手に素早く階段を駆け上り『魔王』の首目がけて、剣を振り下ろす。
それを涼しい顔で振り払う『魔王』。
続いて『勇者』が二撃、三撃と剣を繰るがそれも弾かれるのみ。
攻めては防がれ、攻めては防がれ。その繰り返しだ。
ルーク・フィリップ
アンドリュー・デビッド
暫く拮抗した戦いが続き、ふとどちらかともなく手が止まった。
ルーク・フィリップ
アンドリュー・デビッド
数歩動けば届く距離。『魔王』は遠慮なく『勇者』の胴へ剣を振り下ろす。
その刃が届く__
寸前で、『勇者』が素早く回避した。
ルーク・フィリップ
『魔王』の一撃を皮切りに、打ち合いが再開する。
刃の撃ち合う音が響く。一回、二回、三回。まるで極上の音楽のようだ。
打ち合う最中、ふと『勇者』が『魔王』の右足を踏み、『魔王』の体勢が崩れた。
『勇者』がその隙を逃すはずも無く、すかさず『魔王』に馬乗りになり身動きを取れないようにする。
アンドリュー・デビッド
ルーク・フィリップ
アンドリュー・デビッド
ルーク・フィリップ
アンドリュー・デビッド
ルーク・フィリップ
アンドリュー・デビッド
ルーク・フィリップ
ルーク・フィリップ
ルーク・フィリップ
ルーク・フィリップ
アンドリュー・デビッド
アンドリュー・デビッド
アンドリュー・デビッド
アンドリュー・デビッド
アンドリュー・デビッド
ルーク・フィリップ
アンドリュー・デビッド
アンドリュー・デビッド
『魔王』が、震えながら長剣を握りしめている『勇者』の右手を掴む。
ルーク・フィリップ
我が妻を手にかけたときも、娘の親友をこの手で殺したときも、後悔はなかった。
それが正しいと、国のためだと信じていたからだ。
……今更何を言っても変わらない。わかってはいるが__
__他の道も、あったのかもしれんな。
ルーク・フィリップ
アンドリュー・デビッド
『勇者』の剣はしっかりと『魔王』の心臓に突き刺さった。傷口から血飛沫をあげ『魔王』は最期に『勇者』を見た。
『後悔……するなよ』
蚊の羽音のように小さな声だったが、ルークにはしっかりと聞こえていたようだ。
薄暮れの中、ひとりの『勇者』が佇む。
デビッド王国を見渡せる場所だ。いくつもの死体が転がっている。1秒おきに悲鳴が聞こえる。
ルーク・フィリップ
溢れそうになる涙を堪え、ぐっと腹に力を込める。
ルーク・フィリップ
今まで出したことの無いような大きな声で叫ぶ。剣戟の音や悲鳴がパタリと止み、皆が『勇者』を見上げる。
ルーク・フィリップ
ルーク・フィリップ
『勇者』は天に高く腕を掲げ、民に勝利を伝えた。
騎士
騎士2
群衆
フィリップの兵士が歓声を上げる。それにつられて広場にいたフィリップの兵士皆が声を上げる。
群衆
ルーク・フィリップ
ルーク・フィリップ
ルーク・フィリップ
ルーク・フィリップ
オレは『勇者』で、おまえは『魔王』。
決して相容れない存在ではあるが、最期の、ほんとうに最期の瞬間。
オレはおまえを理解できたような気がするよ。
おまえを殺したこと。絶対に後悔はしないと誓う。
__民の笑顔を、見れたからな。