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今回も素敵なお話ありがとうございます✨ この作品どっかの誰かさん。の作品の中でも特に好きなお話かもしれません💞 もう一人の桜くんも蘇枋さんのことが好きなはずなのに肝心の蘇枋さんが好きなのは本当の桜くんだけ。 見た目は変わらないはずなのに蘇枋さんは振り向いてはくれない、、 めちゃくちゃ好きです😖💕 続き楽しみに待ってます🙂↕️
勉強の息抜きに最高の小説をありがとうございます😭✨️ 先週と今週の本誌はえんやまのおかげで落ち着いて(?)見れました。とりあえず🫖のグッズにライフル型ペンを向けるのが最近の日課だったので...💦 受験勉強、学生のおサイフ、他界隈への沼落ちect...に最近はグッズすら買っていませんね。色々落ち着いたら、ゆっくり某アニメショップを徘徊しようかなと思ってます( ^ω^ )ニコニコ

お久しぶりです🙇🏻♀️もうすぐ4月も終わりを迎えそうですね😌ちってしまった桜を見てはちょっと悲しい気持ちになってます笑 4月といえば!なんですけれども、皆様一番くじは無事惹かれましたか?私は無事とは言い難いほどお財布にダメージを負いましたが、なんとか蘇枋くんと桜くんをお迎えできました☺️(続きます⬇️)
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休日。せっかく恋人なのだから、一緒に過ごそう。そう約束したのはいつの日だったか蘇枋は顔を少し顰めながら目の前の現状から目を背けたくなった。
どうしてこうなった。どうして俺はいま、彼に押し倒されているのだろうか。 目の前の彼はニヤリと口の端を持ち上げ、挑発的な笑みを浮かべていた。
晴天。あっと驚くように青く綺麗な空。そんな綺麗な空にそぐわない、お化け屋敷のようなオンボロアパートへと蘇枋は足を進めた。 思いっきり踏みつけたら、穴でも空いてしまいそうな古く錆びた階段を、きしませながら軽い足取りで登っていった。心做しか耳元の赤いタッセルピアスも階段を上るリズムに合わせて嬉しそうに揺れている。
今から恋人に会えるんだから浮かれもするだろう?と誰に言うでもなく自分の心にそれっぽい言い訳を並べる。
蘇枋
扉前で呼びかけても返事がまるでない。 いつもの彼なら、足音で気づいてすぐに扉を開けてくれるのに。
まだ寝ているのだろうか。伸ばした手で、軽くドアノブを引っぱった ギィッと軋む音が鳴ったあと、いとも簡単に扉は蘇枋を受け入れた。
蘇枋
恋人になってからは、口うるさく鍵をかけろと言っているのに。まるで改善が見られない。そろそろ何とかしたいところだが、今回ばかりは甘んじて家へ入った。
蘇枋
寝ているとなれば、起こしてしまっては可哀想だろう。それに恋人の可愛らしい寝顔を思いっきり堪能したいというちょっとした下心もあった。
蘇枋
奥の茶の間へと足を進めれば、未だすやすやと小さく丸まりながら静かに寝息を立てながら眠っている桜がいた。
その傍らに腰をおろし、彼の前髪を優しく払った。起こさないよう、柔らかい髪を撫でてやれば、すこし体を強ばらせたが、またゆっくり夢の中へと入っていってしまった。
蘇枋
誰に話しているか分からない独り言を呟きを吐き出した。
撫でられるのが心地よいのか、たまにするりと頬を擦り付ける様な仕草をしてくる彼を見ながら、何とか理性を押さえつける。 恋愛初心者な彼に合わせて、ゆっくり自分たちのペースで進もう。そう話し合ったのは記憶に新しい。かという自分も、初恋も恋人も全て彼なのだが。
蘇枋
この時間がもっと沢山続けばいいのに。 そう思っていると、突然彼の髪を撫でる手首を力強く掴まれた。 気が緩んでいたのと、咄嗟のことで反応がおくれ、気づけば蘇枋の視界いっぱいには、彼の美しく綺麗な双眸で違う色の瞳に、白と黒で別れた柔らかい髪質の髪、彼の顔がすぐ近くに映っていた。
桜
蘇枋
蘇枋
桜
ニヤリと音がなりそうなくらいに、口角をニッとあげ、自分を組み敷く男は、恋人であって違う人だった。
蘇枋
桜
蘇枋
桜
出会うなり好戦的に口論を交わす。 それでも冷静さはお互いかかさなかった。あくまで軽口を叩くように、お互いを煽る様に話す。
蘇枋
桜
蘇枋
桜
そういえば彼はこういう人だったなと思い出す。最近は少し丸くなったのか初めて彼と対面した時よりは雰囲気や言葉遣い、行動が柔らかくなったと思っていたのだが。
桜
桜
それが何を意味するのか、蘇枋はすぐに理解した。理解したからこそ、思考を放棄したくなった。呆れすぎて大きなため息を吐いたら、目の前で笑っていた彼は少し不満気な顔をした。
桜
蘇枋
彼にとって、何をそんなに気分を損ねたのか蘇枋にはわかりかねていたが、個人的にはありがたかったのでこれ以上追求しなかった。蘇枋の体に乗り上げていた自身の体をすっと下ろしてから、ふいと蘇枋から視線をそらした彼の背中を起き上がりつつ眺めた。
少しその背中から寂しさを感じるのは、やはり桜くんだからというのもあるからだろうか。なんだか居た堪れなくなって、彼の背中越しに声をかけた。
蘇枋
桜
返事は少しも返ってこなかった。コミュニケーションは諦め、仕方なく彼のキッチンまで足を進めた。勝手に食材を作るのはどうかとも思ったが、お腹を空かせた彼を放置することなんてできなくて、冷蔵庫の中身を覗きながら何を作るか決めていた。
あいつの俺を見る目がいたくて、大きなため息をあいつが着いた瞬間あたかも自分のやる気が削がれた様にふるまった。
本当は起きて聞こえたあいつのかわいいという甘ったるくて、優しい声が嬉しくて、自分に言われた言葉じゃないと分かっていても、心臓が少し早く動いた。やさしいてつきで髪も撫でられて、これ以上触れられていたらおかしくなりそうで、無理やりあんなやり方をした。
自分からあいつが1番嫌いそうなやり方をしたくせに、なにを勝手に傷ついて、勝手に拗ねているのだろうか。
どうしてもあいつの顔が見られなくて、背を向けた。すると、背中越しに務めてやさしい声が聞こえてきたが、答える気になれなくて、無視してしまった。
話すことを諦めたのか、足音は桜から離れていった。はるかより、もっとずっと素直になれない自分が少し憎く思えた。
しばらくするとキッチン方面から、何かを切る音や、痛める音が聞こえた。ジュージューという音がフライパンからはっされている。
何をしているのか少し気になったが、どうせ自分をすぐにいなくなるし、どうでもいいかとはるかに見つからないよう隠したタバコを1本取りに行った。
匂いをできる限り残さない様、窓を開け、静かに煙を吸い込みながら、ゆっくりと外に向かって吐き出す。 静かに吹く風が、桜の髪を優しく揺らした。
蘇枋
不意に背後から柔らかくテノールが聞いた声が聞こえた。さっきまで顔も見たくなかったはずなのに、無意識にあいつの顔を見ていた。
蘇枋
ふふんと自信満々に言い切るこいつの顔を見たら、面白くなってきて、ふはっと思わず吹き出して笑った。
桜
蘇枋
桜
蘇枋
桜
遠回しに惚気をくらい、今にも胃もたれしそうだった。 こんなに自分のことを好きになってくれるやつがいるはるかが少し羨ましい。けれどきっと、はるかだから好かれるんだろうなと理解していた。
救いようがないほどクズで、バカで上手く生きていけない俺はきっと誰にも好かれない。はるかの様に真正面から殻を破ったりできないから。
蘇枋
タバコをいつの間にやら奪い取られ、小さな机を出して、無理やりその場に座らされたあと、目の前に出てきたのは、黄色いふわふわな卵に、ケチャップで色付けされたオムライス。はるかの好物だった。
これだけでもはるかは、とても愛されてるんだとわかってしまう。
一口食べて、顔に出ていたのか、すかさず蘇枋がおいしいだろうと聞いてくる。 実際味なんてわからないし、美味しいか聞かれてもなんと言えばいいか分からなかった。だから返事を返さず無言で食べ続ける。
あたたかくて、ほっとしてつらい。そんな気持ちになるような久しぶりに食べる人の手作り。
誰よりも辛い思いをしたはるかの幸せを願いながらも、この出来事だけは絶対に誰にも教えてやらない。どれだけはるかが愛されているのかも。今の時間だけは自分のものだから。
いつから酒に、タバコに手を出しただろうか。辛い出来事を全て忘れてしまうためだろうか。何を食べても味がしなくなったからだろうか。思い出せないくらいに記憶は曖昧だった。それほどまでに疲弊して、精神が削れていた。
食べ物が食べられなくなって、あれほど縋っていたタバコは、今では違う用途に利用していた。あれを吸うと必ずあいつが見つけては、話しかけて、ダメだと優しく叱ってくれた。自分に少しでも関心を持って、話してくれたのが初めてだった。驚いた。少しの好奇心と、これからの日常が変わる気がしたあの瞬間を今でも忘れない。
桜
蘇枋
自分のために何かをしてくれた。作ってくれた。それがどれほど嬉しくて、桜たちに刺さるのか、蘇枋はしらない。
ただ嬉しそうに、頬を綻ばせ、桜がオムライスを頬張る姿を見守っていた。
蘇枋
オムライスを全て平らげたあと、彼は寝ると一言を残し、すぐに眠ってしまった。 彼の食べた後を片付けようと食器に水を貼り、スポンジに泡を付けた。
今まで何を食べても無心で食べていた様な彼が、自分が作ったオムライスを食べた瞬間、少しだけ顔が明るくなったのを蘇枋は見逃さなかった。
少しだけ頬も緩んで、いつもの笑顔とは違い、柔らかい顔をしていた。
小さな子供が、初めてあたたかい物に触れるような。今にも消えてしまいそうな危うさも感じた。食器を全て片付け終わった時、ちょうどごそごそと物音を感じた。 そろそろ桜くんのお目覚めだろうか。
洗い物をして、少し冷えた手で彼の髪を柔く撫でた。 すると、パチリと音がなりそうなほど、桜くんの綺麗な双眸と目が合った。
蘇枋はとびきり甘い顔をして、おはよう。と、一言挨拶をした。
驚いた桜が、大声をあげるまであと数十秒。2人の甘い時間が始まるまではあと__