来世でキミと

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最終話です！！ 第1話の時に言ったけど 死ネタなので苦手な方は注意

何度も名前を叫ぶが 返事は無い

家の前に行ってみたが 今日鍵を持っているのは俺だけで 家には入れないはずだし

近所をぐるっと一周しても 姿は見えない

人気(ひとけ)の無い海の 波が打付ける岸に

ころんの姿があった

海の水か涙か

はたまた月の光の反射で 濡れているように 見えるのかは分からない

ころんの顔は 暗く光っていた

あんなに衝撃的なことが 起こったあとだと言うのに

2人とも やけに落ち着いていた

ぼそぼそと語るころん

まるで独り言みたいに。

怖くて プロポーズの返事など 聞くことは出来なかった

ころんから言ってくるとは 思わなかったから驚いた

本音を伝えた

その瞬間頭を殴られるような痛みが 僕を襲った

未来で何か悪いことが起こる

それなのに未来が見えない

今までは良くも悪くも 全てが見えた

だから それに甘えていた

こんな感覚は 人生で初めてだ

それでもさとみくんと 一緒に居たかった

さとみくんとなら どんな悪い未来も 乗り越えられると思ったから

結婚式も披露宴も全て終わり 祝福ムードに包まれる式場

今日の主役は僕らだ

式場のスタッフさんや さとみくんたちが止めるのも無視して 僕は走った

辿り着いたのは あの日僕が居た場所だった

るぅとくんは既に 膝まで水に浸かっている

1歩、また1歩と

るぅとくんは僕から離れていく

それにつれて 水深も段々と深くなる

そう言ってるぅとくんは 僕の視界から消えた

来世でキミと