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フォロー失礼します!
すご、感動しました( ; ; )
感動する〜〜
君
僕が切り出すと驚きを隠せない様子の彼女が目を見開いた
僕
僕
僕だってびっくりしたんだよ
いきなり課長から 告げられたんだから
君
やり場のない感情を 押し殺すように呟く彼女
相当ショックなのか俯いてしまった
僕
寂しくないわけ無いだろ……w
自問自答しながら 取り敢えず言葉を放った
君
あ、強がってる
にやける口元を抑えたものの
僕
口を開くと 自然に口角が上がった
……あ、バレた
君
あらま。怒らせちゃった
僕
ちょっと面白くなって
もっと口角が上がる
心なしか表情が緩くなった 彼女に向かって
僕
僕
もっと安心するようにと 抱きしめた
心配性の彼女は いつまで経っても不安そうだ
「少しの間だから」って
君の頭に手を乗せた
その瞬間、安心感に包まれたように彼女は微笑む
やっぱり、その笑顔が好きだ
「行ってきます」
同じように微笑んで 玄関を開けた
一週間後
君の元へ帰る日
飛行機の窓側で 外の風景を見ていた
隙間風はあるけど 景色は綺麗で気持ちいい
客室乗務員がワゴンを押して来たのでそちらを向くと
機体が勢いよく傾いた
突然の事にざわめく機内
上から息する袋も降ってきた
取り敢えずそれを着ける
混乱する機内では騒音が目立ち
客室乗務員の指示も まともに聞き取れない
あぁ、君はどうしているかな
僕の帰りを待っているはず なのにごめんね
待っててね、って言ったけど…
次第に窓の景色が 地上に近づいてきて
僕は死んだ
君
気づけば僕は君の前にいた
彼女の目が虚ろで 妙に視線が合わないのは
彼女から僕が見えていないから だろうか
……俗に言う幽霊、ってやつ?
君
君
僕
そっと呟いても彼女は なんの反応もない
声すら聞こえないらしい
きっと触れることも できないのだろう
君
君
僕
僕
僕
言葉を発する度に 視界が滲んでくる
こんな所見られたら 君に笑われちゃうかな…
君
僕
君
僕
君
僕
君
僕
君
僕
君だって
語りかける度に 泣いてるじゃないか
お互い様だね…
君
君
嘘つき、だったね…
優しくも親切でもない ただの嘘。
君
投げやりな声と共に君が俯いた
それが引き金になったように
窓の外からは 雨音が聞こえてきた
長雨か通り雨か
君の涙みたいだから 早くやんでほしいなぁ…
君
薄く笑って、君が呟く
何を考えたのだろう
不思議な彼女だ
そっと彼女が手元を動かす
それは、僕が生前渡そうとした 婚約指輪だった
僕
僕の手から彼女に渡れば 良かったのに
叶わない願いに少し笑えた
君
あ、笑った
嬉しいな 君が笑ってくれて
今日はとても幸せです
だから、今度は僕が待つ番かな
僕の分まで生きる、っていう君への出張を頼むよ
海を越えて会える距離 じゃないけれど
その指輪が僕たちの薬指に 通る時まで
待ってるよ