今日はお気に入りのサメのぬいぐるみとお菓子を少しだけ持ってきた
扉に手をかけて一息つく
ゆきさんの前では「いつも通り」を見せなくては
もし昨日の帰りの私を知ったら…
ゆきさんは優しいからきっと思い出そうと頑張ってしまう…
もう一度息を吸い直して扉を開けた
狐
ゆきさんは外の雪が舞うのを眺めていた
ゆき
ゆき
私を見て優しく微笑む
狐
ゆきさんに持ってきたものを渡す
ゆき
ゆきさんは嬉しそうにサメのぬいぐるみを抱きしめる
このぬいぐるみをプレゼントしたときも同じ反応をしていましたね…
そこから私達は30分程他愛もない話をしていた
ゆき
ゆきさんは最後にそう話して眠りについた
焦らない…
ゆっくりゆっくり待つしかない
私はしばらくゆきさんの寝顔を眺めていた
流石に出ますか…
今日も家に一人…
ゆきさんがいる生活に慣れてしまったので今ではあの家は広く感じる
帰るのが億劫ですね
後ろからぱたぱたと走るような音がする
看護師さんが数人通り過ぎる
ゆき
狐
背中に重い衝撃を感じる
あの足音の中にゆきさんの足音も混ざっていたみたい
それより今狐さんって…
ゆき
狐
ゆき
ゆきさんからお願いされることはほとんどないのでとても嬉しい
狐
狐
ゆきさんは嬉しそうに私の後をついてくる
ゆきさんに布団をかける
ゆき
狐
狐
ゆき
ゆき
ゆき
思い出してくれた…!
思ってたよりずっと早くて嬉しい
狐
ゆきさんが私に手を差し出す
私が握るとゆきさんは握り返してくれた
目が合うと嬉しそうに微笑む
ゆき
狐
狐
狐
ゆき
さっき話したときよりずっと会話が弾む
でもゆきさんは眠気には抗えないようでうとうとしはじめる
狐
狐
ゆき
ゆき
狐
ゆきさんはゆっくり目を閉じる
私は唇にキスをして病室を後にした
記憶を戻してから2日後
ゆきさんは退院して家に帰ってきた
狐
私はゆきさんを目一杯抱きしめる
ゆきさんも私を抱きしめる
ゆき
少しの間このまま抱き合っていた
ゆきさんが帰ってきて腕の中で笑っててくれて…
あぁ
なんて幸せなのでしょう
ゆき
狐
ゆき
ゆき
狐
ゆき
狐
狐
ゆき
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