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Uterus【旧】

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Uterus【旧】

3 - 頁//:Ⅲ 「じこしょうかい」

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2025年02月04日

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エーデルシュタインが扉を体当たりするかのように開け、入ると 数人がこちらに目をやった。

“マスター”

あー…えっと、こんにちは…?

???

銀髪とも薄い水色の髪ともとれる青年はじとっとした黒い目で私を見ている。

???

エーデル?“あれ”がマスターなのよね?

青年の隣に座る黒髪で冷徹そうな女性がエーデルシュタインに問い掛ける。 愛称で呼んでいるが、親密な中では無さそうだ。

エーデルシュタイン

…あぁ、そうお偉いさんから言われてる。

???

…ふぅん。
名前を教えてあげるくらいは良いかもしれないわね。

部屋に入ったはいいものも、完全に私は置いてけぼりにされている。

そもそもこの人達は何者なのだろうか。

さっきから私のことをマスターマスターと言っているが… マスターというものはなんとなく上司や指揮官などのイメージを持つ…気がする。

“マスター”

あのー、エーデルシュタイン?この人達って…?

エーデルシュタイン

俺含めこいつらはお前の部下見てぇなもんだな。

エーデルシュタイン

戦争で言うところの上官だ。

エーデルシュタイン

…まぁ、俺含め敬語とか使わねぇ奴が殆どだがな。

“マスター”

へー…合ってた…

何がだと問うエーデルシュタインを適当にあしらい、彼女らに目を向け、近寄ってみる。

“マスター”

こんにちは。…私は君達が言うマスター、って奴かな。

???

…えぇ。こんにちは、マスター。

???

私はプルウィアよ。

プルウィア

名前以外の情報を打ち明ける必要は無いわ。
怪しい行動を取れば貴方を斬り伏せることになるわ。

“マスター”

…うん、怪しいことはしないから安心して。

“マスター”

えーっと次、君は?

???

…私はル───

青年が名前を言おうとした時、 私と彼との間に一筋の閃光ともとれる刀の軌道が空気を裂いた。

プルウィア

言ったわよ。「何か怪しい行動をとれば斬り伏せる」と。

“マスター”

この人の名前を聞いただけで…??

プルウィア

大切な大切な弟の個人情報漏洩を黙って見てられると思う?
私は出来ないわ。

“マスター”

名前だけで…??
血液型を聞いたとかならまだしも…

プルウィア

“血液型”?

あ、しくじった。 人身売買を連想させる事を言ってしまった。

というか何を聞いてもこの調子なんだろう。 あぁ、バッサリ行かれるんだろうな。 というかエーデルシュタイン仕事しろよ。

瞼を閉じ、天を仰いだその時───

カン、と軽い金属音が耳元で止まる。

うっすらと瞳を開ければ黒い瞳の青年が… 正確には持っている鎌が、プルウィアの刀を止めていた。

プルウィア

…何の真似よ、ルーメン。

ルーメンと呼ばれた青年はプルウィアに向き合い、無愛想なまま言う。

ルーメン

…このお方はまだ罪を犯しておりません。

ルーメン

もし持っていたとしても…
主に赦される、自身の意思でやった事では無いでしょう。

ルーメン

…斬り伏せる必要がございますか?

プルウィア

…でも、今貴方の名前を知ってしまったわ。
姉や貴方の監督者として赦しておけないの。

ルーメン

姉様が勝手に私の名を言っただけです。
マスターも故意で貴女の間違いを聞いた訳では無いでしょう。

プルウィア

ぐっ…強くなったわね、ルーメン…

未だに首付近で鎌と刀がギリギリと音を立て会いながら、2人は口論を続けている。

エーデルシュタインが私の肘付近を掴むと、一歩二歩と少し離れる。

“マスター”

…エーデルシュタイン、あれなに?

よく分からない場所でよく分からない死に方を今はしない、 という安堵で溜め息が漏れながらそばに居るエーデルシュタインに問い掛ける。

エーデルシュタイン

あいつらお得意の夫婦喧嘩みてぇなもんさ。

“マスター”

…あと、意外とここにいる人って少ないんだね。
もっといるかと思ってたよ。

エーデルシュタイン

いや、居る。
別のどっかに仕事しに行ってる。帰ってくるか分かんねぇけどな。

“マスター”

へぇ〜…そうなんだ。

私の返事と共に、重たい扉が開かれる音がした。

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