Prologue
「グゥー」 腹が減った。毎日空腹と戦いながら生活する日々。 本当、辛い。だから… 今日もご飯を盗む。罪悪感はあるけれど、仕方ない。生活の足しにするにはこれしかない。 表通りの露店で今日の獲物を探す。 「ぉお。」 焼肉があるじゃないか、今日はこれだ。 目の前を通って… 「よっと」 ふっ、ゲットだ。 「ぎゃー!強盗よ!」 やべ、走らないと。自分の全速力を出す。 腕を掴まれた。 「だめだよ、君。強盗は。」 くそ、これまで上手いこといけてたのに。 「お姉さんがお金払うから、謝りなさい。」 は? 「ほら、早くー」 あ、え? けれど、返さないと牢屋行きだ。 俺は無言で歩く。獲物の露店の前に来ちまった。 「ほら、謝りなさい」 「…すみませんでした。」 「いいのよ。謝れば。捨て子なんでしょ。まぁ、(あなた)ありがとうね。」 「いえいえ。当然のことなので。」 「20ペルツですよね。」 「はい、僕。」 わからねー。なんだよ、コイツ。 「私の家に来てゆっくり食べていいよ。」 「……」 「黙秘はOKでみなすよー」 俺は、この目の前の人を追いかけた。
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