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テラーノベル(Teller Novel)

じゃぱぱ

……

たっつん

……

じゃぱぱ

(え?)

しばらく沈黙が続く。

ふと下を見る。

じゃぱぱ

……うぇ、

随分と汚くなった上着を脱ぎながら思うこと

"なぜこんなことをする暇があるんだ?”

じゃぱぱ

チラッ

たっつんは何をしているんだ?

たっつん

……

ぼやけて見える人影。

殴られ蹴られの影響だろうか。

目をこすってみる。

じゃぱぱ

ん?

たっつん

ハァ……

なるほどね。

じゃぱぱ

やっぱりたっつんはたっつんだね……優しいんだ笑

たっつん

!?

じゃぱぱ

ふふ笑

俺は見た。

たっつん

……

泣いて

汗だくで

全身を震わす君を。

トドメをさしに来ない君を。

じゃぱぱ

はは……。

愛想笑いをしてみる。

たっつん

俺はもうお前の知る俺じゃねえんだよ。

たっつん

わかってねぇのか……?

じゃぱぱ

じゃあさ……

なんで殺さないの?

たっつん

……

たっつん

グスッ

じゃぱぱ

たっつんは何も変わってないよ。いつもの優しいたっつんだよ。

たっつん

ハァッ……ハァッ………

体が暖かい。

たっつん

うぅっ……っ、、

涙が止まらない。

それでもまだ"君”は残る。

真顔のまま泣く俺の顔を見てみたい。

早く殺れ……!

たっつん

っ、

でも分かる。

明らかに魔の囁き声は小さくなっている。

またじゃぱぱは"俺”に語りかける。

じゃぱぱ

見てよ俺……こんなボロボロでさ……

たっつん

っ……!!

言葉が詰まる。

じゃぱぱ

今度は俺がたっつんを助けるんだ!なんて張り切ってた頃もあったよ……

じゃぱぱ

なのに今は何も出来ない。

じゃぱぱ

歩くことすら。

たっつん

!!

"君”がやってしまったことは"俺”は分からない。

じゃぱぱが感じた痛みさえ、想像もつかない。

じゃぱぱ

でもさ……

じゃぱぱ

こうやって手を差し伸べることは出来るんだ。ニコッ

たっつん

(泣)!!

涙越しに見る君はぼやけていたけど……

その手はとても大きくはっきり見えた。

心からの笑顔を見た気がした。

そう言って右手を震えながら伸ばすじゃぱぱに俺は感動して感動して

ただ立ち尽くすことしか出来なかった

じゃぱぱ

きっと……

じゃぱぱ

優しいたっつんが消えることを神は許さなかったんだろうねっ、

たっつん

じゃ……ぱぱ、、?

じゃぱぱ

じゃぱぱ

今、、俺の名前、、!

じゃぱぱの想いが 俺の心を浄化してくれている気がした。

"俺”は知らなかった。 いつもの俺が生きていたことを。

闇に染まりきった俺だと思い込んでいた。

たっつんは知らなかったんだろうな……

じゃぱぱ

ニコッ

まだ正気が残っていたこと。

たっつん

ッッ!

また耳を塞ぐたっつん。

じゃぱぱ

こんな脆い体でも出来ることがあったんだな…ポロ

じゃぱぱ

嬉しい

たっつん

じゃぱぱ

……

たっつんは気付いてないのだろうけど…

じゃぱぱ

右目……笑ってるよ(ニコッ

たっつん

えっ……

たっつん

……

たっつん

バタッ(座り込む)

目の前で黙り込むたっつんは

じゃぱぱ

(いつものたっつんだ……!)

たっつん

うっ……うう、、、

じゃぱぱ

泣いていいんだよ、。

じゃぱぱ

右も左もわからなくなっても

「俺がいるでしょ?」

たっつん

ううっ……泣

たっつん

じゃぱあああ!!!泣
あああぁぁッッッ、、

じゃぱぱ

ほら……右手出してよっ、

君の知らない……

沢山泣いて沢山酷いこともして

それでも耐え抜いた、

その想いのこもった

じゃぱぱ

あったかい右手。

一粒の涙が俺の手に落ちたと同時に

俺の右手は握り返された。

俺の知らないLeft side

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