TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

キノ

あの時の、、

男の子

だ、だれ?

怯えながら喋った

キノ

お前、キノコ狩りよくしてるよな

人間はこくりと頷いた

そして僕は人間に近づいた

男の子

あ、ち、近づかないで

人間は後ずさった

だが既に壁であり、距離は縮まる一方だ

人間は泣き出しそうだった

それを見ると余計に腹立たしかった

友人を殺しておいて

キノ

お前も同じ目に遭わせてやる

僕は人間に手を伸ばした

そして人間の頭をつかみ

浴槽へ頭を沈めた

男の子

うーーっ!!ゴポッ

僕の手を引き剥がそうとする力は強かった

だが、そんなのには負けない

キノ

あいつと約束したんだ

キノ

人間を殺すと

マッシュルームのことを思い出すと手に力が入る

今までこんな感情になったことがなかった

僕は分かったのだ

この感情がマッシュの行動力の源だったのか

キノ

あいつはいつも1人でこの感情を

マッシュの友人が殺された

これはあいつの復讐だったのか

男の子

ゴポッ

人間の抵抗は少し弱まった

昔こんな本を読んだことがある

山の中に捨てられた本の中

水死について書かれた本を

人間は4~6分程度息が出来ないと低酸素で意識を失い

10分で死ぬらしい

キノ

まだ2.3分程度か

抑える力を緩めなかった

人間は抵抗しなくなってきた

少し僕の手首を握る程度だ 絞めてるつもりだろうか、とても弱い

抵抗する際少し手の甲を引っかかれて血がお湯に滲み出ている

キノ

少しだけだが染みて痛いな

その時

ギィ

玄関の扉が開く音が聞こえた

キノ

(まずいな)

足音はこちらへ近づいている

キノ

(こんな時間に来るとは、両親か?)

幸い人間の抵抗が無くなったので水の音で場所はバレない

はずだった

キノ

(何故こっちへ迷わず来る!!)

足音は止まらなかった

迷わず風呂場に向かっていたのだ

そして風呂場から人影が見えた

キィィィ

古びた扉の音が風呂場に響いた

僕は人間の頭を足で抑え、両手を開けた

キノ

(1発でしとめてやる)

そこには僕がいた

キノ

は、ぇ?

キノ

あ、お邪魔した、かな?

あの時分裂した自分だった

キノ

な、何してるの?

彼は恐る恐る浴槽に顔をのぞかせた

キノ

人間への復讐だ

キノ

だ、大丈夫なの?

キノ

あ?僕が大丈夫にさせない

キノ

じゃなくて

キノ

君が、大丈夫なのかなぁって思って

キノ

は?僕が?

キノ

うん

キノ

何だか、胸が苦しくなる感覚がしたから、もう1人の僕に何かあったのかなって

胸に手を立てた

キノ

あ、僕達意思疎通できたんだっけ

キノ

めんどくさい能力が手に入ったものだ

僕は人間から足を退かして、また手で抑えた

そして浴槽の縁に腰掛けた

キノ

お前はなぜここにいるんだ

キノ

家は?

キノ

ちゃんと帰ったよ、でも見た目も少し変わって中身も前の僕じゃない

キノ

親に僕だと認識されなかったよ

彼は悲しそうな目をしながら頬をかいた

キノ

帰る場所なくなっちゃった

キノ

なら、僕とここで暮らさないか

キノ

え?

キノ

いいの?

キノ

人手は多い方がいい

キノ

ありがと!!

僕の左手を握りブンブン振り回した

キノ

もうそろそろ10分かな

僕は腰を上げ人間から手を離した

そして脈をはかった しっかり止まっていた

キノ

死んだの?

キノ

あぁ、死んださ

少しほっとし、肩の力が抜けた

この作品はいかがでしたか?

24

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚