テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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魔法の事ならおまかせあれ！

第11話 - 10 . 🪄

601

2025年01月03日

#ヘタリア

#セカアサ

#マッシュルパロ

無名

カークランド邸

ｽｺｯﾄ .

（今日はこの後、師範と稽古か…）

ｽｺｯﾄ .

（正直好きじゃねぇんだよな、あの師範…）

ｽｺｯﾄ .

（手合わせしてもつまんねぇし、コソコソ俺達の悪口は言うし…）

ｽｺｯﾄ .

（言いたいことがありゃ、直接言えっての）

ｽｺｯﾄ .

（何だよ、あんな偉そうに振舞っといて、簡単に俺に倒されるような奴のくせに）

ｽｺｯﾄ .

（でも…）

ｽｺｯﾄ .

（俺が師範を代えてくれってなんて言ったら、アイツがアーサーの師範になる…）

ｽｺｯﾄ .

（アイツの事だ、ぜってぇ今までの恨みだってアーサーの事虐めるに決まってる）

ｽｺｯﾄ .

（腹は立つが我慢だ我慢…）

ｱｰｻｰ .

ぁ…あに……ぅ……

ｽｺｯﾄ .

アーサー…どうした、そんな所にいないでこっちに来い

ｱｰｻｰ .

で、でも…母様達が、不出来な俺が兄上達と話したら、駄目々々が移るって…

ｽｺｯﾄ .

…そんな訳ないだろ

ｽｺｯﾄ .

ほら、こっちにこい

ｱｰｻｰ .

…うん

ｽｺｯﾄ .

それで？どうしたんだ？

ｱｰｻｰ .

その…えっと…解き方が分からない問題があって…

ｱｰｻｰ .

兄上なら、分かるかなって…

ｽｺｯﾄ .

そうか…なら俺が教えてやる

ｽｺｯﾄ .

俺の部屋に行こう

ｱｰｻｰ .

ぇ…で、でも、兄上何時も忙しそうだし…

ｱｰｻｰ .

それに、何時もこの時間、先生と稽古してる…

ｽｺｯﾄ .

別に、あんな奴と手合わせするより、お前に勉強を教えてた方がよっぽど有意義だ

ｽｺｯﾄ .

それに、ちょっとくらいサボったって怒られねぇよ

ｽｺｯﾄ .

大丈夫、俺が上手く言い訳してやるから

ｱｰｻｰ .

…うん！

スコットの部屋

ｽｺｯﾄ .

この魔法薬は濃度が高いだろ？だから比較的濃度が薄いこっちの魔法薬と合わせるんだ

ｽｺｯﾄ .

そしたら、そこに載ってる回復薬ができるんだ

ｱｰｻｰ .

へぇ…やっぱり兄上は凄いね！

ｱｰｻｰ .

明日、フランシス達に自慢する！

ｽｺｯﾄ .

…そうか、なら目一杯自慢するといい

ｱｰｻｰ .

うん！

ｽｺｯﾄ .

そうだアーサー、今はもう使ってない参考書が何冊があるが、いるか？

ｱｰｻｰ .

え、いいの!?

ｽｺｯﾄ .

ああ、俺にはもう必要ねぇしな

ｱｰｻｰ .

ほ、欲しい！兄上の使ってた参考書でしょ！頭良くなれる！

ｽｺｯﾄ .

頭良くなれるって…参考書読むだけじゃ意味ねぇぞ

ｱｰｻｰ .

そんな事ないよ！

ｱｰｻｰ .

兄上がくれた物使うと、何時もより凄い奇跡起こせるもん！

ｽｺｯﾄ .

なら、また今度見せてくれ、お前の奇跡

ｱｰｻｰ .

いいよ！その代わり、兄上も妖精さん出して！

ｽｺｯﾄ .

分かった分かった

ｽｺｯﾄ .

samonn

ｱｰｻｰ .

わぁ…

ｱｰｻｰ .

俺、兄上の出す妖精さん、キラキラしてて好き！

ｽｺｯﾄ .

…俺も、お前の起こす奇跡が好きだぞ

ｱｰｻｰ .

ほんと!?

ｽｺｯﾄ .

ああ、母さん達は色々言ってるが、俺達は好きだぞ

ｱｰｻｰ .

っ〜〜！嬉しい、兄上が褒めてくれた！

ｽｺｯﾄ .

なんだ、俺はいっつも褒めてやってるだろ

ｱｰｻｰ .

えへへ

家族･知人

スコット、稽古の時間だぞ、何をしている

ｽｺｯﾄ .

げ…

ｱｰｻｰ .

ぁ…

ｱｰｻｰ .

あ、兄上、どうしよう…俺、ここに居るのがバレたら怒られちゃう…

ｱｰｻｰ .

父様にブタれるよ…

ｽｺｯﾄ .

…アーサー、俺とお前で師範から逃げるゲームをしよう

ｽｺｯﾄ .

鬼ごっこだ

ｱｰｻｰ .

ぇ、で、でも、捕まったら兄上も…

ｽｺｯﾄ .

何言ってやがる

ｽｺｯﾄ .

俺があんな奴に捕まるわけねぇだろ

ｽｺｯﾄ .

ほら、しっかり掴まってろよ

ｱｰｻｰ .

へ…??

ｽｺｯﾄ .

っし、ここまで来れば暫くは大丈夫だろ

ｱｰｻｰ .

あ、あにぅえ…ほんとにいいの？

ｽｺｯﾄ .

何がだ？

ｱｰｻｰ .

兄上は優秀で、父様達にも好かれてるのに

ｱｰｻｰ .

こんな事したら、兄上まで嫌われちゃう…

ｽｺｯﾄ .

別に、父さん達から好かれたって特に利益なんてねぇし

ｽｺｯﾄ .

弟が傷付くくらいなら、そっちのが充分マシだ

ｱｰｻｰ .

…ほんと？

ｱｰｻｰ .

後で、怒らない？

ｽｺｯﾄ .

怒んねぇ

ｽｺｯﾄ .

俺は父さんみたいに短気じゃねぇよ

ｽｺｯﾄ .

ほら、一緒に街を歩いて回るぞ

ｽｺｯﾄ .

欲しいもんがあれば買ってやるから

ｱｰｻｰ .

ほ、ほんと!?

ｽｺｯﾄ .

ああ、小遣いはたっぷり溜まってるからな

ｱｰｻｰ .

な、なら、テディベアが欲しい！小さいのでいいから！

ｽｺｯﾄ .

OK、店を探すぞ

ｱｰｻｰ .

うん！

ｱｰｻｰ .

……兄上は、俺と居て嫌じゃないの？

ｽｺｯﾄ .

なんでそう思うんだ？

ｱｰｻｰ .

だって、俺は兄上達みたいに強くないし、魔法も上手く扱えないし、要領も悪いし…頭も、そんなに良くない

ｱｰｻｰ .

父様達は、俺を失敗作だって言うよ？

ｱｰｻｰ .

カークランド家の名折れ？だって…

ｽｺｯﾄ .

…そんな事ねぇよ

ｽｺｯﾄ .

それにお前はまだ餓鬼なんだ、これからどうもでもなる

ｱｰｻｰ .

嘘じゃない？

ｽｺｯﾄ .

ああ、俺達の弟なんだ

ｽｺｯﾄ .

きっとすげぇ奇跡だって起こせるようになるさ

ｱｰｻｰ .

…分かった

ｱｰｻｰ .

俺、兄上達みたいに強くなれるよう頑張る！

ｱｰｻｰ .

兄上達と同じくらい強くなったら、こんな風にコソコソお話するんじゃなくて、皆の前で堂々とお話できるようになるし！

ｽｺｯﾄ .

そうだな

ｽｺｯﾄ .

困ったら俺に言え、なんでも教えてやる

ｱｰｻｰ .

うん！

家族･知人

何故アイツだけ一向に伸びんのだ…他の兄弟と同じように指導しているのに…

家族･知人

要領が悪いのか、ただ単に魔法使いとしての才能がないのか…

家族･知人

いいや、きっとどちらもだろうな

家族･知人

何故だ…スコット達はあんなにも優秀に育ったのに…

家族･知人

何処で間違えたんだ…

家族･知人

いや、ここまで来たらカークランド家の者じゃないのかもしれないぞ

ｽｺｯﾄ .

…………

ｽｺｯﾄ .

（またアーサーの事でアレコレ言ってやがる…）

ｽｺｯﾄ .

（よくもまぁ毎日飽きねぇな）

ｽｺｯﾄ .

（それに、話す時毎回俺たちを出して来るのはなんなんだ、気分が悪い）

ｽｺｯﾄ .

（…俺達がいるから、比べられるのか？）

ｱｰｻｰ .

―――あ！兄上!!

ｱｰｻｰ .

聞きましたよ、レアン寮中等部の監督生になったんですよね？流石兄上！

ｽｺｯﾄ .

…頬

ｱｰｻｰ .

え？

ｽｺｯﾄ .

その頬の怪我は、どうしたんだ？

ｱｰｻｰ .

ああ、これですか…

ｱｰｻｰ .

父様が稽古を付けてくれてたんですけど…コテンパンにされちゃって…

ｱｰｻｰ .

「兄上達はこれ位簡単に対処出来るぞ！」って言われちゃいました…

ｱｰｻｰ .

やっぱり、兄上達は凄いんですね！俺の誇りです！

ｽｺｯﾄ .

（……これって…）

ｽｺｯﾄ .

（俺達の存在が、1番コイツを追い詰めていないか…？）

ｽｺｯﾄ .

（俺達が高みを目指すから、下にいるコイツへの期待が大きくなる…）

ｽｺｯﾄ .

（だから誰も、こいつの才能に気づかない）

ｽｺｯﾄ .

（コイツをこの家に縛ってるのは―――）

ｱｰｻｰ .

兄上？

ｱｰｻｰ .

あ、そうだ…あの、もしお時間があるならこの後―――

ｽｺｯﾄ .

喋るな

ｱｰｻｰ .

……え？

ｽｺｯﾄ .

もう、俺に話しかけるな

ｱｰｻｰ .

ぇ、っと…何を、言って…

ｽｺｯﾄ .

父さんの攻撃すら避けられないなんて…どれだけ訛った体をしているんだお前は

ｽｺｯﾄ .

カークランド家に生まれたのなら、あの程度の攻撃、避けて見せろ

ｽｺｯﾄ .

そんな生ぬるい事をされては、カークランド家の名に泥がつくだろ

ｽｺｯﾄ .

自分の実力も分からないのか

ｱｰｻｰ .

ま、って…待ってよ、兄上…！

ｱｰｻｰ .

俺…もう、幾ら稽古でボコボコにされても泣かないよ！

ｱｰｻｰ .

父様から言われた事だって、ちゃんと真正面から受け止めて、受け入れて…

ｱｰｻｰ .

兄上から貰った参考書も、ボロボロになるまで読んで…手を抜いた日なんて、一度もない！

ｽｺｯﾄ .

そんな当たり前の事、自慢気に話すな

ｽｺｯﾄ .

お前が俺の弟なんて、恥さらしもいいところだ

ｱｰｻｰ .

……何で

ｱｰｻｰ .

なんで、いきなり…そんなこと言うの？

ｱｰｻｰ .

兄上達だけなんだよ…？俺を、褒めてくれたの…

ｽｺｯﾄ .

それが間違いだった

ｽｺｯﾄ .

ちょっと褒められたからって、天狗になるなよ

ｽｺｯﾄ .

…これ以上、家に恥をかかせるな

ｱｰｻｰ .

………ぁにぅぇ…

ｽｺｯﾄ .

―――っ…

ｳｪﾙ .

スコくん、あーくんに何か酷いこと言ったでしょ？

ｳｪﾙ .

あーくん、廊下で泣き崩れてたよ？

ｳｪﾙ .

あーくんは父さん達の言葉で心が折れる奴じゃない、のんくんに聞いても知らないって言った

ｳｪﾙ .

スコくんが泣かしたんでしょ？

ｽｺｯﾄ .

…………

ｳｪﾙ .

何で？ずっとあーくんの事気にかけて、優しくして―――

ｽｺｯﾄ .

俺は、神覚者になる、絶対

ｽｺｯﾄ .

そしたらもう、アイツが神覚者になる必要もなくなる

ｽｺｯﾄ .

アイツが…カークランド家の息子だからなんていう業を背負う必要が無くなるだろ

ｳｪﾙ .

…嫌って、家を出てく様にするために、酷いこと言ったってこと？

ｽｺｯﾄ .

だったらなんだ

ｽｺｯﾄ .

軽蔑したきゃすればいい

ｽｺｯﾄ .

これが俺のやり方だ

ｳｪﾙ .

………

ｳｪﾙ .

全く…しょうがないなぁスコくんは

ｳｪﾙ .

スコくんだけに嫌われ役させちゃうのも悪いし、俺もやるよ、嫌われ役

ｽｺｯﾄ .

…は？いや、何で…

ｳｪﾙ .

兄弟一人だけに、そんな罪悪感背負わせる訳にはいかないもん！

ｳｪﾙ .

大丈夫、俺もまぁまぁ演技出来るから！

ｳｪﾙ .

…あーくんは強いから、大丈夫だよ

ｽｺｯﾄ .

……助かる

ｳｪﾙ .

へへ、たまには頼ってね！

家族･知人

神覚者就任おめでとうスコット！

家族･知人

流石は私の自慢の息子だ！

家族･知人

自分の息子が神覚者なんて鼻が高い！

家族･知人

よくやった！今日はパーティにしよう、お前の好きな物を沢山作ってやるからな

ｽｺｯﾄ .

ありがとう…

ｽｺｯﾄ .

飯なら、スターゲイジーパイでも作ってくれ

家族･知人

ああ勿論だ！お前のめでたい日なんだからな！

ｱｰｻｰ .

…兄上

ｱｰｻｰ .

神覚者就任、おめでとうございます

ｱｰｻｰ .

聞きました、圧勝だったそうですね。流石は兄上です

ｽｺｯﾄ .

…おだててるつもりか

ｱｰｻｰ .

いえ…そんなつもりは…

ｱｰｻｰ .

……いいえ、兄上がそう思ったのなら、それが正しいです

ｽｺｯﾄ .

っ…………

ｱｰｻｰ .

兄上…おれも…俺も頑張って、神覚者を目指します

ｽｺｯﾄ .

…………は？

ｱｰｻｰ .

今の俺じゃ、兄上の足元にも及ばない

ｱｰｻｰ .

だから、兄上の横に立つことが出来ない

ｱｰｻｰ .

でも、神覚者になれば、兄上の横に立てるから

ｽｺｯﾄ .

（…なんで）

ｽｺｯﾄ .

（もう、業も何も無いだろ…）

ｱｰｻｰ .

だから、必ず神覚者に―――！

ｽｺｯﾄ .

っ…黙れ！

ｽｺｯﾄ .

お前なんかが神覚者になれる訳が無い！

ｽｺｯﾄ .

身の丈に合わない夢を見るのはやめろ！みっともない！

ｽｺｯﾄ .

お前には無理なんだよ！

ｽｺｯﾄ .

神覚者になるのも、カークランドの名を背負うのも！

ｱｰｻｰ .

………そう、ですか

ｱｰｻｰ .

兄上が言うなら、間違って無いでしょうね…

ｱｰｻｰ .

分かりました、もう、目指しもしませんし、言うのも辞めます

ｱｰｻｰ .

すみませんでした、不快な思いにさせて

ｱｰｻｰ .

俺はパーティには参加しませんから、存分に楽しめますよ

ｱｰｻｰ .

…それじゃぁ

ｽｺｯﾄ .

っ…くそ

ｽｺｯﾄ .

（胸が苦しい―――）

魔法局

ｽｺｯﾄ .

ん"…ふぁ…

ｽｺｯﾄ .

…………夢か

ｽｺｯﾄ .

（…仲良くしてた頃も、あったのか）

ﾎﾟﾙ .

スコット〜？俺に叱られたあとやっちゅうのに、随分ぐっすり寝とるな〜??

ｽｺｯﾄ .

ぅげ…ポル

ｽｺｯﾄ .

ちょっと位いいだろ、仕事は終わってるんだから

ﾎﾟﾙ .

せやかて、デスクでぐーすか寝こける奴があるかいな

ｽｺｯﾄ .

あーはいはい、悪かった悪かった、気をつける

ﾎﾟﾙ .

ぜんっぜん反省しとらんなお前…

ﾎﾟﾙ .

俺は追加で2時間くらい説教したってもええんよ？

ｽｺｯﾄ .

マジで勘弁してくれ…

ｽｺｯﾄ .

…なぁ、ポル

ﾎﾟﾙ .

なに？

ｽｺｯﾄ .

愚弟のこと、どう思う？

ﾎﾟﾙ .

どうって…そりゃ可愛い弟分みたいな…

ｽｺｯﾄ .

そういうのじゃねぇ

ﾎﾟﾙ .

はぁ？

ｽｺｯﾄ .

天才か、凡人かってことだ

ﾎﾟﾙ .

―――――…

ﾎﾟﾙ .

なぁスコット

ﾎﾟﾙ .

どないしてん？イーストン入学してからのここ最近、ごっつ必死に稽古しとるけど

ﾎﾟﾙ .

自分がそないに焦るなんて、なんぞあったん？

ｽｺｯﾄ .

…このままじゃ、弟に追い付かれる

ﾎﾟﾙ .

え…アーサーに？

ｽｺｯﾄ .

ああ…

ｽｺｯﾄ .

周りの奴らは、見る目がないだけだ

ｽｺｯﾄ .

アイツは天才だ、呆けてたら、一瞬で追い抜かされる

ｽｺｯﾄ .

考えてみろ、固有魔法が奇跡を起こせるだけでまず異端だ

ｽｺｯﾄ .

どんなことが起きても、アイツは奇跡でそれを防いだり弾いたりできる

ｽｺｯﾄ .

それに、アイツは俺達が習得するのに時間をかけた魔法も、難なく扱えた

ｽｺｯﾄ .

手合わせしてくれって言われて、する度に、前よりもグッと強くなってる

ｽｺｯﾄ .

お前も何となく分かるだろ？

ﾎﾟﾙ .

まぁ…せやねぇ

ﾎﾟﾙ .

感じるもんはあるかもなぁ

ﾎﾟﾙ .

あの子なら三本線出すんも、神杖を使いこなす姿も想像できるわ

ﾎﾟﾙ .

自分らの御先祖さんにも二、三人おったんよな？奇跡を起こしたり、操ったりする人

ｽｺｯﾄ .

ああ、いた

ｽｺｯﾄ .

その人達は、皆もれなく天才だった

ﾎﾟﾙ .

なら、アーサーも天才なんかもなぁ

ﾎﾟﾙ .

でも、コテンパンにされとるんも事実やろ？

ｽｺｯﾄ .

当たり前だろ、親父のやつ、今の俺たちのレベルでアイツに稽古つけてんだ

ﾎﾟﾙ .

え"…今のスコットらのレベルて…相当ハイレベルやない？

ｽｺｯﾄ .

だろうな

ﾎﾟﾙ .

そらまだ小等部のアーサーにはキツイわなぁ…

ｽｺｯﾄ .

それに、コテンパンにされてるって言っても、頬に少し傷ができてるくらいだ

ｽｺｯﾄ .

コテンパンどころか、だいぶ対処出来てるぞ

ﾎﾟﾙ .

でもまぁ、確かに感じるものはあんなぁ

ﾎﾟﾙ .

それに、スコットが言わんとしてることは俺にも分かるで

ﾎﾟﾙ .

あの子の固有魔法は、言わばカークランド家の集大成

ﾎﾟﾙ .

どんな窮地に追い込まれようと、あの子が固有魔法を唱えるだけで、上級妖精やドラゴンが助けてくれるなんて言うとんでもない奇跡を起こしたり

ﾎﾟﾙ .

病気で苦しんどっても奇跡が起きて治ったり…

ﾎﾟﾙ .

俺も昔簡単なゲームっちゅう事にして手合わせしたことあんねんけどな

ﾎﾟﾙ .

まさかの俺の精神操作が奇跡で弾かれてもうたんよ、ほんまビビったわ〜

ﾎﾟﾙ .

あの子の起こす奇跡に限りは無い

ﾎﾟﾙ .

奇跡という名にそぐうものであれば何でも起こせる

ﾎﾟﾙ .

大抵のもんが奇跡っちゅう括りにあるこの世界じゃぁ、確かに、チートっちゅう名に相応しいなぁ

ﾎﾟﾙ .

あの子なら四肢吹っ飛んでも奇跡で生えてくるとちゃう？

ｽｺｯﾄ .

…出そうだよな、想像は出来る

ﾎﾟﾙ .

ふふ、あの子が神杖使えるようになったら、どえらい事になりそうやなぁ

ﾎﾟﾙ .

兄としてはどないか知らんけどなぁ…？

ｽｺｯﾄ .

…だから、こんな必死こいて特訓してるんだろ

ｽｺｯﾄ .

俺は…あいつの中での俺は―――

ﾎﾟﾙ .

―――かっこええお兄ちゃんでおりたいんやな

ｽｺｯﾄ .

…………はぁ!?!?

ｽｺｯﾄ .

なっ、俺は一言もそんな事言ってねぇだろ！

ｽｺｯﾄ .

質問の回答としてもずっれズレだし！何考えてんだお前！

ﾎﾟﾙ .

あっはっはっ、堪忍なぁ

ﾎﾟﾙ .

そないに怒鳴らんと、な？

ｽｺｯﾄ .

チッ…

ﾎﾟﾙ .

でもまぁ…せやねぇ…

ﾎﾟﾙ .

あの子が天才か凡人か…将又秀才かは

ﾎﾟﾙ .

スコットが1番よぉしっとるんとちゃうの？

ﾎﾟﾙ .

あの子が大好きで大好きで堪らんお兄ちゃんの自分が、な

ｽｺｯﾄ .

……………

ｽｺｯﾄ .

もうすぐだな、選抜試験―――

はぁぁぁぁぁ！書けたぁぁぁぁ！書いてる時滅茶苦茶楽しかった！普段毒舌なスコくんの弱い一面や優しい一面を書くの滅茶苦茶たのしー!!!!ブラコン兄書くのたのしー!!!!Happy！でもTAP数がまさかの300…これは絶対1話で収めたいと思って書いてたら…こうなってたでも、お陰で（自分的には）大満足なストーリーがかけました… 私大好きなんですよね、自分が凡人だと思ってる天才と、周りから天才だと思われてる凡人や秀才本当に良ければ♡200くらい押してって〜😭😭