首に鉄製の首輪が付けられる
怜士
肉食獣でも壊せないものになっているから、安心しなさい
祐希
…うん
祐希
…これ、どうやって外すの
怜士
基本的には外せないが、私が鍵を持っているから
怜士
私に言ってくれれば外してあげるよ
祐希
…肉食獣から守るために首輪があるのに
祐希
その鍵を肉食獣が持ってたら、元も子もないよ!
怜士
君が持っていて他のものに奪われるより良いと思うんだけど
怜士
嫌なら自分で持っててもいいんだよ
祐希
お、俺が持つ…
怜士
いいよ
祐希
(あっさり渡してくれるんだな)
怜士
私は君に執着していないから、奪おうとは思わないが
怜士
君に執着するものがいた場合、奪われる可能性がある
怜士
絶対見つからない場所に隠しておきなさい
祐希
…うん
祐希
(なんか、よく分からない人だな…)
祐希
(ただ、言うことを聞いていれば、俺に酷いことはしてこない…)
蓮
くっそ!
蓮
急にボール投げんじゃねぇ!
蓮
行っちまうだろうが
蓮はふさふさの尻尾をブンブンと揺らしながら、ボールを手に持って帰ってくる
祐希
(…なんか、可愛いなこいつ)
祐希
(ちょっと懐かせてみたい…かも…)
怜士
…駄犬が
怜士
お前に見張りは向いていないな
蓮
うるせぇ
祐希
(交尾だけする関係だと思ってたけど)
祐希
(なんだか上手くやってけそうだな)