意味怖『キノコ』
お父さん
「翔陽にはお兄ちゃんがいたんだよ。
お父さん
お風呂に入るのを嫌がったからキノコになっちゃったんだ」
そう言って父さんはよく、幼かった俺にアルバムを見せていた。
アルバムのあるページからはキノコの写真が何枚か入っていた。
翔陽
今思えば、お風呂に入る事を嫌がっていた俺を
翔陽
入れさせるためについていた嘘だったんだけど
翔陽
幼い頃の俺はそのことを本気にしてたんだよな笑
幼い翔陽
ねぇ、お兄ちゃんは今どこにいるの?
あるとき父さんにそう聞くと
父さんは
お父さん
お庭だよ
と、答えていた
当時の俺はその事が怖くて怖くてたまらなかった。
何故あんなにも信じていたのか、
今となってはよく思い出せない。
翔陽
久しぶりにあのアルバム見ようかな
翔陽
一階のリビングにあったっけ
翔陽
!
翔陽
あったあった
俺は久しぶりにそのアルバムを開いて、
その訳を知った。