アストピア 全ての始まり編

城を出た私達は トナリーノの国へ行く為 国境の山に来ていた

in国境の山

ロンノさんやグリスさん達に「もう少しゆっくりしたら？」と言われたが

「魔王の脅威もあるし、早めに行きたい」と言って 城を出てきた。けど…

こんな話をしているが…私達の体力は全員そこを尽きそうになっていた

３人も息を切らして登っている

これが足が棒になるという感覚なのだろうか…

プレーンが向いた方向には

城にいるはずのロンノさんがいた

この険しい山道を走って…

そう考えたら、ロンノさんの体力はこの中で一番高いのかもしれない

黄色、紫、青、水色のボトル

私は黄色のボトルを手にとった

「旅の無事を祈ってる」と言い残してロンノさんは山を下っていった

……水を飲むにしろここだと蒸し暑くて直ぐに温くなってしまう

「「「それだ！」」」

in神の宿屋

実は、神の宿はどこでも寝られるしとても便利だけども 一つ欠点がある

それは入り口。ドアのこと

外から見ると某秘密道具のようにドアだけある状態なのだ

ドアには何も細工していない為誰かに開けられたら一発

怪物は流石に来ないと思うけど…

………

……

夜遅く

少しお腹がいたくて目が覚めた

夜中ってこともあり暗くて不気味

でも一緒に行ってくれる人居ないや…

でもそんなこと言ってもお腹痛いのは治らない為 とりあえずトイレを目指すために廊下に出た

………

……

ｷﾞｭﾙﾙﾙﾙﾙﾙ

あいつがこの時間に起きたのはトイレだとして

in神の宿屋 入り口

入り口も特に問題なし

…と言いたかったが

俺は見えない所に短剣を隠しておき、ドアを開けた

目の前にいたのは茶髪で髪を一つに束ねている 戦士と同じぐらいの年頃の女だった

ユノと名乗ったその女は「迷ったからここに泊めてほしい」と頼んで来た

ｶﾞﾀﾝｯ

なんでこんな時に…

その言葉を聞いたとき、女の目つきが変わった

「今だ、こいつらを捕らえろ！」

その言葉を聞いた瞬間、待機していたのだろうか… 10体以上の怪物が襲ってきた

俺はすぐさま短剣を抜き怪物に斬りかかる

黒い煙に包まれた女の姿は、俺が見たことあるあの顔へと変わった

アイドルがドアノブに手を伸ばした瞬間 魔王がドアに向かって光線を放つ

光線はドアに直撃。ビリビリと音を立て後戻りできなくなってしまった

…………

何か聞こえる……

これは…夢なのだろうか

確かめようにも体がだるくて動かない

「アス、助けて！！」

夢にしては何だかリアリティのある声だった気がするが…

そんなこと考えてもどうせ意味がないため とりあえずアイリスを起こしに行く

てっきり布団にいるものかと思っていたが、アイリスの姿が見当たらない

もう外に出た…いや多分それはない

プレーンやダフニーに会いに行った可能性もある

服を取り出そうとクローゼットを開けたら

……なにもなかった

そして何故かパジャマを着ているはずだった私の服は

転移させられたときに来ていた学校の制服だった

アストピア 19話 終