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青
青は部屋の前で5分程深呼吸しては大丈夫 を繰り返していた 傍から見たらただの変人だろう。
桃
青
そんな事をしていたら扉の向こうから 桃の声が聞こえた いきなりの事に青は声を裏返らせた
桃
青
桃
青
今の青は真っ赤な顔をしている 誰も見ていないと言うのに 両手でそれを隠す彼
きっと桃が見たらそれこそ 普通ではいられないだろう
カチャ…
青
桃
時既に遅し… 目の前には目を見開き 口をぽかんと開ける桃の姿
青は開けないで、と前に出していた手を 咄嗟に顔へ持っていくと真っ赤に染まるのを隠すように覆った
そのまま下を向くと
青
桃
桃
青
顔をあげようとした途端 パッと手首を掴まれ顔を隠す術を 無くしてしまった
桃
青
そのままグイッと引かれれば 部屋の中へと引っ張られる
パタンッ
ドアが閉まる音の次は背中に冷たい感覚
目の前には何かに耐える様眉を顰め タコのように真っ赤になった桃の顔
桃
青
桃
青
続くはずだった青の否定の言葉
だが突然塞がれた事により それは鼻から抜ける様な 甘い声となってしまった
桃が1人になって何分経っただろう 1階からは生活音が聞こえる
桃
桃
フゥ、と息を吐くと上体を起こす
改めて見ると、青の部屋何も無いな… まぁ、ごちゃごちゃ物を置くようには 見えねぇけど…
そんな事を考えていれば 廊下から歩く音がした
来たか?と思いベッドから降りる と、何やらブツブツ話す青の声がした
青
そっと扉の前へと足を進める
青
え、なに、どうしたのこいつ 普通に怖いんだけど
青
時々パンっと軽く叩く音がする しばらく聞いていたが、青の不気味な独り言は止まることがなく いつまで続けんだ、と桃は彼の名前を呼ぶ
青
その声は驚きからなのか、裏返って少し高い それに吹き出しそうになるのを耐える
桃
青に聞こえていた事を伝えると そのまま扉へ背中を預け座る
青
桃
とうとう耐えていた笑いは我慢出来ないと 口から漏れ出てしまった
青
少しの沈黙の後 桃はスっと立ち上がるとドアを開ける
青
瞬間目の前の彼に 桃は目を見開き、体がカチンと固まった
桃
青
当たり前だ 目の前には眉を情けなく下げ 真っ赤に染まった顔を両手で隠す 愛しい姿があったのだから
桃
徐々に顔が熱帯びてくのを感じる 彼は可愛すぎる、きっと本人は 気付いてないだろうが…
桃
青
隠したままの顔を上げようとする彼の手首をキュッと掴むとそのままグイッと引く
桃
手首を掴まれれば彼はどんな顔でも 隠す事が出来ない
だが桃も掴んだ以上戻す事は出来ず 少し後悔をした
彼は怒った様に眉をキュッと寄せていた だがそれは桃を煽る要因になる
その瞳には涙が浮かび唇を キュッと噛み締めているのだから
桃
青
このままではきっとここで襲ってしまう と彼の腕を引けば部屋の中へと連れ込む
片手でドアノブを掴めば 青を軽く抱き締めながら前へと足を進める
パタンッ…と音と共に 行き場を無くした彼がバッと上げたその顔は 叱られた仔犬のようで 理性が飛びそうになるのを何とか耐えようと 眉がグッと寄るのが桃自身でも分かる
桃
青
訳が分からないのか、眉を八の字にしながら 小首を傾げる彼は本当にわざとじゃないのか と疑うほどだ…
桃
青
講義しようと開く彼のその口を 黙れよ、と自分のそれで乱暴に塞いだ
驚きに目を見開き、ギュッと胸元の服を掴む彼の手はフルフルと震えていた
その手ですら愛らしく 桃は彼のそれを自分の手で解くと 指を絡ませた
青
絡ませた指がピクッと跳ねた 桃は薄目を開け、彼の顔を盗み見る
そんな事を気にする余裕の無い青は ギュッと目を固く閉じ肩を竦めている
…これ以上はやばい… でも…、くそ可愛い…ッ、
彼を抱き締めていた手を 徐々に前へとズラしていく
彼の水色のパーカー その裾を捲れば ワイシャツのボタンを1つ外す
ビクッと震える青は 困惑に目を見開いた
何っ、僕、なに、 どうすりゃ良いんだよこれ!! 何で僕今キスされてんのッ…、
青
頭の中で現状整理をしていれば 腹部に少しの違和感
こいつ何しようとしてんのッ?!?
ギュッと咄嗟に彼の腕を掴む が、止まることのないそれ
桃
彼の手がワイシャツのボタンを 順々に外していく
途端、チラッと顕になる腹部をスルッと 彼の骨ばった手によって撫でられる
青
擽ったさに重なる唇の隙間から 上擦った声が漏れ出る
桃
唇が離れると 彼の低く、甘い優しい声に耳が擽られる 青はフルフルと震える身体に どうすればいいのか分からず目を白黒させる
桃
青
彼の手がどんどん上へと上がってくると共に 厭らしく、スルスルと指で脇腹などを擽られる
桃
青
あまりの擽ったさに足の力がガクッと抜ける
桃
青
今母さんいるっつんだよ!! 僕、すげぇ気持ち悪い声でて…っ、 全部桃のせいじゃねぇか!
支えられたままに キッと彼を睨む
桃
青
桃
青
そう言う桃は眉間に皺を寄せれば まじかよ…、と、頭を抱えた
桃
青
キレる青はギリッと歯を食いしばると そっぽを向く
桃
桃
青
青は顔を赤く染めるとそっぽ向いてた顔をゆっくり桃の方へ向ける
青
桃
青
桃
青はキュッと口を結ぶと俯き拳を握った
青
桃
青
桃
青
桃は自分の頬を指でポリポリかくと 目を伏せて、もう一度青の顔を見る
桃
桃
頬を赤く染めた桃は口元に手首を持ってく そして、上目遣いに間抜け面の青を見る
青
桃
青は恥ずかしげに顔を顰める桃を見た後 移ったかのように自身の頬も赤く染めた
桃くんて、そんな風に思ったりすんだ、 僕、勘違いしてた…ッ 待って、どうしよう、意味がわかんないくらい、すげぇ…、
青
桃
青
桃
桃の言葉に 自分の口から漏れていたことに気付き バッと口を手で塞ぐ 顔面が熱くなるのを感じ後ろを向く
青
桃
青
桃
青
桃の声と共に 背中からふわっと温もりに包まれる
桃
青
ギュッと、優しく抱き締められている事に 気付けば、もっと熱くなる頬
そして、それと共に、ふわっと香る 桃の優しく微かに甘い香水の匂い
それは青を包み込み、優しい眠りを誘うほどに安心するものだった
コメント
5件
ブクマ失礼します!
続きまってます!
(。´・ω・)ん?これはどう接すれば?((.........ええやん(*^^*)(👍^ ͜ʖ ^ )