戦場は音が消えたように静かだった
いや、正確にはサクの周囲だけが、異様なほど静まり返っていた
サク
……
サク
ザシュ
シャルナーク
やっぱりあれは操作系の念能力だ
シャルナーク
しかも、かなり深い
パクノダ
精神への直接干渉…解除は簡単じゃないわ
フェイタン
チッ…面倒ネ……敵、相当悪趣味ヨ
サクは敵を切りつける
早く、正確で、無駄がない
───旅団トップクラスの強さはそのままに。
けれど
クロロは違和感を拭えなかった
クロロ
(……目が、死んでいる)
クロロ
(以前のサクにはどんな時でも意思があった)
敵がの動きが、異様に的確だった
マチ
……読まれてる。私達の動き
シャルナーク
サクを経由している可能性が高いね…
シャルナーク
しかもリアルタイムで
フェイタン
つまり、サクを動かす限り全てバレるネ
クロロは一瞬目を伏せる
それは団長としてではなく
───1人の人間としての迷いだった
クロロ
(切り捨てるか?)
クロロ
(選択としても合理的だ)
クロロ
(だが………)
マチ
団長…?
クロロ
……
クロロ
…作戦を変える
パクノダ
?…
クロロ
サクを中心から外す
クロロ
その代わり近くに俺がつく
サク
………
戦闘の合間
瓦礫の影で、クロロはサクの手首を取る
クロロ
……聞こえているか?
サク
……
返事はない
だが、指先が───ほんの僅かに震えた
サク
ピクッ
クロロ
(……まだ、いる)
クロロは確信する
完全には壊れていない
ただ、深く沈められているだけなんだ
クロロ
夢を、みているのだな
サク
……
サクの瞳が少しだけ揺れた
それは誰にも気づかれないほどの小さな変化
けれど、クロロには十分だった






