逃げ出した公女様は今世を楽しむ

逃げ出した公女様は今世を楽しむ

昔 こんな夢を見た

未来の自分と2人きりの夢

私の後ろには真っ黒な世界しかなかったんだけど

未来の私の後ろには色々な景色があった

何故私の後ろは何もないのに貴方にはあるの？

そう聞くと

貴方より長く生きたからよ

貴方は死んだの？

えぇ

愛する人の手でね

どうして？

それは教えられないわ

やり残した事はないの？

ないわ

でも願いはあるの

なに？

貴方にはこんな人生を歩んで欲しくない

あの家にいたら私みたいになるわ

だから

20の誕生日までに逃げて

これが私の最後の願いよ

そこで目が覚めたんだ

夢って起きたら記憶にないものだけど

私の記憶にはしっかり残ってた

あの人が最後に言っていた言葉

根拠はなかったけど

絶対に守らないとって思った

それから月日が経ち 私は16歳になっていた

今は年に1度誕生日の日に夢を見る

でも

未来の自分はいなかった

あるのは1冊の本だけ

そこには未来に起こる事が書かれていた

____ベッドに勢いよく飛び込む