歌い手短編集

あの日に起きた悲劇 赤黄

僕には、 4つ上のお兄ちゃんがいる

訳あって2人で暮らしてる

今日も、いつも通りの夜がくる

そう思っていた

◤◢◤◢注意◤◢◤◢ ここから先は東日本大震災っぽい所が入ります これによって、気分が悪くなったり、辛い記憶を思い出してしまう人は、無理してみなくて結構です また、途中で気分が悪くなったら、すぐに、見るのを辞めてください これを読んで大丈夫だと思った方のみご視聴ください

そう言ってくれたのは イツメンの髪の色の 鈴だった

ｸﾞﾗｸﾞﾗ

倒れてきた家具から 僕を庇った兄ちゃんは、

家具の下敷きになった

僕は、逃げた

津波が来る

お兄ちゃんと話したい

このふたつしか頭の中に無かった

寒さ、恐怖 なんてひとつもなかった

僕は、無我夢中で走った

屋上に来た僕が見た光景 それは......

沢山の家、電柱、看板、車が

津波によって流されるところだった

僕は...頭が真っ白になった

ずっと、兄ちゃんが無事である事を祈るしか無かった

朝、俺に最悪な知らせが届いた

今は、3月

しかも、雪国だ

寒くないわけが無い

兄ちゃんが助かったの？

そう思った

でも、

この願いは届かなかった

僕は、やな予感がした

人違いじゃないのか

ほんとにこれは兄ちゃんなのか

違うことを願った

それでも、兄ちゃんの手からあるものが落ちた

「ｶﾗﾝ」と音を立てて落ちたのは

黄色の鈴だった

傷もなく、ピカピカの状態で落ちてきた鈴

兄ちゃん本人だ

これで、分かってしまった

ほんとに、兄ちゃんが亡くなったことが

僕は、幼なじみの腕の中で泣いた

変に見られてもいい

それでも、大好きな兄ちゃんがﾀﾋんじゃった事が辛かったんだ

次の日、兄ちゃん達のお葬式があった

たくさんの人が泣いていた

人間は、どれだけ強くても

自然相手には勝てるわけが無い

それでも、大切な人を守る

これが、1番難しい

数年後

俺は、今大学生だ

今日は、兄ちゃんの墓参りに来た

何年間も

兄ちゃんに、心配させまいと思い続けてきた

それでも、大学生になるまでずっと心配してる気がした

兄ちゃんがいた頃の記憶が蘇ってきた

その時

いるはずの無い大好きな人の声が聞こえた

兄ちゃんは、そのまま消えていった

❦ℯꫛᎴ❧