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悪役令嬢に転生して　　　ちゃんと嫌われなので旅をします

第6話 - #5　旅立ち

2025年07月13日

#折伽羅

#オリジナル作品

#悪役令嬢転生モノ

#異世界

#やっぱ作品名なろうだな…(偏見)

葉曖麗奈　不定期

アリルの部屋

アリル・フィラーネ

……………〔目の前にある食事…とは到底呼べない物を見て〕

アリル・フィラーネ

……部屋帰って来たら置いてあるって怖っ………

アリル・フィラーネ

ってかこんなもの置かないで……更に怖いから…………

アリル・フィラーネ

…………〔スプーンで到底食べ物とは思えない物を掬い〕

アリル・フィラーネ

…………い、1回ぐらい…食べてみても良い、よね…？

アリル・フィラーネ

見た目で判断するのな良くないし……〔少し口角を引き攣らせながら、掬った物を口に運ぼうと〕

その瞬間

何処からか飛んできた石にスプーンが弾かれ、アリルの手から落ちる

アリル・フィラーネ

っ！〔石が飛んできた方向…ドアの方を見て〕

ハイライント・エブリダーナ

はぁ………はぁ…………〔息切れしている〕

アリル・フィラーネ

……ハイライント嬢…………〔目を見開き〕

アリル・フィラーネ

ど、どうして…此方に……？

ハイライント・エブリダーナ

………どうしてもこうしてもありません、アリル様〔一礼してから部屋に入って来、アリルの元に歩いて来て〕

ハイライント・エブリダーナ

明らかに可笑しい物を口にするなんて、自殺行為ですよ！〔真剣な眼差しでアリルを見て〕

アリル・フィラーネ

っ……………

ハイライント・エブリダーナ

………やはり、お辛かったんですか？

ハイライント・エブリダーナ

こんな物を口にしてしまう程に………苦しかったんですか？〔段々と涙目になってきて〕

アリル・フィラーネ

っ違………！(誤解だ…！……それにしても…)

アリル・フィラーネ

(なんでこの子は、こんなにも心配しているんだ？)

ハイライント・エブリダーナ

…っ私……此処に相応しく無い事は重々承知していました………

ハイライント・エブリダーナ

だから、貴方の言葉や態度は、正常な態度なんです……

ハイライント・エブリダーナ

確かに…他の方から見れば、酷い仕打ちだったかもしれません………

ハイライント・エブリダーナ

ですが…………

ハイライント・エブリダーナ

こんな事をされる筋合いは、貴女にはありません…っ！〔泣きながらアリルにそう言い〕

アリル・フィラーネ

……ハイライント嬢…………〔少し困った様子で〕

ハイライント・エブリダーナ

だから……っ

ハイライント・エブリダーナ

皆さんが、アリル様を酷く扱うのも………

ハイライント・エブリダーナ

こんな到底食べ物とも呼べない物を出すのも…………違うと思うんです……

ハイライント・エブリダーナ

こんな事して…………前まで私にアリル様がやっていたのより……

ハイライント・エブリダーナ

余っ程駄目な事なのに…………っ〔涙を一生懸命拭いながら〕

アリル・フィラーネ

………………

アリル・フィラーネ

………お気持ちは嬉しいです、ハイライント嬢

アリル・フィラーネ

ですが………やった事の罪は、償わなければならないんですよ〔丁度机の上にあったハンカチでハイライントの涙を拭きながら〕

アリル・フィラーネ

…………だから私は……

アリル・フィラーネ

少し、旅に出る事にします

ハイライント・エブリダーナ

………え…

アリル・フィラーネ

私が居ても……周りを色々と、混乱させるだけなので………〔苦笑〕

ハイライント・エブリダーナ

そ、そんな事っ！

ハイライント・エブリダーナ

だって私は、混乱もしてないですし………

アリル・フィラーネ

貴女みたいにすぐすぐ今を飲み込める者は早々居ませんよ

アリル・フィラーネ

記憶喪失を知っているミール様ならまだしも……他の方々は知りませんし………

アリル・フィラーネ

寧ろウリアル様との再婚の為に奔走していると勘違いされていますし…………

ハイライント・エブリダーナ

……っで、でも……………

アリル・フィラーネ

………ハイライント嬢、貴女はお強い方です

アリル・フィラーネ

これからも、王候補様方と仲良くしていてください〔ハイライントをドアの方まで倒れない様押しながら〕

ハイライント・エブリダーナ

ま、待ってください…！まだ私お話が………

アリル・フィラーネ

……貴女がお優しい人だと知れて、良かったです…〔微笑んでそう言った後、ハイライントを強く押し部屋から出して、すぐドアを閉め鍵を掛ける〕

外からドンドンと叩く音が聞こえてくる

アリル・フィラーネ

…………(…あ、そうだ……本も少し貰っていく事も伝えておこう)

アリル・フィラーネ

……ハイライント嬢、居るのでしたらその儘聞いてください

ドアを叩く音がピタッと止まって

アリル・フィラーネ

図書館の本、数冊貰って行く事、皆さんに伝えておいてください

アリル・フィラーネ

種類等は分かりませんが…

アリル・フィラーネ

恐らく、魔術関連の物や生物等の物だと思うので

・・・

アリル・フィラーネ

………(返事はない……端から期待していなかったが…………)〔ドアから離れ、色々と準備を始め〕

アリル・フィラーネ

(…何か鞄みたいなもの………)〔と周りを見て、丁度良さそうな物を見つける〕

アリル・フィラーネ

(よし、これに本と着替え………派手なものしかねぇなぁ……やっぱ着替えとかは現地調達しよ…………)

アリル・フィラーネ

(あとはお金と………なんだこれ…)〔布で出来てるであろう変な形の物〕

アリル・フィラーネ

………取り敢えず入れるか…って何個とあるなこの布…………〔何となく嫌そうな顔をしながら数個程入れて〕

アリル・フィラーネ

後は……………目立たない服装……だよな………

アリル・フィラーネ

(さっき着替えを見たところ全部派手で目立つし…なんならドレスばっかだし………)

アリル・フィラーネ

…………ん？〔ベッドの下に違和感を持ち〕

アリル・フィラーネ

…………………〔覗き込んで〕

見ると、何か服の様なものがあり、ギリギリ届く位置にある

アリル・フィラーネ

………っ〔それを取り出し、よく見てみる〕

それは目立たない、庶民的な服それと黒と紫の上着と鈴の着いた紫の髪飾り、黒いタッセルイヤリング、サングラスがあった

アリル・フィラーネ

……………………

可笑しい

アリル・フィラーネ

(なんでこんな準備万端なんだ？)

アリル・フィラーネ

(すぐ分かる位置に必要そうな物が置いてあった……財布みたいな袋とか、布の変なやつとか……)

アリル・フィラーネ

(それに…この服は隠す様に置いてあった……手を伸ばしてギリギリ届く位置に………)

アリル・フィラーネ

(まるで、元から逃げようとしていたみたいな＿＿＿)

『助けてっ！』

アリル・フィラーネ

っ！！〔何かに気が付いた様で〕

アリル・フィラーネ

……そうか………あの時の声…………

アリル・フィラーネ

夢かと思ってスルーしてたけど……そういう事か………

アリル・フィラーネ

………アリル・フィラーネ……

アリル・フィラーネ

お前は……助けて欲しかったんだな…

アリル・フィラーネ

…………………〔ドレスを脱ぎ、着替え始め〕

…なんで、逃げたかったのか、助けを求めていたのかは分からない

何故、悪役令嬢してたお前が、助けを求めるのか分からない……

けど…………

アリル・フィラーネ

髪は……これで良いか………〔ふたつに結んだ髪を確認し〕

アリル・フィラーネ

…………(俺が、お前を助けてやる)

アリル・フィラーネ

(悪役令嬢だろうがなんだろうが…助けを求めてんだったら救ってやるよ…！)

アリル・フィラーネ

…………なんか今の、マジでなろうの主人公みたいだったな…〔少し照れ臭そうに笑って〕

コンコン

…アリル様、開けて貰えないでしょうか

アリル・フィラーネ

………ハイライント嬢？どうしてまた…………

アリル・フィラーネ

………(止める様な声色でも無い…)

アリル・フィラーネ

(寧ろ、送り出す様な……)〔ドアに近付き、扉を開け〕

背景へのツッコミは辞めてください

ハイライント・エブリダーナ

………アリル様…〔剣と何かを抱え、扉の前に居て〕

アリル・フィラーネ

………ハイライント嬢…

アリル・フィラーネ

……えーっと…………それは一体…？〔困惑した様子で〕

ライが、アンタにそれ渡したいんやって

アリル・フィラーネ

っ！

ミール・エテーモカ

全く、なんでこんなのにそれを……〔壁に寄り掛かりながら〕

ハイライント・エブリダーナ

ミール様、こんなのではありませんよ

ハイライント・エブリダーナ

アリル様は立派な方です

ミール・エテーモカ

で、でもなライ………此奴はアンタに嫌な事ばっかしてきたんやで？見た事は無かったけど…………

ミール・エテーモカ

…そんな奴に、それを渡すって………流石に一寸神経疑ってまうよ……〔少し心配そうに〕

アリル・フィラーネ

(散々な言われ様だな、アリル・フィラーネ……)

ハイライント・エブリダーナ

それでも、です

ハイライント・エブリダーナ

止める事は出来ないので……

ハイライント・エブリダーナ

何か…餞別に送ってあげようとしても、良いじゃないですか

ミール・エテーモカ

…………ライがそこまで言うんやったら……

ミール・エテーモカ

………おいアンタ

アリル・フィラーネ

っえ、あ、はい！

ミール・エテーモカ

…………ライが此処まで言うとるんや

ミール・エテーモカ

大切に使いや

アリル・フィラーネ

………はい、大切に…使わせてもらいます〔微笑〕

ハイライント・エブリダーナ

ではこれ、どうぞ〔剣と…本を1冊渡し〕

アリル・フィラーネ

ありがとうございます…けど、本はもう……

ハイライント・エブリダーナ

図書館にある本は基本魔術ばかりです

ハイライント・エブリダーナ

なので少し無理を言って、上級魔術を纏めた本を貰っちゃいました〔微笑みながら〕

ハイライント・エブリダーナ

これで貴女の能力も発揮出来ると思いますよ！

アリル・フィラーネ

(なんか凄い事平気でやってるー！逆に怖いんだけどっ！？え！？)

アリル・フィラーネ

(と言うか能力？……そう言えば本で見たような…………)

アリル・フィラーネ

(…取り敢えず、有難いし、お礼は言わなきゃだよな………)

アリル・フィラーネ

……ハイライント嬢、ありがとうございm

ハイライント・エブリダーナ

うぅ……ひっぐ…………〔泣き出して〕

2人

！？！？

アリル・フィラーネ

ハ、ハイライント嬢！？

ミール・エテーモカ

どしたんライ！？急に泣き出して…

ミール・エテーモカ

何処か痛いんか？指切った？！〔何時にも増して過保護〕

アリル・フィラーネ

(贅沢言うけど俺にもその対応で居て欲しかったかなー！ミール様ぁ！)

ハイライント・エブリダーナ

ｸﾞｽ………いえ…怪我した訳では無い……んです…………ひっぐ……

ハイライント・エブリダーナ

唯…少し…………

ハイライント・エブリダーナ

寂しくなるな……って………ｸﾞｽ……

アリル・フィラーネ

……ハイライント嬢………

アリル・フィラーネ

……大丈夫ですよ、時々帰って来ます…

アリル・フィラーネ

…帰ると言っても、もう私の居場所は無さそうですが………〔苦笑〕

ハイライント・エブリダーナ

そ、そんな事………

ミール・エテーモカ

ライ、居場所が無くなるんは事実や

ハイライント・エブリダーナ

ミール様…どうしてです！？

ミール・エテーモカ

………王候補やアンタはまだしも……

ミール・エテーモカ

ウリから婚約破棄されたアリルは…此処を出たらもう他人やから………

ミール・エテーモカ

貴族である以上は関わりあるやろうけど………

ミール・エテーモカ

本人が旅に出るなら、関わりは0に近くなる

ミール・エテーモカ

……だから、此処に居場所は無くなるんや

ハイライント・エブリダーナ

……は、薄情…です………そんな事で…………

ミール・エテーモカ

……ライ………これは凄く大事な事なんや

ミール・エテーモカ

そんな事、で片付く様な問題ちゃうんやで……

ハイライント・エブリダーナ

………………

アリル・フィラーネ

……でも、会いに来ます

アリル・フィラーネ

旅であった事とか、話したいですし〔微笑〕

ハイライント・エブリダーナ

……アリル様…………

ミール・エテーモカ

………はぁー…

ミール・エテーモカ

…まぁ、好きにしたらええんちゃう？

アリル・フィラーネ

……いつも通りの反応ですね…なんか安心

ミール・エテーモカ

おいそれどういう事や

アリル・フィラーネ

いや……完全に蚊帳の外で、悲しそうな顔して話すものですから………

アリル・フィラーネ

普段の対応とのギャップが…………

ミール・エテーモカ

此処ぞとばかりに言ってくれるやないか、おぉん？〔珍しく開眼してアリルを睨み〕

ハイライント・エブリダーナ

ミール様…………

ミール・エテーモカ

……ん゛ん…………

ミール・エテーモカ

……取り敢えずアンタに、これ渡しとくわ〔巻物の様に筒状にされた紙を渡し〕

アリル・フィラーネ

……〔貰って〕………これは？

ミール・エテーモカ

永久的に使える通行許可証みたいなもん

ミール・エテーモカ

来る時それ門番に見せればすんなり通れるから、上手く活用しぃ

アリル・フィラーネ

………………………

アリル・フィラーネ

……え、幻覚見てるのかな………

アリル・フィラーネ

ミール様がとっても優しい……

ミール・エテーモカ

シバくぞ

ハイライント・エブリダーナ

ま、まぁまぁ………

ハイライント・エブリダーナ

………アリル様、私達からはこれまでです

アリル・フィラーネ

………はい、ありがとうございます、ミール様、ハイライント嬢〔笑って〕

城の門前

アリル・フィラーネ

………〔城の方を振り返り〕

アリル・フィラーネ

…………行ってきます…〔歩き出して〕

悪役令嬢に転生して　　　ちゃんと嫌われなので旅をします

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3件

や〜〜ばい主人公とハイライントさんとミールさん好きやわ〜主人公RPG始めに行ったか(( 本当のアリルさんって、逃げたい程苦しかったとしたら、悪役令嬢を演じてたってことになるのかな、？

葉曖麗奈　不定期

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