桃赤
レントリリー
おまけストーリー
ぼーっとした目でスノードームを見つめていると
宝箱の奥にUSBメモリーが入っていた
びっくりして思わず手に取る
自分のパソコンに差し込むと
中にはファイルがあって
一つの動画があった
赤くなった目を擦りながら
恐る恐るクリックした
画面は真っ暗だったが
がちゃんと鈍い音がし
直ぐに悲鳴が聞こえた
俺の
ずっと
ずっと
聞きたかった
あの高い声
きっとカメラを落としたのだろう
どこまでもドジな君に俺は少し微笑む
そして視界が開け
大好きな君が写った
赤
赤
疑うようにこちらを覗く
赤
赤
ブンブンと手を振ると
赤
赤
ふにゃりと笑う君
赤
可愛い咳払いを一つ
赤
赤
赤
赤
赤
赤
すると赤は急に真剣な表情になった
赤
赤
赤
赤
赤
赤
赤
赤
赤
赤
赤
赤
赤
赤
赤
少しショックを受ける俺
赤
赤
赤
赤
赤の微笑んだ瞳から
透明な雫がこぼれる
赤
赤
必死に涙を拭う君を抱きしめることすら
今の俺には出来ない
赤
赤
赤
赤
赤
君は最後に
泣きながら俺に笑いかけた
動画が終わると
俺は無言で部屋を出た
もう迷わない
いまいくからね
風が優しく
俺の髪を揺らした
桃
息を
吸って吐く
それだけの事
するとポケットに入れて置いたスマホが震えた
橙
橙
桃
橙
桃
ぼやぼやした頭で何とか答える
橙
桃
桃
桃
橙
桃
なんか橙が凄い怒ってるような....
まぁ、いいか
俺はスマホをスクロールし
いつものように写真のフォルダをタップした
赤が写っている写真や動画がほとんど
俺はバレンタインの時の動画を開く
「赤さーん?俺の作ったマカロン美味しいですかー?」
「美味し....って撮らないでよっ!」
「赤が最初に撮ってきたんじゃんw」
「むむ....」
「はい、感想感想!」
「....美味しすぎてムカついてます」
「ぶははwww」
桃
橙
桃
ふと顔をあげると
橙が息を切らしながら
立っていた
桃
橙
桃
桃
バチンと鈍い音がして
右頬に痛みがはしった
橙
橙がこんなに怒ったところは
初めて見た
俺は叩かれた頬を思わずさする
橙
桃
橙は赤の事を知っていたのだろうか
橙
橙
橙
橙
桃
怒りながら涙を零す橙
橙
桃
橙
桃
橙
座り込んでる俺に
彼は目線を合わせる
橙
桃
橙
橙
桃
枯らしたはずの涙が
溢れて
俺は泣いた
ねぇ赤
俺も
君と出会ってから
泣いてばっかりだよ
男の子
桃
男の子
俺の担当している小学三年生の男の子は
口をとんがらせる
桃
男の子
男の子は苦虫を噛み潰したような顔をすると渋々頷いた
桃
俺はため息をつくと
ディスクに向き直る
男の子
桃
男の子が急に声をあげディスクの上にある
キラキラした目であるものを指さす
男の子
男の子
桃
桃
俺はそれを手に取り逆さにして見せてやる
キラキラと星が海辺に舞う
男の子
男の子
桃
桃
男の子
顔を輝かせる彼の頭を
俺は優しく撫でた
桃
男の子
青
桃
分厚いカルテを受け取り
俺はパソコンを起動させる
黄
桃
桃
黄
黄先生が笑いながら俺からカルテを半分取る
紫
青
ニコニコ顔でお弁当を抱えた紫先生が入ってくる
黄
青
お弁当をほうぼっていて
青先生があっと声をあげる
青
黄
紫
桃
青
こうやって
また皆で集まるのも
赤がくれた縁なのかもしれないね
赤、
俺、少しは大人になれた?
おまけストーリー
学校のチャイムが鳴り響いて
放課後の教室は
一気に騒がしくなる
黄
青
赤
黄
俺は慌ただしく教科書をバックに詰めると
いつも一緒に帰っている友達の黄ちゃんと青ちゃんにパチンと手を合わせた
赤
黄
赤
青
赤
青ちゃんは慣れた手つきで
グミを俺の手のひらにコロンと転がした
ハロウィンじゃないけど
青ちゃんにこうやって言うと
何故か無言でお菓子をくれる
赤
青ちゃんは満更でもない顔をして
黄ちゃんにもグミをあげながら鼻で笑った
青
赤
黄
黄
青
黄
青
廊下を走っていると後ろから
橙先生が大声をあげる
橙
赤
帰宅ラッシュで混みあっている廊下を
全力疾走で、人を避けながら走る
それはもうチーターになった気分
まだ生徒のいない階段を降りようと思ったら
階段下に人がいるのに気づいて
慌てて急ブレーキをかける
しかし身体は抵抗に耐えられず
真っ逆さまに階段から落ちていく
やばい落ちるっ!
そう思って固く目を閉じ
痛みを覚悟していると
ふわりと暖かいものに包まれた
赤
桃
さっき階段下にいた人が
受け止めてくれたようだ
赤
抱きしめられたままだったので
慌ててその人にお礼を言い
顔をあげると
澄んだ瞳と目が合った
桃
この瞳......
何故か懐かしいような....
その少年も何故か不思議そうに俺の顔を見つめている
お互いハッと我にかえり
俺は彼の腕の中から解放される
桃
桃と名乗る彼が
恥ずかしそうに言った
赤
その瞬間
彼の綺麗な瞳から1粒の涙が零れた
赤
俺も微笑むと
なぜだか涙が溢れた
「久しぶり」
''君''がそう言ったような気がした
ℯ𝓃𝒹....
ああああああああぁぁぁ! 無事連載終わりました!! 没になってごめんねぇぇぇ! ハピエン書いて欲しいっていう人の為に 来世での2人のストーリー書いてみました! どうだったでしょうか? コメントやいいねで沢山応援してくれた皆様! 本当にありがとうございました! これからも どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m
コメント
135件
時差コメ失礼しますm(_ _)m とても感動しました(´;ω;`) 赤くんがきっかけでできた 6人の絆、ほんとに凄いなと 思いました!桃くんと赤くんが 再会できて良かったです( ; ; ) ブクマ失礼しますm(_ _)m
時差コメ失礼します🙇🏻♀️ もうこれでもかってぐらい泣きまくりました🥲小説化いけますよこれ… それと、ぶくつしつです!
初コメ失礼します。最近みぃさんの作品を知って読んだのですが、もう目から涙があふれるくらい素敵な物語でした! ももくんの最後お医者さんになってスノードームのことを語るところが赤のお母さんと同じこと言ってたり桃くん担当の子が赤くんに誕プレをあげて退院出来た男の子に似ていて、赤くんが生きていた頃がなくなってしまった今に映し出されてループしてるの泣きました😭ありがとうございました