3話-男の子-
悠
…ねぇ、
男の子
ッ…う。…ぁ…
悠
…君も、売られてきたの
男の子
…っお、にい…ちゃ、…も…?
悠
……まぁ、…そんなとこ…
男の子
ぼ、く…こわぃ、よ…ッ…
悠
……。君も、なんか力…持ってるの?
男の子
…ぅん、…電気バチッてできる、
悠
…そっか、…すごいね…
男の子
…でも、使ったら…手、いたくなる。
悠
……それは、?
俺は男の子がしていた首輪のようなものを指さした。
男の子
…これ、?…これはね、…
あなたが力を使わないように 制御するものです。
悠
…は、…
男の子
…ぇ、……
特に体に害があるものではありません
ですが、力を使おうとすれば
多少痛みはあります。
すると、檻の壁に穴が開き 食べ物が出てきた。
どうぞ、あなた方のお食事です。
悠
………。
男の子
…ぉいしそ、
毒などは一切入っていません。
安心して食べてください。
あなた方の好きな食事のはずです。
悠
……なんで来た、
…監視です。
食器で自殺を図る方がいるかもしれませんからね。
勝手に死なれては困ります。
俺は恐る恐る、食事に手を出した。
温かくて、味も美味しかった。
美味しいでしょう。
俺はお腹がすいていたため 全て食べきってしまった。
男の子
…ぉいし、かった…
悠
……。
それでは、会話でも楽しんで。
男の子
……ねぇ、お兄ちゃん…
悠
…なに、?
男の子
…お兄ちゃんは、なんの力もってるの
悠
……さ、再生…能力…、
男の子
…なにそれ、?
悠
…怪我したり、病気になっても
悠
すぐ、…治る…
悠
……、怖い…よね、…笑
いつもは、この話をすると 怖がられることがほとんどだった。
男の子
…すごい!
悠
……ぇ、?
でも、この子は違った。
男の子
かっこいい!
悠
…ッ…あ、ありがと……
俺は初めてこの子が笑う顔を見た。
街の灯りのように、 キラキラした笑顔だった。
男の子
ねぇ、お兄ちゃん…!
悠
…ん、?
男の子
お兄ちゃんの名前、なんて言うの?
悠
…悠、…
男の子
…ぼくと一緒だ、
悠
…ぇ、?
男の子
ぼくの名前も、ゆうって言うんだよ
悠
……ほんとだ、そこに書いてあるね
檻のすぐ横の柱に、 「白沢 優」と書いてあった。
悠
おそろい
男の子
おそろーい!
話しているうちに、眠くなり ベッドに寝転がって眠りについた。
ッぁ"、……あ"。…
悠さん。
起きてください。
悠
……ッ…ん、…
おはようございます。
親御さん方が貴方と話をしたいと。
来てください。
悠
……ぉや、…
悠
…。
こいつはもう無理だなー、
お前が初日からすっ飛ばすからだろ。
小さいのにこんなに負荷、 耐えられるわけない…
奥の部屋からそんな話が聞こえてきた。
悠
……ぁ、…の…
悠
…ゅう、くんは……
こちらへどうぞ。







