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高台から城へ戻る途中だった。 夕暮れが街を橙色に染める。
金豚きょーが屋台で買った串をかじり、 みどりは静かに周囲を警戒し、 らっだぁは石畳の縁を歩いている。
突然
らっだぁ
鼻歌。 最初は小さく。 やがて、はっきりとした旋律になる。
聞き慣れない節回し。 どこか異国の響き。 らっだぁが歌い出す。
らっだぁ
足取りは軽い。
らっだぁ
金豚きょーが串を止める。
金豚きょー
みどりが眉をひそめる。 らっだぁは構わず続ける。
らっだぁ
青鬼の影が、彼の足元で揺れる。
らっだぁ
風が吹く。 夕日が揺れる。 しばらく沈黙。
金豚きょー
金豚きょーが先に口を開いた。 らっだぁは肩をすくめる。
らっだぁ
金豚きょー
らっだぁ
みどりが静かに言う。
みどり
らっだぁ
らっだぁは笑う。
らっだぁ
金豚きょーが不満そうに唸る。
みどり
みどり
みどりが低く呟く。
一瞬。 三人の視線が交わる。 火。
この国の、燃える未来。 だが。 らっだぁは軽い調子のままだ。
らっだぁ
さらっと言う。 金豚きょーが即座に返す。
金豚きょー
みどりも小さく頷く。 らっだぁはくるりと振り向く。
らっだぁ
金豚きょー
金豚きょーが反射的に言う。 だが、していた。 予言のことは、らっだぁにも話してある。
この国はいずれ炎に包まれる。 それを止めるために、王は嘘をつき続ける。
らっだぁはその全てを知っている。 だからこそ。 今の歌は、どこか引っかかる。
みどり
みどり
らっだぁは少し考えるふりをする。
らっだぁ
金豚きょー
金豚きょーが顔をしかめる。
らっだぁ
らっだぁは指を折る。
らっだぁ
夕日が、彼の横顔を赤く染める。
らっだぁ
ぽつりと繰り返す。 みどりの目が細くなる。
みどり
らっだぁ
らっだぁはあっさり言う。
みどり
らっだぁ
また、それだ。 金豚きょーが頭をかく。
金豚きょー
らっだぁ
らっだぁは笑う。
らっだぁ
金豚きょー
らっだぁ
それ以上は語らない。 三人はしばらく黙って歩く。 夕焼けが濃くなる。
城の塔の炎が小さく灯る。 らっだぁは、ふと足を止める。
らっだぁ
金豚きょー
きょーが振り向く。
らっだぁ
らっだぁの声は軽い。 けれど、ほんの少しだけ低い。
らっだぁ
みどり
らっだぁ
風が強くなる。 沈黙。 金豚きょーが口を開く。
金豚きょー
みどり
みどりも言う。 らっだぁは数秒、二人を見る。 そして。
らっだぁ
小さく笑う。 青鬼の影が、わずかに揺れる。 その目は、城の方を向いている。
執務室の灯り。 王は今も、完璧な顔で座っている。 らっだぁは歌の続きを口ずさむ。
らっだぁ
金豚きょーが顔をしかめる。
金豚きょー
らっだぁ
金豚きょー
笑いがこぼれる。 みどりもわずかに息を吐く。
だが。 三人とも、歌の本当の意味はわからない。 それが、この国を指していないことも。 ただの異国の物語だと、らっだぁは言う。
実際、その通りだ。 これは別の国の歌。 優しい裏切り者が、最後にどうなったのかも。
この国とは関係ない。
けれど。 らっだぁは知っている。 この国の未来。
炎。 嘘。 演技。
全部知っている。 それでも、今は何も言わない。
金豚きょー
らっだぁは首を振る。
らっだぁ
金豚きょー
らっだぁ
夕焼けが沈む。 城の影が長く伸びる。 三人は並んで歩く。
光。 影。 青。 その背後で、塔の炎が小さく揺れた。
歌の意味はわからない。 だが、胸の奥に小さな違和感だけが残る。 らっだぁは笑う。
らっだぁ
金豚きょーが即答する。
金豚きょー
みどり
みどりが呆れる。
笑い声が夜に溶ける。 炎はまだ、灯っていない。 けれど歌は、どこかで静かに続いている。
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