レイ
……やっと揃ったね
ユウト
……っ(うなずく)
ユウトは舌を切り落とされもうまともに喋ることは出来ない。 アイナは目を潰され、耳を焼かれ、声帯すら失っている。
レイ
君たちがぼくにしたこと忘れたとは言わせないよ
ユウト
……っ!(目を逸らす)
レイ
給食にゴミ。気持ち悪いって囁きながら笑ってたよね、アイナ
アイナは微かに震えている。聞こえているのか、それすらわからない。
レイ
もう感覚も残りわずかだろうけど、孤独だけは最後まで味わってもらうよ
レイが開いたのは音も光も遮断された密室空間。 二人の檻だった。
レイ
昔は君たちが僕を閉じ込めた。今度は君たちの番だ。
ユウト
(首を振る。必死に涙をこらえる)
アイナ
……(かすれた呼吸音)
レイが鉄の扉を閉じる。 音が、光が、すべてを奪われる空間にふたりきり。
アイナ
(……ユウト……いるの……?)
声にならない。喉が焼けて、ただ空気が擦れるだけ
ユウト
……っ(アイナの方へ手を伸ばす)
指先が触れる。その瞬間、アイナの身体がピクりと跳ねる。
アイナ
っ……!!!(アイナは反射的に身体を離す)
暗闇の中で、生き残った感覚だけがふたりを引き裂いていく。 共にいながら、永遠に孤独な“共犯の檻”。
レイ
最後の授業は終わったよ。でも、この教室に鐘が鳴ることはもう二度とない(遠ざかる声)
レイ
くだらないいじめでここまで恨みを持って復讐する人もいるんだ。君たち二人は今までしてきたこと永遠に後悔してろ