気になるだけ

古森に背を向け歩き出す 今日は一段と寒い

トイレから戻ってくると体育館前の小さな階段に座ってぐーすか寝ている女と、その膝の上にいるネコ

ネコは俺をじっと見つめたあと興味を無くしたのか寝始める

《普通》

この前からなんなのか 目の前にいるのは、あの女だった

そうだった。 こいつには俺の普通が一個も当てはまった事がない。現に今もそうだ 一歩一歩近づいて見下ろす ネコが起きて俺を見るとあからさまに威嚇モード

よほど警戒されているのか、ネコが足をﾀﾞﾝｯとして女の太もも踏む。その揺れに「へっ!?」と目を開けた

第一声がそれか 　 まだ半開きの目を擦って今の状況を確認するように周りを見渡し、膝の上を見るとネコを撫でた

撫でられて満足そうなネコは、真っ白な毛並み。撫でてる張本人の腕も陶器のように白い

とくすりと笑った。笑われたことにカチンときて覗き込む

あの時と同じ、大きな目に俺が映り込んでいた