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プ ロ ロ ー グ
N a _ .
U r _ .
唐突な質問だった。
彼女は少しだけ含んだ笑みで、黒板消しを持ったまま近づいてきた。
N a _ .
小悪魔的に口角を上げ、訊いてくる
U r _ .
N a _ .
U r _ .
U r _ .
N a _ .
"保守的なんですね"と言った言葉に、 ガッカリされた気がしたので失敗したと 俺は内心後悔した。
あの日の、あの瞬間の、あの教室には、 檸檬(れもん)のような柑橘(かんきん)系 の甘酸っぱい香りが漂っていた。
今でも好きな匂いだ。
2024年9月18日
外科病棟で、働き始めて2年がたった今でも何となく落ち着かない。 その原因は鉄筋コンクリートの白い壁に熱を 感じないからだ。
無機質で不変的な冷たい造形物は、 何らかの意味を持ってそこに存在する。
ここで芽吹く命や逆に途切れる糸は、まるで生命のリレーのようだ。
そのリレーは人間が決して抗う事ができない。
その事実は頭では深く理解している。
だけど.....少しでもその後(つい)に抗うべく、 頭ではなく心が先に動いてしまう。
「それが俺らしくていいんだ」と、勝手に 俺自身は思っている。
患 者
触診の手を止め、質問者の方に顔を見上げた。
U r _ .
パジャマ姿に白髪交じりの無精髪。 クシャッとした年季の入った笑顔がパッと明るく弾けた。 医者も患者も退院を告げる瞬間がお互いにとって一番ハッピーであることは間違いない。
笑顔に対抗するように俺なりの最大の笑顔で返した。
そのときふと目線を移した先に、村山さんが借りているテレビから流れる女性アナウンサーの映像と音声に意識が吸い込まれた。
ア ナ ウ ン サ ー
今年のストロベリームーンも9月18日..... こんな偶然ってあるんだな.....。
患 者
U r _ .
患 者
患 者
看 護 師
看護師長が針を刺す
U r _ .
患 者
U r _ .
病室の出口で、
患 者
自分が名医のように話す村山さんにクスッとしながら、俺は一礼して病室を後にした。
次回 → 第1話 ♡50
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