私
わ、キレー…
私が見入るように見ているのは 巨大な水槽の中をゆうゆうと泳いでいる
様々な魚達
赤や黄色、青や灰色など 魚の色は色彩豊かで 薄暗い部屋を彩っている
彼
喜んでもらえたようで良かったよ
優しく微笑む彼は、まるで王子様のようだ
「ね、あの人めっちゃかっこよくない!?」
「うわ、やばぁ…」
「もはや、アイドルじゃない…?」
「隣にいるのって彼女?」
「いや、釣り合わなすぎw」
そんな声が全体を飛び交う
やっぱ、モテるなぁ…
心の中で呟いた
彼
大丈夫?
心配そうに見つめる彼。
私
大丈夫だよ?
私は優しく微笑みかけ、 水槽の方へと目を移す
気を紛らわそうと水槽を見たものの 複雑な気持ちは晴れず、 少し俯いた
彼
ねぇ、外野の声なんて気にしないでよ?
彼
見せつけちゃえばいいじゃん?
私
え…?
気付くと彼の国宝級の顔が 私に迫る
これはキス?
やばい、どうしよ
私のファーストキスっ!!
このお方に捧げようっ!!
私
…っはぁ
私
夢かぁ…
私
クソおおおおおお!!
私
なんで夢なのぉ…っ!?
私
あのイケメンさんに私のファーストキスを
私
捧げたかったよおおお
という私の叫びは届かず
朝を迎えた
窓には雀のさえずりと綺麗な桜が咲いている
私
はぁ…雀ちゃん
私
私を慰めてぇ…
気分は下げ下げ⤵︎⤵︎⤵︎
私は重い体を起こして 部屋を後にした







