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『人生は「花」そのものなのではないでしょうか?』この言葉にとっても感動しました😭 ほんとに尊いしすごいし天才過ぎます…!!
うわあぁ、涙目になっちゃいましたぁ、😭 みくさん本当に流石すぎます😭😭 花言葉も桃青も恋も全部入れれるのまじで凄すぎるしめっちゃ憧れます🫣💭 この作品大好きです!何回も見させていただきます🥹✨
みくさんのお話が良すぎてめっちゃ泣きました😭
みく
みく
みく
みく
みく
みく
みく
春が彩った花壇。
一際目立つのが、一生懸命育ててきた白色のチューリップ。
ふわっといい香りに包まれる。
それは
その花が帯びる
春の香り___。
その美しさは、残酷だから____
3年生が始まったばかり
数ヶ月前 ある春の日
早朝
学校の中庭
彩られた花壇を前に、それに負けないくらい 華やかに微笑む彼。
青
桃
桃
風になびいて、揺れる髪。
それはもう、一つの花のように見えた。
青
桃
桃
幼なじみ。
家族ぐるみの付き合い。
桃
青
青
中庭の花壇
色とりどりに咲く花々
青
青
1番目立って咲くのは
白色のチューリップ
桃
青
一緒に笑うように
そのチューリップも揺れていた
桃
君がぽつりと花を眺めながら言う
青
不意打ちで
ちょっと震えた声
桃
桃
青
もう終わってしまうような言い方
青
桃
桃
そうだった
いきなり現実に引き戻される
青
桃
桃
青
遠く思える未来
気付けば1年を切っていたらしい
桃
青
ずるいよね
我ながらあざとくはにかんで笑みを返した
そんな甘い香りを帯びた
春の日
青
そんな温かさを忘れた冬
冬だから、当たり前だけど
枯れ果てた花壇
早くに沈んだ日が
余計僕を1人にする
僕の隣に君は居ないんだ
僕が勝手に初めて
勝手に終わらせた恋なのに
だから、1年半前__
2年の頃の春
早朝から登校してやろうって謎のノリで 君が早くから僕んちに来て、誘ってきたっけ
青
桃
青
何て呆れるけど
青
桃
2年生が始まってすぐ
春の朝を君と歩いた
朝の校舎を二人占め
桃
青
春だけどほんの少しだけ寒さがあって
生暖かい、そんな感じだったっけ
青
ふと、目にとまった
花壇
春のくせに、全然色付いてなくて
種が植えられていないって雰囲気でもない
青
誘われるように花壇の方へ歩いて
眺める
桃
君が呼ぶ声が聞こえたけど、何故か遠く感じた
桃
青
育てられるわけじゃなくて、ただただ植えられただけの種
花開く未来なんてないのかなって
桃
青
桃
桃
青
忘れられた、か。
青
桃
青
桃
まぁ、悪い気はしなかったよね。
青
桃
約1年半前
変なノリで始まった成長日記
青
桃
毎朝早くに登校して
青
青
君とならしんどくなかったよ
桃
青
青
桃
その頃は夏、か。
青
青
意味わかんない水遊びなんか始まって
桃
青
早朝だからバレないよねって
2人っきりの特別な時間
桃
桃
青
桃
一つの忘れられた花から始まった
僕の恋は既に咲いていた
肌寒くなってきた秋の朝
青
桃
青
手馴れた手つき
もう日常
吐息が白くなる冬の朝
青
桃
青
桃
青
ちょっとドキって心臓が跳ねた
楽しいけど、なんか切ない
そんな感覚
青
桃
青
ちょっと彼が寒くないのか心配になる
青
桃
嘘だって、すぐに気付いたけど
青
桃
青
君の匂いに包まれてしまうから
鼓動で心臓が壊れてしまいそうだからなんて
言えない
青
早朝に登校するのだって
君と一緒だからやってる事だった
次第に花壇への愛着も湧きつつはあるけど。
花開く日が待ち遠しい
そんな無茶苦茶な成長日記
桃
あんな夢みたいな時間も終わる
気付けば〝受験生〟なんて立場を押し付けられてた
帰り支度を済ませ
人が減り切った放課後の廊下
先生
先生
青
君の名前に反射的に反応した自分がなんか憎たらしい
職員室前廊下 職員室から聞こえる君と先生との会話
青
桃
先生
桃
成績優秀
僕とは違って
青
受験生なんて窮屈で息苦しいったらありゃしない
君は高偏差値校_遠くへ行ってしまいそうで怖い
ぎゅうっと手を握りしめた
桃
青
至近距離で見えた君の顔に動揺して びくりと身を震わせた
青
桃
桃
青
いつも通りに笑い合うけど
自分の笑いが少しぎこちないのに気付く
彼もそれに気づいたのか心配そうな声色で言葉を発した
桃
青
青
青
桃
自覚してなかったはずなのに
図星を突かれたような感覚
青
先生
先生
青
桃
桃
受験なんて大っ嫌い
いやでも意識しないといけないことだから
青
先生
分かってた
先生
先生
俯いて足元を見て
青
上なんて向けないまま
志望校なんて、3年生なんだからそりゃあある。
苺ヶ丘大学_
この県で圧倒的1位の偏差値を誇る大学。
僕は桃くんほど成績がいいわけじゃないから
志望校を明かしてもどうせ 無謀だって思われる
わかってる 無謀だよ。
青
先生
青
先生
先生
先生
分かってるのに
受験生だからね
青
今はただ 謝ることしか出来ないんだ
青
少し自分を落ち着かせたかったから
中庭のベンチに1人
散りそうな花が咲く花壇を見つめる
そっか
夏の気配がすぐそこに
梅雨が明けて蒸し暑くなってくる
初夏
桃
青
桃
青
明らかに不服そうな態度を取ってしまう自分が嫌
桃
言いにくそうに発せられた言葉
青
桃
心做しか優しい声色でそう言った
青
青
青
桃
君は言葉を選ぶように
そう言った
桃
青
桃
桃
どうしようもなく事実だった
もがくしかない
青
掠れた声で漏れ出てしまった弱音
弱音なんか吐いてる場合じゃないのにさ
ずっと
前なんて向きたくない
桃
青
桃
桃
青
思い切り肩組んで
わざとらしく明るく言った
そのまんま僕の肩に回した腕をぎゅうっと力を入れた
青
青
桃
すっかり取り戻しちゃった本調子
ぎゃあぎゃあ騒ぎながらいずれ爆笑に辿り着く
なんやかんややって疲れて
ふっと落ち着いた雰囲気に戻る
花壇に咲く1輪の白色のチューリップ
ひらりと花弁が1枚、風に散る
青
青
桃
青
君が淡々と言ってしまうから
余計切なく見えて
ただ痛む胸
咲いたらいつか散る
まぁ、当たり前か
桃
青
急すぎる恋バナ
動揺で漏れ出た変な声
青
桃
青
内心焦った
どう答えればいいか
桃
桃
青
自分でも訳分からなく聞き返す
桃
桃
青
いや やっぱ聞きたくない
青
桃
〝好き〟なのに
桃
青
青
桃
変に真剣な彼
そんな眼差しで見つめられて 言葉が詰まる
桃
桃
青
それが___君だとしても?
青
桃
興味を示したように
そう言った
ひらりと花弁がまた1枚散る
そんなチューリップに急かされて
青
枯れてしまう前に
青
この恋を咲かせたくて
桃
長い沈黙 ___言うて数秒だけど
その数秒に沢山の感情が行き交う
ただ 答えを待つだけ
桃
その
答えはさ
桃
僕の花を枯らす乾きを持つ
青
青
青
桃
青
謝ってばっかだよ
先生にも、君にも
青
桃
また1枚
完全に散り果てたチューリップ
─青 部屋
バタンッ
青
青
意味わかんないくらい泣きじゃくった
人生初の失恋の日
その日 もう今日で恋なんてやめようって
全部忘れようとした
恋愛なんかにうつつを抜かしている場合じゃなかったから
君を忘れようと吹っ切ったとなると
頭に残るのは受験の事だけ
狂ったように勉強しまくって
それでも志望校はまだ無謀だって
だからさ
壊れるまで努力する
君とは一切話さなくなった
それでも
先生
先生
桃
青
「へぇぇ、桃すごー!」
「俺に勉強教えてくれええ...!!」
君は僕より綺麗に咲いてる
青
__ザシュッ。
クラスメイト
桃
軽快に飛んで投げ入れたボール
見事にゴールに命中
クラスメイト
クラスメイト
青
向こう側のコートでは
君がまた咲いている
青
対して
僕は背伸びばっかだな
光すら浴びれてないのに
桃
あいつは最近 ずっと自分の机とにらめっこ
だけど 無理しているような素振りは一切無し
勉強だって 運動だって
あいつが死ぬほど努力してるのは分かってて
対して俺は_何してるんだろう。
先生
桃
先生
先生
桃
言ったんだ その事
先生
桃
先生
桃
先生
いつかあいつの努力が咲くようにって
願ってるよ
先生
先生
桃
先生
桃
先生
そりゃそうだ
躊躇いなく頷いた
先生
桃
そうだ
あいつには無謀だったって 背伸びしたって報われて欲しい
桃
無茶苦茶に頭を下げて縋った
あいつの努力が枯れないように
自分なりに照らした
__推薦入試 合否発表の日
青
憧れの校舎
受験番号を探す
青
目で辿る
受験番号
50、51──53と近付く番号
青
青
「─推薦入試で大学を受けないか?」
青
青
でも
推薦入試で落ちても一般入試がある
確かにまだチャンスは存在した
青
泣いて喜ぶ人や肩を落とす人
この場は様々な感情が存在していて
その一つ──
青
桃
君の姿
僕には気づいていないよう
青
青
あーあ。
諦めちゃおっかな、ここ。
青
青
先生
先生は
次の言葉が分かってたっぽい
青
先生
推薦入試ってさ
自分の限界を知ることが出来る
青
青
青
青
先生
先生
先生
先生
青
先生
青
超お人好し
でも僕
そんな君が好きだ
先生
先生
先生
青
青
試験官
試験官
青
やっぱり僕はさ
君がいないと
青
僕は満たされないっぽい
━━ ━━ 560 ━━
青
青
こんな僕でも咲けるんだなって
恋の花は──どうだろう
もう、枯れてしまった─?
青
とある人に電話をかける
プルルルル___
青
青
ピロンッ
青
青
「......もしもし」
青
桃
青
今まで話してこなかったのもあるのか 互いに素っ気ない態度
まぁ、仕方ないっか。
ただの友達だと思ってた人に恋されてるなんて、気持ち悪いよね
青
青
桃
青
瞬発的に「ごめん」って言葉ばっか出てくる
ただそれだけ 会話は続かない
桃
青
青
プツッ
青
青
周りには落ちて泣き崩れる人だって居たから 別に僕自身の涙は浮いてなんかない
受かったのだって嬉しかったし
それだけで胸いっぱい
青
まだやる事があったから 行動に移すしかない
青
「───青ーッ!!」
青
桃
僕の目に映ったのは彼の姿
肩で息をしている姿に思わず手を差し伸ばしそうになった
青
青
零れた涙なんて正直どうでも良くて
視線の先に居る大切な人が異様なほどに懐かしい
目の前でそんなに泣かれちゃ困るよね
君が微かに僕の名前を呟いたのが聞こえた
桃
青
桃
すっと一瞬言葉を飲み込むように黙り込んだ
桃
青
桃
どこか前の優しさを感じる手つきで
弱く僕の手を握って歩いた
青
僕は
そんな君に従順になるしかなかった
桃
そこは
僕らの学校の中庭を想像させる、そんな似た中庭だった
青
桃
青
かつての君との日々を思い出してしまって
青
懐かしさで胸が痛い
ベンチにそっと2人で座って
少し続いた沈黙
桃
桃
ただ溢れる僕の涙に触れることなくそう話す
桃
桃
青
視線を落として切なそうな横顔
見てて痛いだけ
桃
桃
桃
震えた声を放っていた
桃
桃
珍しい君の涙
桃
桃
絶対にこっちを見ようとしない
ねえ
なんで
青
ぎゅうっと掴んでみた手
桃
絶対離したくないよ
青
青
いい加減
止まってよ、涙。
必死に涙を抑えようとするけど全部無駄で
僕の手は必死に君を掴んでる
桃
青
桃
青
ぎゅうっと抱きしめられて伝わる君の温度
伝わってしまう僕の鼓動
桃
君の顔は見えなくて
泣いてるかなんて分からなかった
青
青
青
好きだって
この気持ちはいつだって薄れなかった
桃
青
桃
花壇___
何となくその響きに懐かしさを感じながら従って花壇を見てみた
青
青
沢山咲き誇るチューリップ
それは眩しいほどの白さを持っていた
桃
青
入学したら
また変わらずこの花を眺めてたい
青
___君と。
桃
青
ぽんっと頭に手を乗せながら
にこっと笑む君。
桃
桃
青
花が1度散ってしまうのは
次咲くための準備であって
散って咲けない間もその日のために必死だ
青
1度散った僕の恋も
桃
青
本当はずっと諦めてなかった
桃
青
だから
今 可憐に
花開く___。
白いチューリップの花言葉__「失恋」
__「待ちわびて。」
みく
みく
みく
みく
みく
みく
みく
みく
みく
みく
みく
みく
みく
みく
みく
みく
みく
みく
みく
みく
みく
みく
「失恋」
「待ちわびて」
みく
みく
みく
みく
みく
みく
みく
ご拝読ありがとうございました🍀𓂃𓈒𓏸︎︎︎︎