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鳥かごの「中」の君へ
桃
茈
える
える
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える
放課後、空はもう少しで夕焼けに染まるはずだった。
けれど、雲は重く垂れ込めていて、街はやけに静かだった。
らんは、駅から離れた裏路地を通って帰っていた。
少し遠回りの道。でも、この道を選ぶのは、最近の習慣になっていた。
理由は――あの、硝子ような目をした子に、また会える気がしていたから。
桃
段ボール箱の陰。 学校の制服ではない、薄汚れたパーカーに身を包んだ子が うずくまっていた。
顔は伏せたまま、両膝を抱えて、 まるで呼吸さえも止まってしまいそうなほど、静かだった。
らんは、歩みを止めた。
桃
こくん、と小さく首が動いた。
それだけで、らんは心のどこかを強く掴まれる感覚がした。
その子は名前を言わなかった。 年齢も、どうしてこんなところにいるのかも。
でも、少しずつ、すこしずつ、 らんの前では目を合わせるようになってきた。
桃
その言葉に、少年は一瞬だけ目を見開いた。 怖がるように、でも、なにかを確かめるように、らんの顔を見て――そしてまた、俯いた。
茈
そう言った声は、まるで壊れそうなガラスのようだった。 らんはそっとしゃがみ込み、少年の膝に手を置いた。
桃
そのまま、少年の身体をそっと抱きしめた。
細くて、痩せていて、 でも温かい体温が、ちゃんとそこにあった。
その日、らんは少年を家に連れて帰った。
――彼の名前は、いるま。 そして、この出会いが、ぼくたちの運命を変えた。
コメント
3件
待って好きっ(( てか出身小樽なんですけどよっしゃ☆(
主様お疲れ様です✨️💜くんを助ける🩷くんかっこよすぎます✨️続き楽しみです✨️無理しない程度に投稿頑張ってください