Iris子育て総集編

トイレ

いむくんはここ何ヶ月かずっと謎の気持ち悪さに襲われている｡ 俺もいむくんも原因が分かんない｡

いむくんのこの体調不良､良くなるどころか むしろどんどん悪化してってる気さえする｡ こう何ヶ月もこの調子やとさすがに心配になってくる｡

病院

一応覚悟はしとった｡ 何と診断されようと､俺はいむくんの傍を離れない､ずっと隣におる｡そんでずっといむくんを支えようと思っとった｡

お医者さんに言われたのは衝撃のひと言やった おめでとうございます､､？ よう分からへんかったけど､その後の先生の 言葉で今までの事が全て分かった､繋がった｡

ｶﾞﾗｶﾞﾗ…ﾊﾞﾀﾝｯ…(いむしょー退室)

そっからいむくんは辛かった妊娠初期､悪阻､ 後期悪阻を乗り越え､赤ちゃんの人数も分かり､予定日までは残り2日となった｡

2時間後

いむくんに陣痛が来てしまった｡ 何もかも始めてで､いきなりやったから､ 何も準備出来て無いし､焦り散らしてた

普段はこんな事を言わない､弱音を吐かない いむくんが､今俺に居なくならないでと言った｡ 普段言わない事を言ってるとこを見ると､ ほんまに辛いんやなって思う｡

出産､陣痛で苦しんでるいむくんを見るのは 妊娠が発覚してからずっと覚悟はしてた｡ やからきっと大丈夫やろうと思っとった｡ やけど実際に見るとそんな甘くないんやなと 改めて思った｡ 出産､陣痛の時､父親は何も出来ひんって言われとるけどほんまに何も出来ひん｡ ただ隣でずっと腰をさすったり､手を握ってあげたり､声をかけてあげるくらいしか出来ひんかった｡

実際ほんまに俺の手は有り得んくらい 真っ赤になっとった｡ いむくんにはああ言ったけど､ほんまは 結構どころやないくらい痛かった｡ それこそ俺の手がいつか折れるんやないかってくらいに｡

3時間後

病院

病院に着いてから3時間｡間隔的には10分である さっき診てもらった時は､まだ6cm｡10cmまでは後4cm｡先生に長くなると思うって言われた｡ いむくんの体力も精神的にも限界が少しずつ 近付いてきとる｡

3つ子やから､1人よりも陣痛が痛いらしく､ ずっと叫んでるいむくん｡涙も止まらないくらいに痛みが増してきとる｡ 痛いのが嫌いないむくんからしたら 陣痛の辛さ､痛さは地獄のようなもんやろ… 痛みに耐えようとして握られてる俺の手からも陣痛の辛さが伝わってくる｡

いむくんに辞めたいと言われた時､俺は… 何て返すのが正解か分からへんかった｡ ただ大丈夫､大丈夫､頑張ろうなしか言えへん｡ こんな無責任な事言っとる俺って最低やん… いむくんの辛さ…何も分からへんのに… いむくんはもう､とうに限界を迎えとるんや｡

いむくんの口から､普段とは全く違う叫び声が上がる｡ 声が枯れるんやないか､喉が潰れるんやないかってくらいにいむくんは叫んどった｡

いむくんが…俺の傍からおらんくなるんやないかって不安が何度も頭をよぎる｡ 普段なら普通に意識しなくても呼べる ‘’いむくん‘’ が喉にでっかい石みたいになって､すんなり俺の口から出えへんかった｡

実はね､僕気付いてるんだ！何にって？ それはね､僕が陣痛で叫んだり､泣いたりしてたら､しょーちゃんが僕の隣で泣きそうになってたり､何かは分かんないけど､しょーちゃんが不安になってるのも､僕の名前がすんなりと出てきてないのも全部気付いてるんだ！ だから僕は､陣痛が来てない時くらいは､しょーちゃんに笑ってて欲しいし､明るくいて欲しいから､陣痛が来てない時はしょーちゃんに話しかけてあげて､笑わせてあげたりしようって思ったんだ！ 陣痛の時は仕方ないから泣かせちゃうかもしれないけどその時は許してね！

陣痛が来てない間は俺に話しかけてくれて笑わせてくれるいむくん｡ きっといむくんは気づいとるんやろう｡ 俺がいむくんに陣痛が来とる間に泣きそうになってたり､不安になってたり､いむくんの名前がすんなりと俺の口から出てきとらんのも｡ やからこうして陣痛が来てない間は俺に話しかけてくれて笑わせてくれるんやろう｡ 俺は少しでもいむくんのこの笑顔が､話し声が､明るさが長く続けばええのになって思っとるけど､陣痛はそこまで甘くない｡ 俺の願いなんか通じん｡容赦なくいむくんを襲う陣痛の波｡

いむくんに言っとるはずの「大丈夫やから」が俺自身に言うとる気がした｡ いむくんを心配させないように泣くの耐えてたのに泣いてしまった｡

そして俺はなぁーにを言うとるんやろ｡ 何の根拠も無いんに大丈夫､大丈夫って… 言うとる事無責任すぎて､最低やろ…俺…

ｸﾞｸﾞｸﾞｯ

ﾊﾟﾁﾝｯ…ﾊﾞｼｬｰ!

ｺﾝฅ^•ﻌ•^ฅｺﾝｸﾏｧｧ(｢🧸･ω･)｢🧸 (ドア~直れ~)

ｶﾞﾁｬ[□＼(゜∀゜)ｺﾝﾆﾁ...( ( 殴うりゃぁぁぁ！

移動した部屋

ｽﾞｽﾞｽﾞｯ…

ｽﾞｽﾞｽﾞｯ

ｸﾞｸﾞｯｽﾞｽﾞｯ…

ふやぁ､っ､んにゃあ､っ！

ｸﾞｸﾞｸﾞｯ

ﾋﾟ-ﾋﾟｰﾋﾟｰﾋﾟ！(機械音)

やだ…やだやだやだ…いむくん…いむくんが… いむくんが…居なくなってしまうかも… やだ…そんなの…絶対…やだ…やだやだやだ…！

ｸﾞｸﾞｸﾞｯｽﾞﾙｯ…

ｽﾞｽﾞｽﾞｯ…ｽﾞﾙｯ

ｽﾞｽﾞｽﾞｯ…

ｸﾞｸﾞｯｽﾞｽﾞｽﾞｯ…

んにゃあ､っふぎゃぁぁ､っ！

んにゃあ､っふにゃぁ､っ

ｸﾞｸﾞｸﾞｯｽﾞﾙｯ

ｽﾞﾙｯ…ｽﾞｽﾞｯ

ｽﾞｽﾞｯ…ｽﾞｽﾞｽﾞｯ

ｽﾞｽﾞｽﾞｽﾞｯ…

んにゃあ､っふやぁぁ､っ！

そして｡3つ子が生まれて1週間｡

1人目の女の子には 奏でる空と書いて‘’奏空‘’(そら)と名付けました｡

そして2人目の女の子には､ 奏でる歌と書いて‘’奏歌‘’(そうか)と名付けました

そして､我が家の唯一の男の子には 奏でる心と書いて‘’奏心‘’(かなと)と名付けました｡

1人が泣いたらもう1人泣いてしまうと多胎児ならではの事も僕達2人､とても楽しみながら育児をしてます｡

俺達2人の宝物のこれからの成長が とても楽しみです｡ 何もかも初めてでよく分かんない事も沢山あるけど､いむくんと2人､支え合いながら3つの宝物を大事に､大切に育てたいなと思います｡