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【橙紫】 記憶喪失?

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【橙紫】 記憶喪失?

1 - 【橙紫】 記憶喪失?

♥

204

2022年02月06日

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jel

…………う"……

jel

ここは………どこや…?

俺は真っ白な部屋に居た。

ここ……病院?

jel

……………………あれ…?

jel

俺って誰や………?

思い出そうとするが、何も覚えていない。

自分のことを忘れていた。

これって記憶喪失ってやつか…?

だとしたら何があって今に至る…?

ダメだ…思い出せへん……

本当なら歩き回って病院内を探索したいところだが、

足の骨が折れているのか

ベッドから動けない。

声も上手く出ないから誰かを呼ぶことも出来ない。

困ったな…

nanamori

………………

nanamori

あの~……………

nanamori

ジェルくん…?

jel

じぇ…る…?

jel

jel

もしかしてそれが俺の名前!?

nanamori

え、うん…

nanamori

そう、だけど…

nanamori

…ジェルくん、自分のこと

nanamori

覚えてないの?

jel

いや……自分のことどころか

jel

なんにも覚えてないんや

jel

なんで病院に居るのかも、

jel

自分がどこの誰だったのかも。

nanamori

へぇ………

jel

君は?名前なんて言うん?

jel

俺とどういう関係だったん?

nanamori

俺は……ななもり。

nanamori

ジェルくんとは…

nanamori

"友達"、だよ…ニコッ

それから、なーくんとよく喋った。

自分の情報を持ってる人がなーくんしかいなかったし、

何故か病室には他の患者どころか看護師の一人も居なくて、

話し相手が欲しかったから。

なーくんが居てよかった…

jel

俺の家族って

jel

どんな人だったんかな?

nanamori

家族?

jel

そう、オカンとか兄弟とか…

jel

どんな人だったんかなーって思って…

nanamori

ジェルくんの家族はねー………

nanamori

………………

jel

………?

jel

なーくん?

nanamori

ご、ごめんね……ポロポロ

jel

えぇ……!?

なーくんが急に言葉を切ったかと思いきや

いきなりボロボロと泣き出した。

nanamori

おれ……言ってなかったけど…

nanamori

親から虐待されててッ……

jel

え………

nanamori

ま、毎日…学校から家に帰るたびに

nanamori

殴られて…身体中が痣だらけになって…

nanamori

お、俺が…ッ…何か失敗したりして

nanamori

機嫌が悪くなったら

nanamori

せ~行為…してくるの…

nanamori

実の親に、だよ…?

nanamori

俺…幸せそうな人が羨ましい

nanamori

愛されている人を見ると、

nanamori

勝手に涙が出てくるの…グスッ

nanamori

こんな自分嫌だ…

nanamori

汚い、気持ち悪い…ポロポロ

nanamori

タヒんじゃいたい…

jel

ッ……………!!

苦悩を吐き出すように、泣きながら話す。

自分の話はたくさん聞いたが、

なーくん自身の話は今初めて聞いている。

確かに、彼の過去は冷たく

とても残酷なものだ

でも…でも…

jel

そんなこと言っちゃダメや!!

nanamori

ビクッ……

jel

なーくんは何も悪くない!

jel

そんな最低なことする親が悪い!

jel

だから…!

nanamori

……………

nanamori

あ〜あ

冷たい声がした。

呆れたような…

がっかりしたような声。

とてもさっきまで泣いていた人の声だとは思えない。

nanamori

『俺が愛してるよ』…って

nanamori

言ってくれないんだ?

nanamori

前は、言ってくれたのに

jel

前…?

nanamori

あの時は本ッ当に嬉しかったよ!

nanamori

ジェルくんは俺に生きる希望をくれた!

nanamori

命の恩人!

nanamori

ジェルくんのその優しさに恋をしたんだ…

nanamori

恋人になれて嬉しかったよ♡

jel

恋人…?

nanamori

でも…

nanamori

所詮、"俺"じゃあね…

nanamori

やっぱり俺の大好きだったジェルくんにはなれないよねw

jel

なー、くん…?

jel

さっきから…何、言ってるの…?

nanamori

ねぇ"ジェルくん"

nanamori

君は自分の姿を見たことある?

jel

え?そういえば……

jel

ない、な…

nanamori

そうだよねw

nanamori

はい、鏡!

なーくんは背後から手鏡を取り出して、俺に渡した。

俺は鏡の中を覗き込む。

そこに映っていたのは…

目の前に立つ君と同じ顔だった。

jel

なんで、顔が

jel

なーくんの顔ッ…?

nanamori

パチン(指パチン)

ブワァ

jel

!?

nanamori

もう、虚構の景色は要らないよね?

その時、俺は病室ではなく

真っ暗な洞窟の中に居た。

かすかに海の匂いがしたから、

海辺のどこかなのだろうか。

jel

此処は…

nanamori

ああ、そっか

nanamori

なんにも覚えてないんだよね、ジェルくん。

nanamori

そうだよね、そうだよねぇ……

nanamori

だって

nanamori

ジェルくんの感覚や記憶などの内面は、

nanamori

俺がぜ~んぶ、貰っちゃったからね!

jel

は……?

jel

なーくん、さっきから言ってることが……

jel

ちゃんと分かるように話してや!

nanamori

いいよニコッ

nanamori

俺、嘘吐いたんだ。

nanamori

俺とジェルくんはね、友達なんかじゃない、

nanamori

恋人だよ♡

nanamori

前に虐待が辛すぎてタヒのうとしたことがあるの。

nanamori

海に飛び込んでやろうって。

nanamori

そしたらジェルくん、それを止めようとして

nanamori

俺の代わりにタヒにかけた……

nanamori

……俺のせいでね

nanamori

その時、全部わかったんだ。

nanamori

俺とジェルくんは、一緒に居るべきじゃない

nanamori

一緒に居たら、不幸になる。

nanamori

そういう運命。

nanamori

せめて楽にしてあげようと思って、もう一回、海に飛び込んだ。

nanamori

もちろん一緒に。

nanamori

……普通に考えて頭オカシイよね

nanamori

俺オカシクなっちゃったの

nanamori

ジェルくんの優しさのせいで。

nanamori

君の優しさは惚れ薬であり、

nanamori

洗脳という毒でもあるんだよ。

nanamori

その結果、ここに流れ着いたわけだけど…

nanamori

俺がジェルくんとくっつきすぎたせいかな、

nanamori

なんかいろいろ混ざっちゃったみたい!

nanamori

ジェルくんの身体はどっか行って、

nanamori

俺の身体にジェルくんの魂が入っちゃった。

nanamori

俺も自分の内面が消えて、

nanamori

ジェルくんの内面を貰っちゃった。

nanamori

でも……やっぱり君は

nanamori

俺の大好きなジェルくんじゃないね。

nanamori

記憶がないから?

nanamori

体が違うから?

nanamori

正解はわからないけれど…

jel

なー…くん……

信じられない。

でも、

皮肉にもこれは現実。

jel

な、なんか…ごめん、な…

nanamori

……謝らないで

nanamori

俺は今、すっごい嬉しいよ!

jel

へ……

nanamori

ジェルくんがジェルくんじゃなくなった!

nanamori

なら俺らは一緒に居ても構わないことになるよね!?

nanamori

そもそも俺はタヒんで君と離れようとしたんだ。

nanamori

でも、一緒にいる。

nanamori

不思議だね、俺には体がないのにタヒねていない。

nanamori

きっと一緒にタヒなないとあの世に逝けないんだよ!

nanamori

離れようとしても離れられない…

nanamori

俺らは運命…いや、必然の関係だったんだよジェルくん!

jel

……………

なーくんの様子に圧倒されて

言葉も出ない。

俺の優しさは毒、か…

確かに猛毒だ、頭をオカシクさせる毒。

nanamori

もう俺はジェルくんしか要らない

nanamori

だから

nanamori

今度こそ一緒にタヒのう。

nanamori

そして二人だけの場所に逝こう。

jel

ちょッ…!?

ザッパーン!!!!

なーくんは俺に抱きついた。

そのまま、海底深く広がる海へ飛び込んだ。

息が苦しい、意識が朦朧とする。

周りがよく見えない、聴こえない。

そんな状況の中なのに、何故かなーくんの顔だけははっきりと見える。

彼は泣いていた。

哀しそうな顔で、泣いている。

なーくん…

大丈夫やって……

俺が傍に居るって…

だから

もう泣かないでよ、大好きな人

君のためなら

タヒぬのも、怖くなんてないから。

『俺が愛してるよ』

桜兎(おと)

・ジェルくんの足が動かなかった理由

桜兎(おと)

→なーくんの身体は下半身が流されてなくなっていたから。

桜兎(おと)

・病室に居た理由

桜兎(おと)

→ジェルくんは過去に入院していたことがあって、その景色を見せていたから。

桜兎(おと)

最初から洞窟だと、警戒されると思ったから。

桜兎(おと)

(なーくんはジェルくんの内面を持っているので見える視界も操作できる。)

桜兎(おと)

こんなところでしょうか

桜兎(おと)

おつです()

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