テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
鳥井 希は
なんというか「怖い子」だった
理由は誰にも分からない
怒鳴るわけでも暴れるわけでもない
ただ____
距離が近く
いつも笑っているのになぜか… 感情がよめず
どこか壊れているように見えた
大人たちは目を逸らし
子供たちは逃げた
家にいても
外にいても
希はいつもひとりだった
食事は用意されることもあれば されないこともあった
声をかけられることはほとんどなかった
怒られることも褒められることもない
それが希の日常だった
それでも希は笑っていた
「なぁなぁ」
「楽しい!」
「遊ぼうぜ〜」
そう言えば
誰かが振り向いてくれるかもしれないと
そう無意識のうちに信じていた
けれど現実はいつも同じだった
「ちょっと怖い」
「なんか近い」
「関わらんとこ」
「話しかけないで」
「触らないで」
誰も
希の手を取らなかった
そんな希の世界で
たった一人だけ違う人がいた
従兄弟の兄…
年上で身体が弱くて いつも少し顔色が悪い人
その人だけは 希を見た瞬間に逃げなかった
「おいで」
希は彼の声が大好きだった
優しく抱きしめられるような彼の声が
いつも希が欲しい言葉を彼はくれた
何の警戒もなく
いつも希を抱きしめていた
希にとって初めてだった
体温を拒絶されずに受け取ったのは
「希は怖ないで」
「ただ寂しいだけや」
その言葉を聞いた時
希はよくわからないまま
胸がぎゅっとなった
それからはよく一緒に過ごした
一緒に遊んで
話して
たまに叱られて
笑って
希はその人の前でだけ 無理に明るくしなくてもよかった
愛されている
そう思ってしまった
けれどその時間は長くは続かなかった
病弱だった兄は 少しずつ外に出られなくなり
やがてベッドから起き上がれなくなった
希は毎日のように見舞いに行った
何を話せばいいか分からなくて
それでも黙っていられなくて
「あのな、あのな」
「オレなオレな」
言葉を繰り返しながら、必死に笑った
兄はそれを優しく見つめていた
そしてある日
部屋には 消えそうなほど静かな空気が満ちていた
兄は希の手を取った
希は少しビクッとなった
その手が…
その手が驚くほど冷たかったから
お兄さん
その声は弱くけれどはっきりしていた
お兄さん
希は何も言えなかった
目は開いているのに 景色が遠くに滲んでいく
兄は少し微笑んだ
お兄さん
お兄さん
その言葉に希は反応しなかった
ただ虚ろな目で兄を見ていた
そのとき兄は少しだけ力を込めた
お兄さん
希の肩がわずかに震えた
お兄さん
兄はゆっくり言葉を紡ぐ
お兄さん
お兄さん
お兄さん
お兄さん
希の瞳が少し揺れた
お兄さん
その言葉を最後に 兄は眠るように息を止めた
それからしばらく希は何も感じなかった
泣きも叫びもせず
ただ心の奥に
1つの式のようなものが残っていた
ハッピーエンド
ハッピーエンドとは何か
それは希の中だと愛されること
そして
愛される人間とは
テレビの中にいた
誰かを助け
誰かに感謝され
笑顔で名前を言われる存在
ヒーロー
希
希
希
誰かに必要とされる
逃げられない
怖がられない
愛される
そうすれば
あの人がいってた
ハッピーエンドを目指せる
希はその日決めた
ヒーローになると
それが…
それが
自分の存在意義…
生きていい理由になる
そう信じてしまったから
そして…今日も希は笑う
希
希
ハッピーエンドを
まだみぬ結末を
信じて疑わずに
チャットノベル地味に大変で死ぬ
まじでノベルが楽すぎて慣れへん
頑張ったのでいいね沢山ください
我儘ですみません
てか新しい作品だしたんすよ
そっちもみていただければ嬉しいです
まぁそっちの話2話だすかわかりせんけど
暇でしたら見ていってください
コメント
4件


うわー!めちゃめちゃ最高です😖💞ゆっくりで大丈夫なので更新頑張ってください!!