蒼
桃
本編スタート!
ドォォォォォォン!!!!!!!!!
急に近くで凄まじい爆発音がした
桃
ッッッッ!?!?
桃
い、今の音はなんだ!?
俺は上を見上げる
すると…
桃
え……?
日菜がいるビルが燃えていた
辺りは混乱の渦に巻き込まれている
通行人A
も、燃えてる!?
通行人B
中には沢山人がいるんじゃないのか!?
通行人C
だ、誰か!消防車!!!
燃えているのは大体20階
日菜の会社があるのは30階だ
火は性質上、上へ上へと燃え上がる
煙も同様だ
だから火元の上にいるのは危険だ
桃
っ……日菜…!
俺はいても立ってもいられなくなり ビルの中へと入っていった
中に入ると沢山の人が下の階に 逃げ込んできていた
桃
っ…!
俺は人の波に逆らい どんどん上へと登っていく
桃
ッッ!!暑い…
俺は20階まで来ていた
辺りは激しく燃えている
桃
……っ
俺はハンカチで口元を押さえながら もっと上へとのぼっていく
俺はようやく日菜の会社がある階まで たどり着いた
辺りは既に火の海で、
爆発の影響か 物は散らばり棚は倒れ、
とても悲惨な状態になっていた
桃
…日菜!日菜!
桃
いるなら返事してくれ!!!
俺は日菜の名前を叫ぶ
桃
…ヴッッ!!
日菜を探してる道中でお腹に 火傷を負った
だがそんなことは気にせずに 日菜を探し続ける
日菜
も…も……
桃
…!?
桃
日菜!?!?
すると遠くから俺を呼ぶ声が聞こえた
俺はその声の元へと走る
桃
っ…!?
そこにいたのは棚の下敷きに なっている日菜だった
桃
日菜!日菜!!!
俺は日菜の元へと駆け寄る
桃
日菜…今退けるからな!!
俺は棚を退けようと試みる
桃
ッッッ!!!
しかしこの棚は非常に重くどんなに 力を入れてもビクともしなかった
桃
クソっ…!
日菜
桃…もういいよ…
桃
よくない!!!!!
桃
何か…何か方法があるはずだ!!
桃
(どうする…どうする!?)
日菜
もうね…足の感覚が無いんだ…
日菜
私はもう助からないや…ニコッ
そう言って日菜は俺に微笑む
桃
っ……!
日菜
他にもこの部屋には逃げ遅れた人がいる…
日菜
その人を…助けてあげて…
桃
っ…そんなの、出来るわけないだろ!
桃
(日菜を置いて逃げるなんて…!)
俺は声を荒らげる
日菜
少しは私の言うこと聞いてよ…
桃
っ……
日菜の綺麗な瞳に涙が溜まる
日菜
桃…
日菜
愛してる…
チュ…
そして日菜は俺の口にキスをした
桃
!?
日菜
ほら早く…行って…!泣
桃
っ……必ず戻る
桃
(必ず…)
そして俺は近くで怪我を負っていた 男性を連れて下へ降りていった