高校1年生 夏
聖哉
なかなか上手くいかんな〜
聖哉(まさや)は いつもスポーツばかりだ。
幼稚園から始め、 いまだにまだ冷めることを知らない。
というかそもそも 無理なことはしない、 興味がないことはしないため、
冷めることなど ありえはしないのだ。
そんな聖哉の成績はというと スポーツは大会に多く出場し、 県大会では、優勝するなど優秀だ。 だが
勉強は出来るのにしない 嫌いなのだ。
そのため成績は最低で、 赤点ばかりとっている
(バカだ。)
ただ、あくまで「バカ」であって 「頭が悪い」訳では無い
スポーツには 頭の回転の良さが必要だ。
相手の行動を予測したり 場合によっては、 記憶力も必要になってくる。
聖哉は、それを全て兼ね備えている。 スポーツに関しては完璧なのだ。
そんな彼には 嘆賞する者がいる中、
凄さ故に、 妬まれることもあり、 嫌がらせを受けることがあった。
聖哉
やっと授業終わった…
聖哉
早く練習せな!
柚希
柚希
どこ行くん?
笑みを浮かべ言った。
聖哉
(うわ…柚希(ゆずき)かよ)
聖哉
…別にどこにも行かないよ。
柚希
冷たいなぁ。
柚希
まぁいいや、そっかそっか。
聖哉
ああ。
聖哉
急いでるから。じゃあな。
ダッダッダッ…
??
おっと。
??
廊下は走っちゃダメだよー
ドサッ
聖哉
ぃったいなぁ!
聖哉
なんだよ!!
そこには、無惨に散らばった
聖哉のいつも持ち歩いている ”スポーツノート”があった。
??
そんな怒んないでよ〜
??
走る方が悪いんでしょ?
??
逆ギレは良くないなぁ。
聖哉
いつの間に!
聖哉
バッグに入れといたのに…。
柚希
夏津(なつ)。
柚希
まぁまぁ、聖哉が可哀想だろ?
柚希
自分の持ち物に転んだ挙句、
柚希
怒られるなんてあんまりだ。
聖哉
(なんだよ、思ってもいないことを。)
聖哉
(ざまあとか思ってるくせに。)
聖哉
もういいから、どいてよ。
ドンッ
聖哉は2人を払い除け、 足早に去った。
聖哉
もう慣れたよ。
聖哉
俺の何が嫌でやんのかは
聖哉
未だに分かんないけど…。
聖哉
今日はどこで練習しようか…
聖哉
…
聖哉
…
聖哉
良いよなぁ、
聖哉
柚希には友達が居て。
聖哉
俺なんて、毎日1人で練習なのにな。
聖哉
親ももういないし…
聖哉
…
聖哉
今更だけど、俺って凄いぼっちだな。
聖哉は この感情を誤魔化すかのように
ボールを撫でた。