主
主
注意
もしかしたら気分を悪くされる方がいるかもしれません
闇系の話になりますので苦手な方はUターン
主
母
満月の日だった
とてもキレイな
雲もない晴れた日の夜のこと
母
ぐっ…手を引っ張られた
兄
兄
意識がぷつんと途切れた
風がとても気持ちいい
兄
僕はうなずく
兄ちゃんが高台へ連れてきてくれたのだ
兄ちゃんはいつも悲しそうだけど僕を安心させるために笑顔でいてくれる
でも兄ちゃんが幸せなら僕も幸せだ
こうやって兄ちゃんと過ごせる日々が
この毎日がずっとつづけばいいのに
けど僕らの毎日はちょっとおかしかった
?
この人の声によっていっぱいの人が僕らを囲んできた
こうやって毎日追いかけ回される
兄ちゃんの足が速いから毎回逃げれているけど…
最近の兄ちゃんは変だった
確実に遅くなっている
足がからまってこけたり
すぐバテたり
僕は何も知らなかった
兄ちゃんは『大丈夫。』というだけだ
僕には何ができるのだろうか
9月の出来事だった
満月の夜
また知らない人達がこれまでより大勢いた
その時兄ちゃんは寝てしまっていた
逃げることは不可能だろう
僕には何が出来るのか
それは…
それは…
「ごめん、なさい」
兄
兄ちゃんが目をあけた
僕のとこまで走ってきてる
けど、間に合わないよ
満月の黄色い月に紅い華が咲き乱れた
やっとタヒぬことができた
僕はずっとこの機会を狙っていた
僕は本当のことを知っていた
この世の“害”ということ
僕と一緒にいたら兄ちゃんまで殺されるだろう
…なら
兄ちゃんの為に僕はタヒぬ
兄ちゃんの幸せは僕の幸せだ
ごめんね兄ちゃんこれまで守ってくれたのに
僕は気づいていた
兄ちゃんはこれまでちゃんと寝ていなかった
ご飯もまともに食べてなかった
気づいていたんだよ兄ちゃん
ごめんね
「ありが、とう」
兄
兄
暗い闇の中
どこだろう ここは
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