夜の匂い
海の匂い
春の匂い
どれも大好きだ
私
私は嗅覚が特別に優れている訳では無い。
私
けど匂いで感じるのが大好きだ
私
もう先輩も明後日で卒業か…
私
(スゥー…)
夕方の匂い…
もう1日が終わるのかぁ
夏の夜の匂い
秋の夕方の匂い
冬の朝の匂い
春の昼頃の匂い
私
色んな匂いに感化されてきたけど私は
あの先輩の匂いが好きだ
私
香水とかそうゆう感じの匂いじゃない
私
あの先輩の雰囲気で感じるあの匂いが好きだ
匂いは過去の思い出に直結するらしい
私
だから私は匂いと思い出の引き出しをたくさん持っている
先輩
よっ
私
先輩!
先輩
なにしてんのー?
私
えっと、匂い嗅いでました!
先輩
え?
先輩
俺って臭う、?
私
あ、いや!そうゆうことじゃなくて、先輩の匂いが大好きなんです!
私
(しまった変なこと言ってしまった)
先輩
え、おれ何もつけてないよ?
私
ちがうんです!先輩の雰囲気がまとう匂いが大好きなんです!
先輩
ふふ笑相変わらずおもしろいやつ笑
私
へへへ笑
先輩
もう俺も明日で卒業かー
先輩
さみしいなぁ
私
私も先輩たちがいなくなるの寂しいです
先輩
おれのこと忘れないでね
私
忘れることなんてないです!
私
(先輩の匂いを簡単に忘れるわけがない…!)
先輩
あはは笑嬉しいなぁ本当に
先輩
あのさ
私
はい!
先輩
…
先輩
やっぱ、なんでもない
私
えぇ?
私
なんですか気になります!
ふわっ
私
(ん?)
冷たい
冷たい匂いがする
雨の匂いか?いや、雨は降ってないはず
私
(先輩の匂いから感じる冷たい匂い。)
けど
少しぬくもりがある
先輩
じゃ!俺卒業の予行練習あるから!またね!
私
は、はい!頑張ってください!
私
(なんなんだあの匂い)
私
(言語化するのが難しい)
私
(引越しで友達も離れ離れになる時に感じた匂いに近い気がする)
もしかして先輩、悲しかったのかな
なにがそんなに先輩を悲しませたんだ?
私
先輩!卒業おめでとうございます!
先輩
ありがとうね
私
大学でも頑張ってください
先輩
うん
私
先輩?泣きそうな顔してどうしたんですか?
ぎゅっ
私
へ?先輩、?
先輩
すき
ふわっ
私
(昨日と同じ匂い)
あぁ
そっか
先輩、私とお別れするのが寂しいんだ
私
先輩、私も好きです先輩のこと。
この匂いの名前は分からない
私と先輩だけにしか分からない特別な匂い
私
やっぱり私、
私
先輩の匂いが大好きです。