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匂い

1 - 第1話

2025年03月25日

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夜の匂い

海の匂い

春の匂い

どれも大好きだ

私は嗅覚が特別に優れている訳では無い。

けど匂いで感じるのが大好きだ

もう先輩も明後日で卒業か…

(スゥー…)

夕方の匂い…

もう1日が終わるのかぁ

夏の夜の匂い

秋の夕方の匂い

冬の朝の匂い

春の昼頃の匂い

色んな匂いに感化されてきたけど私は

あの先輩の匂いが好きだ

香水とかそうゆう感じの匂いじゃない

あの先輩の雰囲気で感じるあの匂いが好きだ

匂いは過去の思い出に直結するらしい

だから私は匂いと思い出の引き出しをたくさん持っている

先輩

よっ

先輩!

先輩

なにしてんのー?

えっと、匂い嗅いでました!

先輩

え?

先輩

俺って臭う、?

あ、いや!そうゆうことじゃなくて、先輩の匂いが大好きなんです!

(しまった変なこと言ってしまった)

先輩

え、おれ何もつけてないよ?

ちがうんです!先輩の雰囲気がまとう匂いが大好きなんです!

先輩

ふふ笑相変わらずおもしろいやつ笑

へへへ笑

先輩

もう俺も明日で卒業かー

先輩

さみしいなぁ

私も先輩たちがいなくなるの寂しいです

先輩

おれのこと忘れないでね

忘れることなんてないです!

(先輩の匂いを簡単に忘れるわけがない…!)

先輩

あはは笑嬉しいなぁ本当に

先輩

あのさ

はい!

先輩

先輩

やっぱ、なんでもない

えぇ?

なんですか気になります!

ふわっ

(ん?)

冷たい

冷たい匂いがする

雨の匂いか?いや、雨は降ってないはず

(先輩の匂いから感じる冷たい匂い。)

けど

少しぬくもりがある

先輩

じゃ!俺卒業の予行練習あるから!またね!

は、はい!頑張ってください!

(なんなんだあの匂い)

(言語化するのが難しい)

(引越しで友達も離れ離れになる時に感じた匂いに近い気がする)

もしかして先輩、悲しかったのかな

なにがそんなに先輩を悲しませたんだ?

先輩!卒業おめでとうございます!

先輩

ありがとうね

大学でも頑張ってください

先輩

うん

先輩?泣きそうな顔してどうしたんですか?

ぎゅっ

へ?先輩、?

先輩

すき

ふわっ

(昨日と同じ匂い)

あぁ

そっか

先輩、私とお別れするのが寂しいんだ

先輩、私も好きです先輩のこと。

この匂いの名前は分からない

私と先輩だけにしか分からない特別な匂い

やっぱり私、

先輩の匂いが大好きです。

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